アユダンテ様セミナーのアイキャッチ

先日、アユダンテ様の

『デジタル広告企画 実践講座 ~「新しい打ち手がない」を打破! もう一段上のスキルを6時間で身につける~』

という実践セミナーに参加しました。

この実践セミナーのテーマは

Web広告の役割を“コンバージョン獲得”の先にある “新規顧客の創造”として活用する

というものでした。

一般的なWeb広告運用セミナーでは、「自動入札の活用方法」や「コンバージョンが取れるLPの作り方」など、コンバージョンの獲得効率を上げるための内容が多いのですが、このセミナーは一味違う内容でした。

今回、「Web広告で新規顧客の創造」に焦点を当てて、実践セミナーに参加した感想をまとめます。



アユダンテ様の実践セミナーに参加したきっかけ

セミナーに参加したきっかけは、アユダンテ寳さん(@ytakara)のコラム『広告運用の役割を「獲得偏重型」から「顧客創造型」に捉え直す』を読んだことです。

このコラムを読みながら、

『どうしてもコンバージョンの獲得効率を求められるから、「成果の良いキーワードやターゲット、訴求に絞る」になってしまうよなぁ』

と共感しつつ

『私も「Web広告で新しい顧客層を見つける」を試しているものの、なかなか上手くいかないんだよな…。アユダンテさんは取り組みをしているんだろうか?』

と気になっていたところ、ページ下部にセミナー案内があり、

『こっ、これは!?』

と、光の速さ(秒速299,792,458メートル)でセミナーに申し込みしました。

単純にWeb広告について色々な人と話したかった

セミナーに参加した大きな理由は

『グループワークの中で、Web広告について話し合いができる』

です。

コロナ禍になってから、ウェビナー形式が増えて情報を聴く機会は多くなったのですが、「勉強会」のような参加者同士で話し合うイベントは減ってしまった印象で、Web広告についてお客様意外と議論する機会もほぼ0になっていました。

『あ~、Web広告の話を誰かとしたい!』

という欲求が強くなっていて、アユダンテ様の実践セミナーに参加しました。

ほんとに1人で仕事をしているんで寂しいんですよ、フリーランスは。



「デジタル広告企画 実践講座」の趣旨

まずこの講座は

『Web広告運用=コンバージョン獲得を追求する』

を否定する内容ではありません。

コラムでは

『広告運用の役割を「獲得偏重型」から「顧客創造型」に捉え直す』

と書かれていますが、あくまでもWeb広告でコンバージョンを獲得して、お客様の利益を確保したうえで、“次の一手”として

『Web広告を活用して新しい顧客層を探す』(顧客創造型)

を実施してみましょうという趣旨です。

そもそも「顧客創造型」のWeb広告運用とは?

私はフリーランスになる前、法律事務所に勤めていましたので、「法律相談の獲得案件」で例えてみます。

法律相談には色々な案件がありますが、広告を掲載している分野としては「過払い金請求」(『あなたのお金が戻ってきます』的なアレ)や「交通事故のトラブル相談」を掲載することが多いです。

まず「過払い金請求」は、消費者金融などが上限を超える金利(グレーゾーン金利)でお金を貸し付けていたので、その払いすぎた金利分を取り戻す手続きなのですが、「過払い金」が問題になってから2010年に法改正があり、それ以降はルールの範囲内の金利でお金を貸すようになったため、「過払い金の対象者は年々減っている」という状況です。

また「交通事故のトラブル相談」も、自動車のセーフティ機能が向上したり、自動運転が普及していけば、交通事故の件数は年々減っていくことが予想されます。(世の中としては良いことです)

つまり「過払い金請求」と「交通事故のトラブル相談」だけに注力している法律事務所は、数年後には厳しい状況になっていきます。

で、先を見据えている法律事務所は、

『新しい法律相談の分野をサービスとして提供できないか?』

を模索しており、その中でWeb広告も活用しています。

急成長していく産業や文化は、法制度が追い付いかないことが多く、法律トラブルも起きやすいです。

ここ最近の話では2017年あたりからビットコインなどの仮想通貨が普及し、そこに法律が間に合っていなかった感じですね。2020年あたりに資金決済法の改正があり、「仮想通貨」の名称が「暗号資産」に変更されるなど、ルールやガイドラインも整いだしている感じです。

(私は法律の専門家ではないため“感じです”という表現で逃げています!)

