弁護士事務所でリスティング広告をインハウス運用した記事のアイキャッチ画像

法律事務所でインハウスリスティングを運用してみて分かったこと

法律事務所でリスティング広告をインハウス運用していた経験談を記載します。インハウス運用を検討している方の参考になれば幸いです。

インハウス運用していたアカウント

検索広告だけでなく、様々な広告を運用していました。

検索連動広告

Googleアドワーズとyahooスポンサードサーチを運用していました。アカウント構造はGoogleもYahooもほぼ同じで、法律分野ごとにLPを分けて7キャンペーンほど運用していました。

GDN、Gmail広告

GDNは「デリケートな商材」のリマーケティング広告が制限されていて、法律サービスも「デリケートな商材」に該当しているため、リマーケティング広告は配信していませんでした。コンテンツターゲティングなど色々試しましたが、成果はあまり出ませんでした。ただ、Gmail広告は成果が出ていたので配信を続けていました。

YDN

リターゲティング広告、サーチターゲティング、ブロード配信(ノンターゲティング)をキャンペーンを分けて実施していました。通常配信とは別にインフィード広告も実施してており、アカウント構造は40キャンペーン、100広告グループほどに上り、Hagakure推奨はとは思えない細かい設計にしていました。CPAを抑えるためには、検索広告だけでは限界があり、YDNに注力して細かく運用していました。(YDNの自動入札機能がもう少し優秀だったら、こんなことはしないのですが・・・)

Twitter広告

YahooビジネスアカウントからTwitter広告が実施できるので、広告配信を少額で実施していました。ただ、広告が拡散することに懸念があったため、配信はリターゲティングのみ実施してました。

Facebook広告

Facebookもビジネスアカウントの作成して、インハウス運用していました。こちらもTwitter広告と同様に拡散することに懸念があったため、配信はリターゲティングのみ実施してました。

アドネットワーク広告

GDNでリマーケティング広告が配信できなかったため、「ロジカド」のリターゲティング広告を配信していました。

1日のスケジュール

弁護士会には広告規定があり、広告内容にも様々な禁止事項がありました。違反すると弁護士資格をはく奪される場合もあったので、広告の数値だけでなく弁護士会の広告規定にも注意をしながら運用していました。
ちなみに弁護士のリスティング広告で見かける
・〇〇〇専門の弁護士
・実績〇〇〇件
・絶対勝てます!
の表現は、弁護士会の広告規定に違反しているのでご注意ください。

日弁連:業務広告に関する指針

立ち上げから3ヵ月目まで

それまでは外部業者にリスティング運用を依頼していたので、最初の1ヵ月は切り替え期間でした。予算も数十万/月の規模でスタート。リスティング広告の設定や運用よりも、弁護士のサービス内容や仕組みを覚えることに注力していました。弁護士の面談に同席したり、裁判所に傍聴に行ったり(今でもたまに行きます)、あとは事務所内の案件ファイルを読んだりと。インハウスリスティングは運用担当者の自社サービス理解度が高くなければ、外注に依頼していることと変わらないので、サービス理解が重要です。
また、どうしてもスタート時は「少ない予算で様子を見ながら」となりやすく、予算に合わせたキーワード設定を考えるなど、予算に限りがあるため施策も限定的になり、広告運用が難しかったです。インハウス運用は立ち上げを上手く行わないと、失敗と判断しがちになるのかもしれません。
1日のうち半分の時間は広告の入稿や入札調整などの運用、残りの時間はセミナー準備など別のマーケティング業務を行っていました。リスティングアカウントは、予算の増額に合わせてキャンペーンやキーワードの構成を変え、ビルド&スクラップで進めていました。

