- 悪徳Web広告代理店が行う不正な手法とそのリスクについて
- 広告アカウントの閲覧権限を顧客に付与しない代理店の問題点
- 信頼できるWeb広告代理店の選び方とチェックポイント
Web広告運用の「失敗あるあるネタ」をツイートした「#100日以内に死ぬ広告運用者」のネタ解説シリーズ。
今回は4日目のネタ『お客様に内緒で、“本来のWeb広告の成果(目的)”に繋がらない施策を実施している』について解説します。
これは「ミス」や「失敗」ではなく、”悪徳広告代理店の姑息な手口”ですね…。ダメ、絶対!
※「#100日以内に死ぬ広告運用者」は、48日目までは「DAN爵さん(@NYUSQUARE)」というフリーランスが考えたネタ、49日目以降は私「アミジャット田島佑哉」が考えたネタです。
Web広告(リスティング広告)運用の基本的な仕組みや考え方について知りたい方は、別ブログ「リスティング広告とは?リスティング広告の仕組みをわかりやすく解説」をご覧ください。
目次
【4日目の間違いネタ】検索広告の掲載順位の偽装工作?
100日以内に死ぬ広告運用者 4日目
「今日も1位表示できてねえってクライアントから文句の電話来たわ。こんな予算でできるわけないじゃん。もう面倒だから、新キャンペーン作って、その会社の半径1キロだけ目標インプレッションシェア、検索結果ページの最上位、シェア100%設定とっ。」
死まで96日— DAN爵🐿WEB集客&リスティング広告運用🦈 (@NYUSQUARE) January 24, 2020
指摘ポイントは
『お客様に内緒で、“本来のWeb広告の成果(目的)”に繋がらない施策を実施している』
です。
このツイートのように、お客様から
『ウチの広告を1位に表示して欲しい』
と依頼されるケースもありますよね。
本来はお客様のご要望をくみ取りながら、Web広告の仕組みを説明したうえで、限られた予算の中で
『では、このような設定で試してみましょうか?』
と提案することもWeb広告運用者の仕事です。
今回のケースは、お客様と議論する手間をかけたくないために
『お客様の会社付近だけに配信する広告キャンペーンを用意して、掲載順位を上げる設定にしよう』
という場当たり的な施策を取ってしまったケースです。
問題点を2つに分けると、
1:お客様と向き合っていない
⇒『こんな予算でできるわけないじゃん。』の理由を説明してあげるべき。
2:広告アカウントの閲覧権限を渡していない代理店
⇒『ノウハウが流出するので広告アカウントは開示できない』を理由にして、お客様に内緒で変な施策を実施している。
です。
問題点1:お客様と向き合えないWeb広告運用者(Web広告代理店)
私の場合はフリーランスとして活動しており、Web広告の運用案件数も絞っています。
その分、1社ごとのお客様と長くお付き合いしていくことを考えて
『お客様とWeb広告の運用方針をじっくり議論する』
を行っています。
今回の場合なら
・『検索広告の目的は「利益を出すこと」で、「1位表示」ではないですよ』の認識合わせ
・『ユーザーの環境によって広告の掲載順位も変わりますよ』の説明
・もしかしたら「1位表示」の施策が有効かもしれないので、ご予算の中で実施できる施策案の提示
を行いますね。
これがGoogle 検索広告と仮定して、具体的には
ステップ1:まず、予算が限られているのであれば、「対象の検索語句(キーワード)」と「配信地域」を見直す
ステップ2:Google 広告の「テストと下書き」の機能を使って、配信の50%を「1位表示狙い」の設定にする
ステップ3:「通常の運用」と「1位表示の運用」の配信結果を元に、今後どうゆう方針で運用していくかを話し合う
です。
私の今までの経験上ですが、どんなに媒体の仕様やロジックに基づいて
『その施策は成果に繋がらないと考えています』
と説明しても、お客様にはお客様の考えがあるので、なかなか納得してもらえないことも多いです。
その場合は「テスト機能などを活用して実際に試してみて、データを元に議論する」がスムーズに進みます。
問題点2:広告アカウントを見せない(閲覧権限を付与しない)Web広告代理店
まずはTwitterで行った「お客様にWeb広告アカウントの閲覧権限を付与しているか?」のアンケート結果です。
【アンケート】
ウェブ広告の運用代行のお仕事をされている方に質問です。
お客様に「広告アカウントの閲覧権限」を付与していますか?— アミジャット田島佑哉🍊🦅🎲フリーランスのリスティング広告運用者 (@amijat_work) April 4, 2022
約3割のWeb広告代理店が『お客様にWeb広告アカウントの閲覧権限を付与していない(広告アカウントを見せない)』でした。
Web広告代理店側にも事情はあるかと思いますが、正直なとことろ個人的には
”Web広告アカウントの閲覧権限を付与しない代理店は、運用がダメなケースが多い”
と感じています。
これは「Web広告(リスティング広告)代理店の選び方」の判断基準の1つにもなる項目です。
大切な広告費を預けているのに『広告費の使い方はお見せできません』と言われたら不安ですよね。
また、お客様にWeb広告アカウントを見せない理由に『ノウハウの流出を防ぐため』と答える代理店もみかけますが、”広告アカウントを見られただけで真似されるノウハウ”は、たいしたノウハウではないです。
真面目にWeb広告を運用している代理店ほど、自社ブログやSNSなどで運用ノウハウを公開してますしね。
まとめ
Web広告運用の間違いやミスの解説ではなく、『ダメなWeb広告代理店の話』になってしまいました。
ただ、残念ながら「雑なWeb広告運用」「不誠実な対応」を行うWeb広告代理店が存在するのも事実です。
広告主(Web広告運用を代理店に依頼する人)は、代理店選びにご注意いただければ幸いです。