完全一致キーワードとは?
このブログで分かること
  • 完全一致キーワードの定義とその変化について解説
  • Google広告における完全一致キーワードの運用方法と注意点
  • 完全一致キーワードでも検索語句が広がってしまうことの問題点

先日、Google広告の検索連動型広告(いわゆる「リスティング広告」)で、

『登録キーワードのマッチタイプを「完全一致キーワード」のみで運用する』

ということを試しました。

皆さんは「完全一致キーワード」に対して、広告表示の対象となる検索語句ってどのような認識ですかね?

私は

『今の「完全一致キーワード」って、ここまでもう検索語句と一致しないんだ…』

と驚いたので、今回のブログで紹介します。

※このブログは2022年10月に書いたものです。その後、仕様が変わっている可能性があります。
※このページでは「リスティング広告=検索連動型広告」として用語を使っています。

 

Web広告(リスティング広告)運用の基本的な仕組みや考え方について知りたい方は、別ブログ「リスティング広告とは?リスティング広告の仕組みをわかりやすく解説」をご覧ください。
リスティング広告とは

 

はじめに:Google 広告の「完全一致キーワード」の仕様をヘルプページで確認

『「完全一致キーワード」が広告の表示対象となる検索語句はどれですか?』

という質問に対して、Twitterやブログを見ていると、人によって認識がバラバラだなぁという印象です。

 

リスティング広告をなんとなく知っている人
⇒同じ検索語句で検索されたときに広告が表示される。

リスティング広告をそこそこ知っている人
⇒検索語句に“表記の揺らぎ”や"語順の違い"があった場合でも、類似キーワードとして広告が表示される。

三度の飯よりリスティング広告が好きな人
⇒検索語句が“同じ意味”だったときに広告が表示される。

 

これぐらい認識に違いがある印象です。

実際にGoogle 広告のヘルプページで「完全一致キーワード」の仕様について確認してみると、このように説明されています。

完全一致

キーワードとまったく同じ意味または意図の検索が、広告の表示対象となります。

Google広告の完全一致キーワードについて

引用元:キーワードのマッチタイプについて - Google 広告 ヘルプ

ポイントは検索語句の「文字列が一致するか」ではなく、「意味や意図が一致するか」です。

でまぁ、ここまでは

『検索語句の「意図の一致」なんてことは、ヘルプページを見てるから知ってるよ!』

って人も多いかと思いますが、今回取り上げたい内容は

『ヘルプの「広告が表示されない検索語句の例」って、ちょっと違ってきていませんかねぇ?』

でして、Google 広告のヘルプページの図で例えるなら

『「男性用テニスシューズ」も「男児用シューズ」も広告は表示されますよね?』

というお話です。

Googleリスティング広告の「完全一致キーワード」の“検索語句の対象範囲の広さ”に気づいたきっかけ

法律事務所の「相続の法律相談」の案件で、コンバージョンに繋がる検索語句だけを完全一致キーワードで登録して、自動入札で運用してみようという試みを行いました。

例えば

[相続 弁護士 相談]

といった、「これは相続のことを弁護士に相談したい人の検索語句だろう」と判断できるものだけをピックアップして、完全一致キーワードとして登録しました。

5つのキーワードに絞って登録したのですが、その中に

[相続に強い弁護士]

という完全一致キーワードも登録しました。

「相続に強い弁護士」という検索語句のボリュームは少なかったのですが、コンバージョンに繋がっていた検索語句でしたので、完全一致キーワードとして登録しました。

そして「登録数を絞った完全一致キーワードだけで運用する」という施策をスタートしてから、毎日の進捗を見ていくと、

[相続に強い弁護士]

の表示回数が徐々に伸びていきました。

完全一致キーワード「相続に強い弁護士」の日別数値

最初は

『意外と「相続に強い弁護士」って検索するは人いるんだな~』

と思っていたのですが

『いや、さすがに急に「相続に強い弁護士」で検索する人は増えないでしょ…』

と気づき、検索語句を確認すると広告表示の対象範囲の広さに驚きました。

どこまで検索語句を拾うのかが気になり、10日間ほどそのまま配信しました。

で、実際に完全一致キーワード[相続に強い弁護士]で表示されていた検索語句がこちらです。

完全一致キーワード「相続に強い弁護士」の検索語句

検索語句が「相続に強い弁護士」と全く同じだった割合は約1%で、ほとんどが「遺産 相続 弁護士」で表示されていました。

ちなみに今回、完全一致キーワードとして

[遺産 相続 弁護士]

