最適化スコア100%

こんにちは。アミジャットの田島です。

ウェブ広告運用によくある失敗や勘違いの“あるあるネタ”をツイートした「#100日以内に死ぬ広告運用者」の解説シリーズ第3回目です。

前回の「検索広告なのにディスプレイ広告?ウェブ広告運用によくあるミス・失敗集|その2」の続きで、11日目から15日目までのネタを解説します。

今回は解説が難しいネタ(一概に「これはダメ」とは言えない系)もありますが、生暖かい目で読んでいただければ幸いです。

※「#100日以内に死ぬ広告運用者」は、48日目までは「DAN爵さん(@NYUSQUARE)」というフリーランスが考えたネタ、49日目以降は私「アミジャット田島佑哉」が考えたネタです。

 

Web広告(リスティング広告)運用の基本的な仕組みや考え方について知りたい方は、別ブログ「リスティング広告とは?リスティング広告の仕組みをわかりやすく解説」をご覧ください。
リスティング広告とは

 



【11日目の間違いネタ】「最適化スコア100%」が必ずしも“良い運用”ではない

指摘ポイントは

『Google 広告の「最適化スコア」が100%でも、“良い運用”だとは限らない』

です。

まず、Google 広告の「最適化スコア」についてですが、公式ヘルプから説明を引用します。

最適化スコアとは

最適化スコアとは、Google 広告アカウントの設定がどの程度最適化されているかを示す推定値です。

スコアは 0~100%で示され、100%であればアカウントが最大限のパフォーマンスを発揮できていることを意味します。

引用元:最適化スコアについて - Google 広告 ヘルプ

引用してみたものの、11日目のネタツイートと同じように

『最適化スコアが100%だと、最大限のパフォーマンスを発揮できています!』

と書かれていますね…。

こうゆうケースの解説って、意外と難しいんですよね…。

「公式の情報だけを信じろ」と「公式の情報だけに惑わされるな」のバランス的な。

あくまでも私個人の認識ですが、「最適化スコア」は、“Googleが推奨するアカウント構成や運用方法にどれだけ近いか?”を示した指標かな、と。

Googleは「自動入札や活用」や「対象ユーザーを広げる」ことを推奨しているので、

・自動入札を使っていない
・ターゲットが狭い(例:登録キーワードが「完全一致キーワード」のみ)

だと、「最適化スコア」が下がります。

ただ、案件によっては

・自動入札よりも手動入札の方が成果が出る
・広告予算が限られているので「完全一致キーワード」だけでピンポイントに広告を出したい

というケースもあると思いますので、必ずしも「Googleの推奨通りに設定するのが正解」とは言えないですね。

あと、この「最適化スコア」は、スコアを下げている要因(最適化案)を全て「非表示」にすることで、100%にすることができてしまいます。

最適化案-01

最適化案-02

最適化案-03

ですので、ネタツイートのように

『最適化スコア100%です!ウルトラ究極マックスの状態です!』

と説明していても、実際は

『最適化案を「非表示」にしただけ』

という可能性もあり得ます。

「最適化スコア」と「最適化案」について、アミジャット田島の独り言

「最適化スコア」の悪口ばかりを書いている感じがしたので補足します。

「最適化案」は上手く活用すると便利です。

実際に

『あ、この施策があったか』

と気づくことがあります。

ですので、特に「最適化スコアを100%にする」は考えずに、

『この提案は実施するけど、この提案は今やっても意味がない』

と判断したうえで、最適化案を実施する、または「非表示」を選んでください。

ちなみに「最適化案」の判断を失敗したネタは、70日目にあります。

その時が来たら改めて、「何が間違いなのか?」を解説します。

「最適化スコア」を分かりやすく説明しようとして、逆に分かりにくくなったので“没”にした文章(読み飛ばしてください)

「最適化スコア」は、例えるなら「カラオケの点数」ですね。

テレビ番組でも「カラオケで100点を出せるか?」で、歌が上手い人を決める企画がありますよね。

カラオケの点数って、原曲通りの音程やリズム、抑揚に合わせるほど高くなるじゃないですか。

もちろん100点に近い人は、歌も上手いですよ。

ただ、もし宇多田ヒカルの「First Love」を、玉置浩二がカラオケで歌ったら、クセがスゴくて75点ぐらいになると思うんですけど、実際に聴いたら感動して泣くと思うんですよね。