要は、今後成長しそうな業界は法律トラブルも起きやすいので、その業界に対して「どんなトラブルが起きそうか?」を予測して、Web広告で

『事前に法律トラブルを防ぎませんか?』

と訴求する施策を行っています。

このような新しい分野へのアプローチは、事例もないためなかなか難しいのですが、将来を考えて今からチャレンジしている法律事務所も存在します。



実際のところWeb広告に「顧客創造」の役割を求めるお客様はいるの?(アミジャットの場合)

ウチ(アミジャット)はWeb広告の運用代行手数料を固定制にしているため、Web広告予算が月額30万円の案件もあれば、月額2,000万円を超える案件もあったりと、意外とWeb広告予算の幅は広いです。

今までのお客様のうち、約8~9割は「とにかく獲得効率(CPA)を改善して欲しい」というご要望のみですね。

色々な施策を試した結果、CPAが抑えられてきて、

『ここからさらにCPAを下げるのは、正直キツい…(CPAは1円を目指さなきゃダメですか?)』

となったとき、私も“何かやらなきゃ”という焦りが出てきますので、

『CPAも落ち着いてきましたにで、新しいターゲットの発掘をやってみませんか?』

とご提案するのですが、

お客様『それよりも広告費を抑えたい(Web広告以外の施策に予算を使いたい)』

というリアクションが多いですね。もちろん、これが悪いって訳ではありません。

で、約1~2割のお客様は「新しいターゲットの発掘もやりたい」というご要望があるお客様です。

このようなお客様は、もともと「顧客の新規開拓」に積極的に取り組んでいて、既存の代理店に「新しいターゲットの発掘をやりたい」とお願いしたら、対応があまり良くなかったのでウチ(アミジャット)に切り替えていただいたというケースがほとんどです。

余談:「浜辺に打ち上げられた魚」の話

「新しいターゲットを見つける(顧客創造)」に取り組んでいるお客様とお話した「浜辺に打ち上げられた魚」の例えが面白かったので紹介します。

せっかく船を出して新鮮な魚を収穫しようとしているのに、効率だけを求めた結果「浜辺に打ち上げられた死んでいる魚を拾う」になっていて、この死んだ魚を拾う競争のためにお金を使っていると考えたら、なんだか空しいですよね的な話です。

余談です。



アユダンテ様の「デジタル広告企画 実践講座」の内容と、参加した感想

講座の大きなテーマである「顧客創造を目指した広告運用」は、3つのステップに分かれていました。

1.仮説創出
2.クラフティング
3.仮説検証

私が参加した講座では「ワイヤレスイヤホン」を対象商材にして、1~3を進めていきました。

有料の講座ですので、ネタバレしない程度に講座の内容と感想をまとめていきます。



1.仮説創出:顧客の行動を観察したり声を聴いきたりして、新しい顧客層をイメージする

このパートでは

・ヒートマップツール(Microsoft Clarity)を使って、ユーザーの行動を見る

・実際にワイヤレスイヤホンを購入した人へのインタビューを聴く

の行動観察による「定性的な情報の集め方」を学びました。

どちらも、

『気づいたことを「ラベル(一言メモ)」にしてピックアップしてく』

がポイントです。

また、「インタビューをするときのコツ」を教わったのですが、これはお客様とのWebミーティングなどでも活用できるコツでした。



2.クラフティング:「コンバージョン重視」の頭を柔らかくし、想像力を広げて広告を作る

このパートでは、「コンバージョン重視の広告訴求から、広告のアイデアをどうやって拡張していくか」を学びました。

繰り返しになりますが「コンバージョン重視の広告がダメ」という訳ではありません。

ただ、コンバージョン重視の頭で広告を考えてしまうと、どうしても「よく見かける広告」に収まってしまうため、「新しい顧客を創出するための広告」は作りにくくなります。

想像力の広げ方として、「映画シナリオ技術から学ぶ」という講義がありました。

クリエイティブな感じがあって面白かったです。(小並感)

