- コンバージョンが0件のとき、CPAを「0円」と表示すると誤解を生む
- レポート作成時、CPAに「エラー表示」や「任意の文字」を使う方法がある
- 累積CPAを使用することで、コンバージョン単価の推移を明確に示せる
リスティング広告のコンバージョン数が0件の場合の「コンバージョン単価」について、レポートにどう表記すると分かりやすくなるか、あれこれ考えてみるブログ記事です。
まず、「コンバージョン単価」の計算方法は、
「広告費用 ÷ コンバージョン数」
です。
そして、Google広告、Yahoo!広告の管理画面では、コンバージョンが0件の場合の「コンバージョン単価」は「¥0」と表示されます。
でも、小学校の算数の授業で
『0で割ると∞になってしまうので、0では割れません』
みたいな話を聞いた記憶ありませんか?
実際に電卓で「100 ÷ 0」を計算すると、「エラー」と表示されます。
今回は、お客様に月次レポートを提出するとき、
『コンバージョン数が0件の場合の「コンバージョン単価」は、0円で提出していいの?』
という、ちょっとだけモヤモヤすることをあれこれ書いていきます。
ブログの後半では
『コンバージョンが0件の日があっても見やすい「コンバージョン単価の推移レポート」の作り方』
も紹介しますので、生暖かい目でお読みいただければ幸いです。
※レポートのキャプチャー画像で使われている略語「CPA」は、「コンバージョン単価」のことです。
目次
Google広告、Yahoo!広告の管理画面に表示されるコンバージョン単価
Google広告、Yahoo!広告の管理画面で、コンバージョン数が0件の場合、コンバージョン単価は「¥0」と表示されます。
【Google広告の管理画面】
【Yahoo!広告の管理画面】
でも、
『広告費31,171円が発生しているキーワード○○○○は、コンバージョン数0件だったので、コンバージョン単価は0円です』
って、なんか腑におちませんよね。
コンバージョンが0件の場合のコンバージョン単価の対処法(例:検索語句レポート)
コンバージョンが0件の場合のコンバージョン単価の対処法は、Web広告代理店や運用者、レポート作成ツールによってバラバラかもしれませんが、大きく分けてこの3パターンかと考えます。
パターン1:管理画面に合わせて「コンバージョン単価0円」を表示する
管理画面の表示と同じように、「コンバージョン単価0円」で表示するパターンです。
私が10年前に勤めていたWeb広告代理店では、レポートは自動生成されていたのですが、久しぶりに当時のレポートを確認してみたら「コンバージョン単価0円」と表示されていました。
管理画面上での表示が「コンバージョン単価0円」なので、レポートも同じ表示でいいじゃないって意見も分かるのですが、やっぱり「コンバージョン単価0円」って“成果が良かった”って勘違いをしやすい見え方なので、私は「コンバージョン単価0円」の表示方法は避けたい派です。
パターン2:割り算を行って「#DIV/0!」エラーをそのまま表示する
コンバージョン単価(CPA)の項目に計算式「広告費用 ÷ コンバージョン数」を入れて、コンバージョン数が0件の場合は「#DIV/0!」というエラーメッセージを表示するパターンです。
この「#DIV/0!」のDIVって「divide(割る)」の略でして、
『お前さんはねえ、そこを0で割っているんだよ!』(By原辰徳)
という意味のエラーメッセージです。
ですので、「#DIV/0!」をそのまま残してもいいのかなぁと思うのですが、やっぱりレポートの見た目が悪くなる点が気になりますよね。
ちなみに私は「#DIV/0!」のことを、最初は『ディボー』と発音でいました。
パターン3:IFERROR関数を使って、任意の文字(-など)を表示する
IFERROR関数を使って「#DIV/0!」を別の文字に変えるパターン。
このやり方を採用しているWeb広告運用者も多いのではないでしょうか?
私も上記のキャプチャー画像のように、IFERROR関数を使って、”-”と表示するようにしています。
ちょっとひねって、“CV無し”と表示するパターンも試したのですが、めちゃくちゃ見づらい表になってしまいました。
考えすぎではありますが、「-」や「CV無し」を代入すると、今度は
『データとして「数字」が入る列に「文字」が入るのって気持ち悪くない?』
と思うことがあります。(このモヤモヤ感、伝わりますかね?)
結局
『数字が入る列だから「コンバージョン単価0円」が良いのかも』
に戻ってくるみたいな。
まぁでも私は、エラーメッセージには「-」を代入するやり方で作成していますが。
日別レポートでは「累積コンバージョン単価(累積CPA)」を使うと良い感じになります
日別のコンバージョン数とコンバージョン単価のレポートを作成するとき、
・コンバージョン数:棒グラグ
・コンバージョン単価:折れ線グラフ
の2軸グラフを合わせて作ることもありますよね。
このとき、コンバージョンが0件だった日のコンバージョン単価を「0円」や「#DIV/0!」や「-」のどれにした場合でも、コンバージョン単価の折れ線グラフって上下のブレが激しい、何を伝えたいのか分からない感じのグラグになってしまうんですよね。
[[[[CV0の折れ線グラフ]]]]
私は2歳のときからおじいちゃんに
『棒グラフは“差”を見やすくするために、折れ線グラフは“推移”を見やすくするために使うもの。それぞれのグラフにはちゃんと意味があるんだよ。』
と教わってきました。(若干の脚色あり)
ですので、この「ぐちゃぐちゃなコンバージョン単価の折れ線グラフ」は、推移が良く分からないので、私としては作るだけ無駄なグラフなんですよね。
そこで役に立つコンバージョン単価の考え方が「累積コンバージョン単価(累積CPA)」です!
ドヤ顔で書いておりますが、元々はacssembleの新田さん(@nitta_masataka)が推奨していたやり方でして、私はこれをパックって今でも活用しています。
「累積コンバージョン単価(累積CPA)」は、
『その日までに使った費用の合計 ÷ その日までに獲得したコンバージョン数の合計』
で算出します。
この累積CPAを使って作った「日別数値」と「2軸グラフ」がこちら。
【累積CPAを含めた日別数値】
【累積CPAを使った2軸グラフ】
コンバージョン単価(CPA)の傾向が分かりやすいグラフになりましたよね。
さらにこの「2軸グラフ」に、「いつ、どんな施策を実施したか」を追記すると、施策と効果の関係性も見えてくる素敵なグラフに変わります!
ちなみに、
『日別の成果と実施施策を1つにまとめると、伝わりやすいレポートになる』
というテクニックは、HAPPY ANALYTICSの小川さん(@ryuka01)から教えていただきました。
色々な人の良いやり方を真似していけばいいんです!(断言)
まとめ:お客様に伝えたいことが正しく伝わるレポート作成
たかがレポート、されどレポート。
どうせ作成するのなら
『誰が見ても分かりやすく、一人歩きしても誤解を与えないレポート』
をお客様にご提出したいと私は考えます。