リスティング広告(検索連動型広告)の「広告文」は、どれぐらい頻度で新規作成やクリエイティブテストを行っていますか?
広告の重要性が分かっていても「キーワードの登録や入札調整に時間が取られて広告文を作る時間がない」または「そもそもアカウント構造が複雑すぎて広告文の追加が簡単にできない」という方も多いと思います。
実は私も今まではキーワードの追加や除外に比べて、広告文の作成にかける時間は少なかったです。
しかし先日「SEMカフェ」の勉強会に参加して、リスティング広告運用の考え方を見直す切っ掛けとなりました。
考え方を変えるだけでは意味がないので、実際にGoogle広告(adwords)で『キーワードの運用は放置して、広告文だけに工数をかけると、数値はどう変化するか』を検証してみました。
5日間の検証ですが、結論としては『キーワードの入札を変更するよりも、広告文を追加した方が成果が出る』と思える内容でした。
そこで今回は、実際に検証した内容とアカウント数値のデータを紹介します。
リスティング広告の運用者は何に手間をかけるべきかの参考になれば幸いです。
目次
「SEMカフェ」について
ご存知の方も多いかもしれませんが、「SEMカフェ」はリスティング広告に関わる人のためのコミュニティです。
先日「〜今のやり方でいいのかな?AdWordsを上手く、楽しく、動かす方法〜」というセミナーに参加させていただきました。
有料セミナーですので詳しい内容を書くことは控えますが、とても楽しくて濃密な6時間でした。
今回の記事は、SEMカフェのセミナーで知ったことや、「ほんとかな?」と疑問に思ったことについて、実際にAdWords広告を配信して検証した結果をまとめています。
検証実験をしたいと思ったこと
まずは混乱しないように、このページで使う用語は以下のように定義します。
・リスティング広告 ⇒ AdWords広告の「検索連動型広告」のことです。
・キーワード ⇒ AdWords広告の管理画面に登録するキーワードのことです。
・検索クエリ ⇒ ユーザーが検索するときに入力する語句。AdWords広告の「検索語句」のことです。
・広告文 ⇒ AdWords広告に設定するテキスト広告のことです。
今回、検証で確認したい項目は
-
- 広告文は入稿した時点で勝ち負けが決まっている?
- 広告文によって反応する検索クエリが変化する?
- キーワードの追加や入札調整よりも、広告文をひたすら作った方が成果が出る?
の3本です。サザエさん形式です。
①広告文は入稿した時点で勝ち負けが決まっている?
これは昔から気になっていました。
複数の広告文を設定して「最適化配信」で掲載開始すると、掲載初日から1つの広告文に配信が寄ることがよくあります。IMPやクリック率などのデータが溜まってないのに、どうして差が出るんだろうと疑問に思っていました。
考えられる仮説は
「AdWordsは入稿した時点で広告文の内容を解析して、広告表示の優先度を決めている」
または
「検索クエリに合わせて広告文をマッチングさせている」です。
※あくまでも私の個人的な予想です。
②広告文によって反応する検索クエリが変化する?
1つの広告グループに複数の広告文を入れておくと、
『東京 歯医者』で検索⇒『東京の歯医者なら~』の広告文が表示される。
『無痛治療』で検索⇒『無痛治療の歯医者なら~』の広告文が表示される。
と、検索クエリに紐づいた広告が表示されるのか、という疑問です。
AdWords広告のオークションのロジックは
①ユーザーがあるキーワードで検索する。
↓
②アドワーズは表示対象となる「広告」を全てピックアップする。
↓
③その中から広告ランクが高いものだけが表示される。
という流れです。
シンプルに考えると、検索クエリに合わせて最適な広告文が紐づいて表示されそうな気がします。
ということは、1広告グループの中に部分一致キーワードを1つ入れて色々なパターンの広告文を設定しておけば、検索クエリの合わせて広告文が勝手に出し分けられる?
ほんとに?
③キーワードの追加や入札調整よりも、広告文をひたすら作った方が成果が出る?
検索クエリと広告文が紐づくのであれば、キーワードの入札調整や除外設定をしなくても、広告文次第で検索クエリをコントロールできる?