実際に私が好きな映画や漫画のストーリーも、様々なギャップが入り混じっています。

漫画「キングダム」も、「戦争をなくすために戦争で中華統一する」というストーリーですし。

また、広告作成はグループワークで行いました。

『みんなが発言することで広告のアイデアを広げる』

が趣旨なのですが、思い返すと「私ともう1人の2人だけ」で話が進んでいました。

で、このブログを書きながら研修資料を見返しているのですが

「グループワークで全員が発言できる工夫」

について書かれていました。(たしかにこうすればよかったです…。)



3.仮説検証:新しい顧客層の発掘(積み上げ型テスト)を継続できる仕組みを作る

ABテストは“成果の良い方を残す”という「絞り込み型のテスト」です。

『新しいターゲットを開拓しよう!』

という取り組みの中で、そのままABテストを行うと。

『新しいターゲットは成果が出ないね…』

となり、この取り組み自体が頓挫します。(私もこれで頓挫していました)

新しいターゲットを開拓するという取り組みを行う場合、想定したターゲットごとの広告成果を蓄積し、フィードバックしていく「積み上げ型テスト」を実施できるかがポイントとなります。

『新規ターゲットAの反応は〇〇〇だった。次に試したターゲットBは△△△だった。』

と、ターゲットごとの結果や考察をA、B、C、D…と積み上げていく手法です。

『ターゲットAは成果が悪いから止めよう』

で終わるのでなく、「どうして成果が悪かったのか?」を分析し、蓄積していくことで“資産”になります。

この「積み上げ型テスト」を実施する場合、Web広告媒体や実施メニュー、ターゲット選定が重要です。

私が今まで、新しいターゲットの開拓でよく失敗していた例は「検索広告を使ってテストをする」です。

「新しいターゲット=ニーズが顕在化していない」というケースが多く、そもそも検索ボリュームが少ないことが多く、また検索ボリュームがあったとしても検索広告はクリック単価が比較的高いメニューですので、限られた予算の中でテストを検証するにはデータ数が足りないとうケースも出てきます。

では、どの広告媒体のフォーマットが「積み上げ型テスト」に向いているのか?

それは、この実践セミナーに参加した人だけが知っている“企業秘密”です。

また、「積み上げ型テスト」の検証結果をWeb広告に関わる人だけではなく、企業の開発担当者や営業担当者にも共有することで、ホームページのコンテンツやサービス自体の改良につなげていくことが大切だと教わりました。

これらの情報を共有するツールとして「Notion」を紹介していただきました。

私はこの実践セミナーに参加するまで「Notion」を使ったことがなかったのですが、ちょっと時間を取って「Notion」を活用してみると、アユダンテ様がオススメするだけの便利さが分かりました。

最初は「なんでも自由にカスタマイズできる」という点が、逆に難しかったりしましたが、色々といじってみて何となく使っているうちに操作を覚えるのが良いかなと。

私は操作方法を覚えるために「自分のホームページの更新タスク」をまとめることから始めました。

notionのキャプチャー画像

テストを実施する場合、「Notion」ではガントチャートが自動的に生成される点が便利ですね。テストの結果や考察、広告配信したクリエイティブなどもまとめて管理できますので。



まとめ的な何か

「Web広告で新規顧客を創造」って壮大なことのように思えますよね。

ただ、日ごろのWeb広告運用業務の中で

『最近、〇〇〇の検索語句でのクリックが増えだしてきたので、広告LPでも「〇〇〇」についての説明を追加したらどうでしょうか?』

という提案をして、実際に広告LPを改修してもらい、その結果コンバージョン数が増えると嬉しかったりしませんか?

まずは自分ができる範囲の中で

『成果が悪いこと止め、無駄なことを削る』

だけの施策ではなく

『伸びしろを発見して広げる』←新しい顧客へのアプローチ

という施策も実行できると、Web広告運用がより楽しいものだと感じられるのではないでしょうか。

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