こんにちは。アミジャットの田島です。
ウェブ広告(Google 広告やYahoo!広告など)の運用で起きやすいミスや間違いを紹介する、「#100日以内に死ぬ広告運用者」解説シリーズの6回目です。
今回は「#100日以内に死ぬ広告運用者」の26日目から30日目までのネタをピックアップします。
だんだんと元ネタの“難易度”が上がり、一部のネタは「解説」ではなく「解読」になっていますが、生暖かい目でお読みください。
※「#100日以内に死ぬ広告運用者」の元ネタは、1日目~48日目までは「DAN爵さん(@NYUSQUARE)」、49日目以降は私「アミジャット田島佑哉」が考えています。
Web広告(リスティング広告)運用の基本的な仕組みや考え方について知りたい方は、別ブログ「リスティング広告とは?リスティング広告の仕組みをわかりやすく解説」をご覧ください。
目次
【26日目のネタ】ウェブ広告の掲載報告は、管理画面でIMP発生を確認してから行いましょう
100日以内に死ぬ広告運用者 26日目
「今日はクライアントへの報告日。
え?先週から始まった広告文が出てこない?(忘れてた!)あ、トイレを先にお借りしていいですか。
(トイレ内)配信ON!配信ON!よし出た!!(商談席)私のスマホには出てきますね~。配信設定弱かったのかなあ」
死まで74日— DAN爵🐿道民に進化したWEB集客屋🦈 (@NYUSQUARE) February 15, 2020
このネタの直接的な指摘ポイントは
『「配信忘れ」を誤魔化している』
ですが、もう少し深掘りして指摘すると
『ウェブ広告施策の「設定⇒開始⇒報告」のタスク管理(フロー)が甘い』
です。
まず元ネタでは、配信することを忘れていた広告(キャンペーンそのもの?)を、打合せ中に「オン」にしていますが、実際はステータスを「オン」にしてから配信開始されるまでラグがあるので、この方法で誤魔化すのは難しい気がします。
私はウェブ広告代理店に勤めていたころに、厳しいお客様に「報告の仕方」を鍛えられました。
私『新規広告の入稿を行いました』
お客様『それって入稿だけが終わったってこと?それとも審査が終わったの?もう配信されてるってこと?』
みたいな。
それ以降、私の報告テキストは
本日〇日現在の審査状況は「審査中」です。
審査が無事に完了し、管理画面よりIMPの発生が確認できましたら、改めて「掲載開始」のご報告をいたします。
です。
特に、「掲載開始」の報告は、キャンペーンや広告を「オン」にしたら直ぐに報告するのではなく、「オン」にした後に管理画面からIMPが発生していることを確認してから報告すると良いです。
「配信は「オン」にしていたけど、設定を間違えていて実際は広告が出ていなかった」という事故を防げます。
「設定を実施」⇒「オン」⇒「管理画面で掲載(IMP発生)を確認」⇒「お客様へ配信開始の報告」
このフローを徹底しています。
【27日目のネタ】404エラーになっても配信され続けるウェブ広告
100日以内に死ぬ広告運用者 27日目
「(クライアントから久々の電話)最近、Googleの代理店を名乗る営業電話が多くて。しかも、なんか広告が404になっているとか皆数字を言うらしいんですけど、
なんか心当たりが有りません?なんなんでしょ、404って。」
死まで73日— DAN爵🐿道民に進化したWEB集客屋🦈 (@NYUSQUARE) February 16, 2020
指摘ポイントは
『広告のリンク先が404エラーになっていても、広告は配信され続けることがある』
です。
広告のリンク先URLが404エラーになっていても、404専用ページを用意していると、広告が「審査落ち」にならず、そのまま配信されてしまうケースがあります。
例えば、アミジャットのホームページのURLを間違えて入力したときに表示される、「404エラー」のページがこちらです。
これは「ウェブ広告の運用代行サービス」ページのURL「https://amijat.work/service」の「service」を「sarvice」と打ち間違えました。
この間違ったURL「amijat.work/sarvice」でGoogle広告に入稿すると、なんとそのまま広告の審査が通ってしまいます。
※「ポリシーの詳細」が「承認済み」となりました。
このままURLの間違いに気づかないで、配信を「オン」にすると「404ページ」の広告を配信し続けることに。
私、たまに「エヴァンゲリオンネタ」を入れたくなります。
入稿時のミス(設定するURLを間違っていた)は、「入稿前に用意するバルクシート」と「入稿後にダウンロードしたCSV」を、ピボットテーブルで入整理してから、各リンク先URLが正しい設定になっているかクリックして確かめます。
「指差し確認しなくてもミスをしない」がプロではなくて、「指差し確認を怠らない」のがプロなんですよ。
— アミジャット田島佑哉🍊🦅Web広告(リスティング広告)運用が得意なフリーランス (@amijat_work) January 22, 2022
ただ、
「入稿したときは存在していたページのURLだったけど、配信後に何らかの理由でページが消えて「404ページ」が表示されるてしまった」
という場合は、広告の管理画面から気づくことは、なかなか難しいですね…。
確認できる方法としては、お客様から事前に「404ページ」のページタイトルを共有していただき、Google アナリティクス(UA)で「広告経由から「404ページ」への流入」をチェックすることですかね。
良い確認方法を知っていましたら、ぜひ教えてください!