あ、あと尾崎紀世彦が「First Love」を歌っても、同じく泣けると思います。

つまりはGoogle 広告の「最適化スコア」って、『THE夜もヒッパレ』なんですよね。

【12日目の間違いネタ】仮で設定したつもりの広告が、いつの間にか配信されていることに

指摘ポイントは

『広告文が“未定”のときは、“仮の広告文”を設定しないこと』

です。

何かの手違いで配信設定が「オン」になっていると、“仮の広告文”が表示されます。

『キャンペーンや広告グループ、広告のステータスを「オフ」にしておけば大丈夫』

と思いがちですが、人間はどうしてもミスをします。

ツイートしたネタのように、

『忙しくて設定を「オフ」にするのを忘れてしまった』

ということもあり得ます。

あと、ちょっと論点がズレるかもしれませんが、広告アカウントはお客様にとってウェブ集客の良し悪しを決める大事な資産です。

例え広告アカウントの管理元が、広告代理店様だとしても。

お客様が広告アカウントに、「ああああ|ああああ」という広告が設定されているのを見たとき、その代理店に対してどう思うでしょうか?

ぜひ一度、インフィニットループ社様の新卒向け研修資料

「テスト文字列に“うんこ”と入れるな」

を読んでみてください。

「広告文の仮設定」についてアミジャット田島の独り言

偉そうに解説していますが、私も代理店に勤めていた頃に、同じような失敗をしています。

偉そうなことは言えない立場です!すみませんでした!

私が代理店勤務時代にやらかしたケースでは、お客様の広告アカウントではなく、個人のGoogle 広告アカウントを使って、

・広告文をお客様に提案する間に、「商標ブロック」がかかっていないか確かめるために入稿(リンク先は自社のURL)

・気づいたら審査が通っていて配信されていた

がありました。

あと、フリーランスになってからも、

・Googleの「アプリ広告」の設定方法を確認したい

・自社(アミジャット)のGoogle 広告アカウントで「アプリ広告」を設定してみる。

・1ヵ月後にGoogleから請求が届く

・『自社広告は出してないんだけどな…』と思いながらGoogle広告アカウントにログインすると、「アプリ広告」のキャンペーンがオンになって配信されていた。

ということもありました。

「ああああ|ああああ」の広告が配信されてしまうケース

Google 広告でよく聞くのは、アフィリエイターの方がGoogleの「キーワードプランナー」を利用したくて、誤配信してしまうケースですね。

「キーワードプランナー」を使うためにGoogle広告アカウントを開設した際、操作方法が分からないまま設定を進めてしまい、広告文に「あああ|あああ」と入れて、気づいたらその広告が配信されていた的な。

今はGoogle 広告アカウントを作成する際に、「お支払い情報」でクレジットカードなどの情報を登録する必要があるので、間違えて設定してしまうとそのまま配信されてしまいますので、ご注意ください。

(昔は「銀行振り込み」を選択できたので、広告費を入金しなければ広告は配信されなかたんですけどね)

【13日目の間違いネタ】検索キーワード(検索語句)の“揺らぎ”は、1つの登録キーワードでカバーできる

指摘ポイントは

『検索キーワード(検索語句)の“揺らぎ”は、1つの登録キーワードでカバーできるので、複数の類似キーワードを追加する必要はない』

です。

※複数の“揺らぎ”キーワードを登録する必要がない理由は、次の「14日目」のネタで改めて解説します。

ただ、「揺らぎキーワードを登録しすぎると成果が悪化する」という訳でもないので、

『絶対にダメです!』

とは断言しにくいのですが…。

個人的には

①登録キーワード数が増えると、運用が雑になりがち。

以前にGoogle 広告のアカウントで、「登録キーワード数:20万以上」という案件を引き継いだのですが、広告管理画面の「検索キーワード」のページを切り替えるとフリーズしました…。

②Yahoo!検索広告は、1広告グループに登録できるキーワード数が2,000個まで

除外キーワード含むので、“揺らぎ”までキーワード登録してしまうと上限に当たってしまう。

2つの理由から、“揺らぎ”までは登録キーワードとして設定しなくてもいいかなと考えています。

「キーワードの揺らぎ」について、アミジャット田島の独り言

キーワード「男性用 化粧品」と「化粧品 男性用」の両方を、登録キーワードに設定しておきたい気持ち、分からないでもないです。

「男性用 化粧品」
⇒男性が自分用に検索して探していそう。(私の個人的な感覚)

「化粧品 男性用」
⇒女性が男性へのプレゼントとして探していそう。(私の個人的な感覚)

みたいな違いがありそうなので、登録キーワードを別けておきたい的な。

ただ

『登録キーワードを別けたところで、広告文の訴求が同じなら意味ないよね?』

ですけども。

あとは、

『キーワード「男性用 化粧品」と「化粧品 男性用」それぞれの“品質スコア”を把握したい』

という人もいるかな、と。

ただ、

『どこまでキーワードの“品質スコア”を重要視するか?』

の話をすると“沼”に落ちるので、この話には触れません!