4ヵ月~6ヵ月まで

法律関連の本を読んだり、外部の法律勉強会に参加したりと、より深い法律知識の習得をすすめました。例えば相続の知識を身に着けるため「終活アドバイザー」の資格取得もしました。
リスティングアカウントは「Hagakure構造」×「コンバージョンオプティマイザー」が順調に機能しておりCPAも抑えられていたため、予算も百万円/月を超える規模まで増やしていきました。
1日のうちの2時間ほどがキーワードの追加や除外、予算進捗の確認といった広告の入稿運用の時間、残りの時間はサイト制作やオフラインマーケティングの準備などに費やしました。
広告運用の工数を抑えられるアカウント設計が構築できれば、インハウスでも1日1~2時間の広告運用で十分成果が出ます。

7ヵ月目以降

リスティングアカウントは完成度が高い状態だったため、入札はコンバージョンオプティマイザーに任せて目標値をたまに調整する、キーワードの追加・除外は週1回にチェック、毎日の作業は予算進捗の確認を朝20分・夕方20分程度の工数でした。(YDNだけコンバージョンオプティマイザーが上手く機能していない様子だったので、手作業で入札調整。)
この時期の予算規模は数百万/月の規模まで増えていましたが、新しいサービスで広告を出す(新規キャンペーンを作る)ことがなければ、日々の広告運用の工数は1時間もかからないです。私の1日の業務はサイトのディレクションやライティングがほとんどでした。

インハウス運用して分かったこと

もともと広告代理店の前はゲーム会社のマーケティング担当だったのですが、リスティング広告のインハウス運用は初めてだったので、発見もいくつかありました。

CPAやコンバージョン獲得だけではない、柔軟な広告運用ができる

リスティング広告運用者がサービスを理解しているというのは、ほんとうに大きなメリットです。
例えば「交通事故」の被害相談の場合、加害者側が「自動車」「バイク」「自転車」かで内容も大きく異なります。これを知らないと、特に「自転車事故」の相談で問合せを取るべきかどうかの判断ができません。
また、相続の相談も「相続税」「遺産分割」「相続放棄」「遺言書作成」など様々あり、それぞれ相談者の年齢や状況が全く異なります。解決までにかかる期間や費用も異なるので、単純にCPAだけで判断せずに運用する必要がります。私の場合は、同じ相続でもROASごとにキャンペーンとキーワードを分割して、異なる目標単価のコンバージョンオプティマイザーを使っていました。
また、所内の状況によって「相談案件が立て込んでいるから、今週は問合せ件数を抑える」といった運用ができるのもインハウスのメリットです。代理店で「コンバージョン数を一定に抑えた運用をして」なんて依頼を引き受けてくれるところは、まずないかと思います。

色々な広告施策を試せる

代理店の場合は基本的に「代理店の施策提案」⇒「クライアントの了承」⇒「代理店の施策実施」で進みますので、どうしても施策を実施するまで時間がかかります。インハウス運用なら、担当者の判断で色々な施策が試せます。私も代理店時代から試してみたかった広告施策をいくつか実験してみました。

Google、Yahooのサポートが丁寧

これは意外でした。GoogleもYahooもサポートが丁寧で速いです。質問もすぐに解答してもらえます。もしかしたら、代理店に質問するよりも早い(結局、代理店はそのまま媒体に質問するので)のではと思います。また、細かな分析レポートも提出してもらえました。

リスティング広告の最新情報が入手できない

まず、代理店で運用していたころと比べて、リスティング広告のアップデート情報がなかなか入ってこないです。また、自社アカウントの数値しか分からないので、自分の運用が正しいかどうか判断がつかないときがあります。情報収集する時間を作る、または情報を貰えるコネクションを作ることは大切だと感じました。

まとめ

インハウス運用の成功のポイントは
・担当者の工数がかからないアカウント設計
・担当者個人に依存しない体制づくり
・第三者チェックしてもらえる相談先
が必要です。

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リスティング広告運用のフリーランス。サイトのアクセス解析やライティングもやってたり。このホームページもWordPressで自作。趣味は自転車ロードレースとプロレス観戦。猫アレルギーを持ちながらも3匹の猫と生活中。