【28日目のネタ】自動入札に切り替えると、設定していた入札調整比率は「無効」になるケースがある
100日以内に死ぬ広告運用者 28日目
「インハウス運用案件を獲得した。ターゲットごとに商品単価が違うから、やたらユーザー調整が必要な案件でも、運用していたアカウントをそのまま使えるから調整は楽だな。拡張CPCだったのを、コンバージョン単価して、ユーザー調整はそのまま!OK!」
死まで72日— DAN爵🐿道民に進化したWEB集客屋🦈 (@NYUSQUARE) February 17, 2020
指摘ポイントは、広告媒体によって仕様も違いますが、
『自動入札に切り替えると、個別に設定していた「入札単価調整」は無効になる(例外あり)』
です。
媒体によって仕様が違うので、ここからはGoogle 広告について話を進めます。
Googleの検索広告を手動入札(拡張クリック単価)で運用しているとき、
時間帯別レポートを見たら、平日の昼間の成果が良かった
⇒月~金の11:00~13:00の入札単価調整を+50%に設定
地域別レポートを見たら、千葉県の成果が悪かった
⇒「千葉県」の入札単価調整を-50%に設定
などの「入札単価調整」を行うこともあるかと思います。
ここでの注意点は「自動入札に切り替えると、個別に設定した入札単価調整は反映されないケースもある」です。
Google 広告のヘルプページより、「自動入札の種類ごとに対応している入札単価調整」の表を引用します。
自動入札
スマート自動入札戦略(目標コンバージョン単価、目標広告費用対効果、コンバージョン数の最大化、コンバージョン値の最大化など)を使用している場合、個別の入札単価調整は必要ありません。
これは、お客様が指定したコンバージョン目標に合わせて最適化するよう、入札単価が自動的に設定されるためです。
スマート自動入札戦略に個別の入札単価調整を設定する場合、サポートの対象外となります。
どの媒体でも自動入札を活用する機会が増えてきましたので、媒体ごとの「自動入札の仕様」を確認するようにしましょう。
最近はインハウス運用や、事業者向けのウェブ広告セミナーも増え、ウェブ広告の仕様に詳しいお客様も多いです。
ウェブ広告運用者『デバイス別で成果の良い「パソコン」に、入札単価調整+20%を設定しましょう』
お客様『スマート自動入札を使っているので、それを設定しても意味ないですよね?』
ウェブ広告運用者『…仕様を確認して、改めてご連絡します…。』
みたいな恥ずかしい提案をしないように気をつけたいですね。
補足:コンバージョンの“値”を活用した自動入札は、「コンバージョン値のルール」を活用すると「入札単価調整」に似たような設定も可能です
詳しく書くと長くなってしまうので、ザックリと説明します。
Google 広告のスマート自動入札で、「コンバージョン値を最大化」と「目標費用対効果」という、コンバージョンの“値”を活用した自動入札タイプは、「コンバージョン値のルール」という使うことで、例えば「岡山県への配信量を増やす」ということが“設定上は可能”です。
参考:コンバージョン値のルールについて - Google 広告 ヘルプ
“設定上は可能”と記載したのは、実際にこの「コンバージョン値のルール」を試してみたのですが、狙い通りの配信量に調整するのが難しかったです…。
『一時的に岡山県からのお問い合わせが欲しいです』
とのことで、「価値のルール」を初めて試してみます。
※自動入札「コンバージョン値を最大化」を利用中 pic.twitter.com/f8Nmy0MaJX— アミジャット田島佑哉🍊🦅Web広告(リスティング広告)運用が得意なフリーランス (@amijat_work) February 15, 2022
「価値のルール」で“岡山を5倍”にしたら、岡山のクリック率が以上に高くなりCPCも高騰。
おかげで岡山に広告費を使いすぎていて、他の地域への配信を邪魔する感じになってしまっているので、結局「岡山は別キャンペーンで手動入札」にしました。
『自動入札バンザイ』の世界はまだ先ですね。
— アミジャット田島佑哉🍊🦅Web広告(リスティング広告)運用が得意なフリーランス (@amijat_work) February 18, 2022
「個別に岡山キャンペーンを作って配信」
に切り替えました。
「価値のルール」を使っても全然IMPが増えないっす。カーリング で例えるなら、狙いを「相手の石の前にフリーズショット」から「相手の石の後ろにドローショット」に切り替えた感じですかね。 https://t.co/y2djL9BFAB
— アミジャット田島佑哉🍊🦅Web広告(リスティング広告)運用が得意なフリーランス (@amijat_work) February 18, 2022
自動入札を使うことにこだわらず、最初から「岡山配信キャンペーン」を個別に作って配信したほうが良かったというオチです。
ただ、「コンバージョン値を最大化」は、最近よく使っている入札タイプですので、また別の機会に「コンバージョン値のルール」を活用した運用にチャレンジしようと思います。
【29日目のネタ】広告アカウントを引き継いだら、まずは「タグが正しく設置されているか」をチェック
100日以内に死ぬ広告運用者 29日目
「インハウスからの運用案件。
サンクスページのソースコードみたら、CVタグ入ってるな。タグ設定依頼なくて楽だなー
(1ヵ月後)あれ、CVタグ未確認だな。
え?よくわからなかったのでCVタグ設置してない?