登録キーワードの話に戻すと、「登録数は多いと良いor悪い」ではなく、「ウェブ広告運用者が運用しやすい登録キーワード数」になっていればいいのかな、と。

運用しやすいとは「狙った検索語句に、狙った広告を、狙ったクリック単価(≒CPA)で表示できる」状態です。

ゴルフに例えるなら、クラブの上限数“14本”を持ってプレイしても良いし、「ドライバー」「7番アイアン」「ピッチングウェッジ」「パター」の”4本”だけでも良いです。

14本を持ってプレイしたところで、それぞれのクラブを扱えなければ、

・ラウンド中の持ち運びの負担が増える
・どのクラブを使えばいいか迷う

というデメリットも発生します。

自分にあったクラブの数(運用しやすい登録キーワード数)を見つけることが大切ですね。

ちなみに私は、ゴルフを1度もプレイしたことはありません。

【14日目の間違いネタ】登録キーワードのマッチタイプ「完全一致」は、“検索キーワード(検索語句)の文字列の一致”ではない

指摘ポイントは

『完全一致キーワードは、「検索キーワード(検索語句)の文字列の一致」ではない』

です。

まず先に、Google 広告のヘルプより、「完全一致キーワードで広告の表示対象となる検索キーワード(検索語句)」の例を紹介します。

完全一致

キーワードとまったく同じ意味または意図の検索が、広告の表示対象となります。

完全一致キーワードの例

引用元:キーワードのマッチタイプについて - Google 広告 ヘルプ

「文字列の一致」ではなく「検索の意図(意味)の一致」なのです。

13日目のネタで例えるなら、

完全一致キーワード:[男性用 化粧品]

を1つ登録しておけば、検索キーワード(検索語句)が「男性用の化粧品(間に“の”が入る)」や「化粧品 男性用(語順が逆)」の場合でも、広告の表示対象になります。

そのため、13日目の指摘ポイントが

『検索キーワード(検索語句)の“揺らぎ”は、1つの登録キーワードでカバーできるので、複数の類似キーワードを追加する必要はない』

だった理由は、完全一致キーワード「男性用 化粧品」を1つ登録すれば、ツイートに記載されていた検索キーワード(検索語句)6パターンの全てが、広告の表示対象になるからでした。

「完全一致キーワード」の対象範囲について、アミジャット田島の独り言

完全一致キーワードに限った話ではないのですが、「登録キーワード」と「広告の表示対象となる検索キーワード(検索語句)」の関係は、“検索の文字列”ではなく“検索の意図”で判断されます。

そのため、「完全一致キーワード」でも、

『え?この検索キーワード(検索語句)で、広告が表示されちゃうの?』

みたいなケースが増えてきました。

最近では、登録キーワード

[脱毛エステ 渋谷](完全一致キーワード)

から、検索キーワード(検索語句)「脱毛エステ 東京」で広告が表示されていたケースがありました。

※実際のキーワードは別業種です。

上記のツイートにも書いたのですが、登録キーワードに合わせて広告文を変更できる「広告カスタマイザ」という機能を使っていると、狙い通りに広告を表示できていない可能性が出てくるんですよね…。

「広告カスタマイザ」については、94日目のネタとして投稿していますので、この解説にたどり着いたときに紹介します。

↑これ、何がダメかわかりますか?間違いが2つほどありますね。

(ターゲットキーワードの“+〇〇”は、当時はまだ利用できたマッチタイプ「絞り込み部分一致」ですので気になさらず。)

Google 広告の管理画面上の「キーワード」の表記について

Google 広告の管理画面の「キーワード」の項目を開くと、

・検索キーワード
・除外キーワード
・検索語句

と表示されるのですが、管理画面の名称に合わせて説明すると、ややこしくなるんですよね。

検索キーワードと検索語句

管理画面の「検索キーワード」の名称を、「登録キーワード」に変更してもらえませんかね?