例えば、検索クエリ『渋谷 クリニック』のクリック数を増やすのなら、『渋谷 クリニック』に関連する広告文をどんどん追加すれば、検索クエリも増えるのではないか、ということです。
いつもの私なら、『渋谷 クリニック』を完全一致キーワードで追加して「完全一致のインプレッションシェアを上げる」という施策を行います。
これってもしかして意味のない施策?
AdWordsの疑問を解消するための検証実験
いくら「SEMカフェ」でリスティング広告に精通する講師から教わったこととはいえ、実際にやってみないと納得できないタイプの人間なので検証しました。
今回、リスティング広告の検証に利用した案件は、薬剤師専門の転職サイトを比較したアフィリエイトサイトです。
AdWords広告の検証では、このサイトのトップページをリンク先にして、薬剤師に向けた広告を配信しました。
実験用のAdWordsアカウントの設定内容
いきなりクライアント様の案件で試すには、少し勇気がいる設定内容です。
登録したキーワード
「薬剤師 転職」
「薬剤師 求人」
の2キーワードだけを、マッチタイプ「部分一致」で登録。
マッチタイプの仕組み上、検索クエリは「エンジニア転職」や「薬剤師 大学」、部分一致の拡張を考えれば「○○薬局」や「コンビニ アルバイト」でも広告が表示される可能性があります。
また、このキーワードの「First Page Bid」は1,500円ほど。「ページ上部表示の推定入札単価」は3,000円オーバーです。高い!
除外したキーワード
アフィリエイト商材では「リスティング広告をサービス名で検索したときに表示させることはNG」と、制限をかけているケースがほとんどです。
そのため「リクナビ」や「ファルマスタッフ」といったアフィリエイトに設定している転職サイト名は、フレーズ一致で除外設定をしています。
ただ、それ以外のキーワードについては、除外キーワードを一切設定していません。
「コンビニ アルバイト」で検索しても広告表示の可能性がある『ノーガード戦法』です。
コンバージョン計測
Googleタグマネージャーを使って、外部リンク(「マイナビ薬剤師」などのアフィリエイトリンク)をクリックした際にコンバージョンが発生するように設定しています。
また、マイクロコンバージョンとして「45秒滞在」でもコンバージョンが発生するように、Googleタグマネージャーを活用して設定しています。
「外部リンク誘導」と「45秒滞在」の、合計2種類のコンバージョンを計測しています。
広告表示オプションなど
「サイトリンク」「コールアウト」「価格表示」などの、設定可能な広告表示オプションを全て実施しました。
また、このアフィリエイトサイトでAdWords広告を配信するのは初めてですが、リターゲティング用のタグだけは以前から設置してありました。
ユーザーリストも少し溜まっている状態でしたので、このリストを使って「サイト訪問ユーザー」と「類似ユーザー」の2つをユーザーリストとして登録しました。
検索広告向けリマーケティング(RLSA)の「掲載先の絞り込みと入札単価」ではなく「入札単価のみ」の方です。
Googleが最適化をするためのシグナルが増えるので設定しています。
1日目:まずは6パターンの広告文を設定して配信
まず最初に確かめたいことは「広告文は入稿した時点で勝ち負けが決まっている?」です。
広告文はこの6パターンを設定しました。
パターン1はサイトの内容に合わせたものです。
「公式」って入れるとクリック率は上がる説に期待しました。
パターン2は、以前に私が薬剤師専門の人材紹介業に携わっていて、その頃の経験からこの広告文を作りました。
当時は薬学部が4年制から6年制に変わった頃の話なので、今はまた違うかもしれませんが、薬剤師さんのブランクは3年以上あると転職や復職は若干厳しい傾向でした。
ただ売り手市場ですので、薬剤師さんの人柄に問題なければ良ければ「ブランクありでも問題なし」って求人も多かったのも事実です。
パターン3は「THE無難」を狙いました。普通の中の普通という広告文です。
パターン4は「東京」に絞ってみました。「薬剤師 転職 東京」といった検索クエリに反応するか調べるためです。
ただ見直してみると、「13社厳選」は全く厳選ではないなと思いますね。せめて7社にすればよかった。