え?じゃあ、入っているCVタグは何?」
死まで71日— DAN爵🐿道民に進化したWEB集客屋🦈 (@NYUSQUARE) February 18, 2020
指摘ポイントは
『広告アカウントを引き継いだら、タグが正しく設定されているか確認すること』
です。
私も実際に、ウェブ広告のインハウス運用支援のご相談をいただくのですが、「タグが正しく設定されているか?」は必ず確認する項目です。
「Googleタグマネージャー(GTM)はウェブ制作会社が管理していて、設定内容を見せてもらえない」みたいな、GTMの管理権限がお客様に付与されていないケースも多いですけど…。
【30日目のネタ】ネタの「解説」が難しいので、「解読」に切り替えます
100日以内に死ぬ広告運用者 30日目
「半年前に作ったキャンペーン、悪くないけれどちょっとテストしたいな。よし、旧キャンペーンを複製して、広告文だけ入れ替え!
どっちも配信ON!!ABテストだ!」
死まで70日— DAN爵🐿道民に進化したWEB集客屋🦈 (@NYUSQUARE) February 19, 2020
これは2022年3月末の時点で「いいね:0件」という、とても難解なネタです。
私にもこのネタ「解説」が難しいので、DAN爵さんが
このネタで何を伝えようとしていたのか?
を探る「解読」に切り替えます。
ダヴィンチコードですね。
仮説1:テストの目的が明確じゃないのがダメ?
“半年前に作ったキャンペーン、悪くないけれどちょっとテストしたいな。”
この言葉から考察すると
・何が“悪くない”のか分からない
↓
・何を“ちょっとテストしたい”のか分からない
ということで、
『目的を明確にしましょう』
が、指摘ポイントなのかもしれません。
仮説2:旧キャンペーンの複製(コピー)がダメ?
これはたまにあるのですが、昔に配信していたキャンペーンを複製(コピー)すると、意図しない設定までコピーしてしまい、誤配信をしてしまうことがあります。
・旧キャンペーンでは、土日の配信を停止していた
・旧キャンペーンに、今は使っていない除外キーワードが残っている
などは、自分でも以前の設定を覚えていなくて、変な設定までコピーしていないかチェックするのに時間がかかって、
『最初から新規作成した方が早いじゃん』
ってことも。
ただ、複製(コピー)機能は、管理画面でもエディターでも、ちゃんと使えば便利ですので、
『古いキャンペーンを複製してはいけない』
は、指摘ポイントとしては違う可能性が高いです。
仮説3:ABテストをするなら「テスト機能」を使うべき(Google広告の場合)
もしかしたら、
『テストをするときは「テスト機能」を活用しよう』
が指摘ポイントなのかもしれません。
ただ、仮説1に戻るのですが、「現在配信中のキャンペーン」と、「テストしたい旧キャンペーン」とで、何をテストしたいのかが分からないので、一概に
『「テスト機能」を使わないとダメ』
とも指摘できないですね…。
アミジャット田島なら、このネタをどう変える?
私も49日目以降のネタ投稿をしていたので分かるのですが、Twitterは文字数が限られているので、文章だけで「間違いポイント」を伝えるのは、なかなか難しいんですよね。
「文章に合わせて設定画面のキャプチャーを載せる」などをして、やっとネタの意図が伝わるかな、といった感じでした。
で、今回のネタは私なら「キャンペーンを複製(コピー)したときの失敗」にポイントを絞って、
『「共有予算」を使っていたキャンペーンをコピーしたら、日予算設定がよく分からなくなった』
にしますかね…。
100日以内に死ぬ広告運用者 30日目
「半年前に作成したキャンペーンを使って、新しいキャンペーンを作るぞ。
Google広告の管理画面から、古いキャンペーンを「コピー」して「貼り付け」…と。
これで大丈夫だぞ!」
死まで70日
うーん、自分で考えておきながらですが、間違いポイントが分かりにくい”没ネタ”ですね…。
困ったときの「エヴァンゲリオンネタ」ですね。
「#100日以内に死ぬ広告運用者」26日目~30日目のまとめ
27日目の「404ページのまま広告が配信されている」は、広告媒体問わずによく見かけますので、ご注意ください。
実際、私自身も404ページをGoogle 広告に入稿してみて、
『あ、これで審査が通るんだ…』
と驚きました。
ネタ解説の検証のために色々と試していますが、新しい発見が出てきて面白いです。
引き続き、31日目以降のネタ解説も、粛々と進めていきます。