は登録していませんでした。

『Google的には「検索の意図が同じです」ってことなんでしょうけど、ここまで対象範囲が広いの?』

という感想です。

「完全一致キーワード」の拡張で困ること①:「特定の検索語句を含む」ときだけの広告表示が難しい

本来、今回の施策で検証したかったことは

「コンバージョンに近いと思われる検索語句だけに広告を表示する」

でして、例えば「相続」「弁護士」「相談」の3つが必ず含まれている検索語句だけに広告を表示しようとしていました。

「相続に強い弁護士」には「相談」という語句は含んでいないものに、コンバージョン率が高い検索語句だったので、完全一致キーワードとして登録したところ、実際は「遺産 相続 弁護士」で広告が表示されてる結果となりました。

もし

『「相続に強い弁護士」で検索されたときだけ広告を表示したい』

という施策を実施しようとすると、様々な検索語句を除外キーワード設定に追加していく必要があります。

色々な人のブログを読んでいて

『コンバージョン獲得できる検索語句を、別キャンペーンに完全一致キーワードで登録して上位表示することで、運用工数をかけなくてもピンポイントの検索語句からクリックを獲得できる』

という施策案を拝見したのですが、ほんとにピンポイントの検索語句で広告を上位表示をさせようとするのなら、

『完全一致キーワードでも「除外キーワードを設定する運用工数」は発生するんだよなぁ』

と思いました。

このような施策を行っている場合は、完全一致キーワードだからといって油断せずに、ちゃんと検索語句をチェックが必要ですね。

「完全一致キーワード」の拡張で困ること②:「広告カスタマイザ」が意図通りに表示されているのか不安になる

これは別の案件で起きた事例です。

例えば「新宿、渋谷、品川で事業展開している音楽教室」があったとして、完全一致キーワードに

[音楽教室 新宿]
[音楽教室 渋谷]
[音楽教室 品川]

を登録します。

さらに完全一致キーワードに対して「広告カスタマイザ」を設定し、検索した地域名に合わせて広告文にも地域名を表示する施策を実施しました。

ここで悩ましい点は、完全一致キーワードの「新宿」や「渋谷」が、検索語句が「東京」の場合でも、類似キーワードとして表示されていることがありました。

 

ユーザーが検索したキーワード(検索語句):東京駅近辺の音楽室
 ⇒表示された広告:「新宿の音楽教室〇〇〇」
  ⇒ユーザーの気持ち:『いや、新宿の音楽教室は探していないから』

 

完全一致キーワードを設定だけでは、「新宿、渋谷、品川」の地域を含む検索語句だけに広告を表示するということが難しいため、「新宿、渋谷、品川」以外の地域名(例:「東京」)を含めて検索された場合はどうするか?も考える必要があります。

「広告カスタマイザ」は、登録キーワードはトリガーになるので、

『どの登録キーワードが、どの検索語句を拾うのか?』

がブレると

『設定してみたものの狙い通りの広告表示ができていないのでは…?』

と悩むケースが多いです。

私自身、昔は「検索語句に対する広告文の出し分け=広告カスタマイザ」を実施していたのですが、今現在は「広告文の出し分け=広告グループ(広告キャンペーン)を分ける」で対応することが多くなりました。

『「Hagakure」でアカウント構成をシンプルにしましょう』

と書いていた頃が懐かしいです…(遠い目)

まとめ

「完全一致キーワードが拾う検索語句は広くなっている」について、気づいている人は既に気づいていますね。

媒体の公式ヘルプに書かれていること内容が、最も信頼できる1次情報ですので、まずは公式ヘルプをチェックすることが大切です。

ただ、媒体の公式ヘルプがWeb広告の仕様においついていないこともあるので、

『自分の目で実際に仕様を確かめる』

ということも大切だなと再確認した事例でした。

最後まで記事を読んでいただきありがとうございます。この記事が役に立ったなと思ったらSNSでシェアしていただけるとうれしいです。