「検索キーワード」に表示されているのは、ユーザーが検索したキーワードではないので…。

そのため私のブログでは、ユーザーが検索したキーワードのことを、「検索キーワード(検索語句)」とまどろっこしく説明しています。

また、管理画面に設定するキーワードのことは「登録キーワード」と書いています。

【15日目の間違いネタ】キャンペーンに設定した「1日あたりの予算額」は、設定額よりも多く配信される可能性がある

指摘ポイントは2点です。

『残り2営業日の時点で、配信したい金額を「1日あたりの予算額」に設定している』

『キャンペーンに設定した「1日あたりの予算額」は、設定した金額以上に配信される可能性がある』

まぁ、そもそもの部分で

『広告費の管理もできないのに「ウェブ広告運用者」なの?あなたにとって「運用」って何ですか?お客様から何の対価として「手数料」を貰っているのですか?』

と、小一時間ほど質問したいですけど、完璧な人間はいませんので「たまたま予算管理をミスしてしまった」ということで矛を収めます。

私もミスをしますしね。

では、指摘ポイントに話を戻します。

1つ目の

『残り2営業日の時点で、配信したい金額を「1日の平均予算(日予算)」に設定している』

ですが、まずツイートの文章を確認すると、

“あと明日しかないのに、予算が10万円も残っている”
⇒今日を含めて今月は「残り2日」

“キャンペーンの日額予算を10万円に設定、キーワード追加、入札単価かなりUP。”

この日(残り2日の時点)に、キャンペーンに設定する「1日の平均予算(日予算)」を10万円にしてしまうと、この日の時点で10万円の広告費を使ってしまう可能性があります。

そのため、明日に配信される広告費は「予算超過」になる可能性が出てきます。

より理解してもらえるように、絵でまとめるとこんな感じです。

日予算設定による配信金額の例

次に2つ目の指摘ポイント

『キャンペーンに設定した「1日あたりの予算額」は、設定した金額以上に配信される可能性がある』

ですが、まず「1日あたりの予算額」よりもどれぐらい多く配信されるか?は、媒体によって違いがあります。

Google 広告、Yahoo!広告の場合、“2倍の金額”まで配信される可能性があります。

《補足》「1日あたりの予算額」を超過した分の請求について

Google 広告、Yahoo!広告には、「1ヵ月の請求金額の上限」という仕組みがありまして、簡単にと説明すると

「1日あたりの予算額」よりもオーバーして配信された分の広告費は請求されない(返金される)

というものです。

※詳しくは「Google 広告」と「Yahoo!広告」のヘルプページでご確認ください。

◆請求額と1日の平均予算の関係 - Google 広告 ヘルプ

◆検索広告のキャンペーン予算(日額)を超過した場合の請求について - ヘルプ - Yahoo!広告

ちなみに、Google広告の場合、管理画面の「キャンペーン」⇒「予算」⇒「予算レポートを表示」をクリックすると、詳細を確認できます。

日予算を超過した場合の請求キャプチャー

こんな仕組みがあるものの、請求の上限金額は「1日あたりの予算額」を変えると変動しますし、お客様に報告する際に

『管理画面上では広告費がオーバーしていますが、実際は請求されませんので!』

と説明したところで、

『こんな人(代理店)にウェブ広告運用をお願いしても大丈夫か?』

と思われるだけですので、

『超過しても請求されなから大丈夫』

とは考えずに、“お預かりした広告予算を大切に運用する”ことを忘れないようにしましょうね。

「#100日以内に死ぬ広告運用者」11日目~15日目のまとめ

11日目の「最適化スコア」の解説は、

『どうやって説明するのが良いのかな…』

と、悩みながら書きました。

「品質スコア」を説明するときの“もどかしさ”に似ていますね。

『この解説ってどうなの?』

と思わせてしまいましたら申し訳ございません。

※先に謝ることで“保険”をかけております。

次回の「16日目~20日目」のネタを確認してみたのですが、DAN爵の“クセがスゴい”と思うネタがいくつかありました。

今回は(も)無駄に文章が長くなりましたので、次回は分かりやすく端的に解説できるように頑張ります。

最後まで記事を読んでいただきありがとうございます。この記事が役に立ったなと思ったらSNSでシェアしていただけるとうれしいです。