パターン5は「薬剤師 転職」で検索して、オーガニックで1位になっていた某サイトのタイトルとディスクリプションからインスパイアしました。
Google AdWordsが入稿時点で広告文の勝ち負けを決めているのであれば、SEOで1位になっているタイトルやディスクリプションが優先されやすいんじゃないかという予想です。
パターン6は、がっつり他社の商標を使ってしまった広告文です。
通常はトラブルになりそうな広告文はクライアント様には提案しませんが、1度試してみたかったので設定しました。
1日目の配信結果
AdWords管理画面のキャプチャーを掲載します。
1日目の数値は、
・コスト:3,624円
・表示回数:2,492
・クリック数:15
・クリック率:0.6%
・クリック単価:242円
となりました。
パターン3の「薬剤師の転職で年収アップ」の掲載率が50%を超えています。クリック数もこの広告からの発生(13件)がほとんどです。
パターン2の「ママも活躍できる薬剤師の求人」は、1件もクリックされていないのに、掲載率は21%と2番目に高いです。
広告文と検索クエリの関連性を調べてみる
除外設定をしていないので、「薬剤師転職」「薬剤師求人」の部分一致で、どれだけ検索クエリが拾われているか気になるところです。
全15クリックの検索クエリはこちらです。
意外と、いや想像以上に検索クエリが整っていました。
「インフルエンザ」や「処方箋」など、仕事探しとは関係のない検索クエリが多いと思っていました。
特に「薬剤師 年収」で3位掲載、CPC239円は驚きました。
クリックされた広告はほぼパターン3の「薬剤師の転職で年収アップ」だったので、この広告文に検索クエリが反応した結果だと思われます。
また、GoogleアナリティクスとAdWordsを連携することで、アナリティクスの管理画面から広告文ごとの検索クエリを確認することができます。
アナリティクスの管理画面はこちらです。
メニューの「集客」⇒「AdWords」⇒「検索語句」を選択します。そして、セカンダリディメンションで「AdWords 広告クリエイティブ ID」を選択すると、広告文ごとに分割して確認することが可能です。
この画面を見ると、検索クエリ「調剤 事務 求人 東京」は、パターン4の広告文「厳選/東京都内の薬剤師転職なら」に反応していていることが確認できます。
検索クエリが広告文に引き寄せられるという説は、決して都市伝説ではないなと思いました。
まぁ、たまたまかもしれませんが。
また、クリックが発生していないパターン2の広告文「ママも活躍できる薬剤師の求人」の掲載率が高いことから、AdWordsは検索クエリだけではなくユーザーの年齢や性別などの様々なシグナルから、そのユーザーに合った配信すべき広告を選んでいるのかもしれません。
2日目:「薬剤師 年収」に合わせた広告文を6本追加して配信(広告文は合計12本)
1日目の検索クエリは「薬剤師 年収」が多かったので、普段の私なら「薬剤師 年収」を完全一致キーワードで追加します。
ただ今回は広告文の影響を確認する検証なのでキーワードの追加や除外は一切行わず、広告文だけを追加していきます。
検索クエリ「薬剤師 年収」を増やすために、「薬剤師 年収」で検索している人に対してAdWordsが積極的に広告を配信しそうな広告文を追加していきます。
以下の6パターンを追加しました。
改めて見てみると、パターン毎にもう少し違いを出せないものかなと反省です。
「年収700万円以上の薬剤師」みたいな、数値を入れたバージョンも試してみればよかったですね。
言い訳ですが、朝の30分で1つのターゲットに絞った広告文を、1人で6パターン作成するのはかなり辛いです。
広告文は複数人でアイデアを出し合った方が色々なパターンが生まれるので、1人で考え込んではダメですね。
追加した6本を含め、合計12本の広告文を配信しました。
2日目の配信結果
2日目の数値は、
・コスト:3,321円
・表示回数:1,404
・クリック数:20
・クリック率:1.42%
・クリック単価:166円
1日目よりも数値が良くなりました。
除外キーワードの設定などは行っていませんが、広告の表示回数が減ったためにクリック率が上がっている状況です。
広告文の掲載率を見ると、2日目に追加した広告文がガッツリと掲載比率の上位を占めています。
検索クエリも広告文に合わせて絞られたのかもしれません。憶測ですが。
また、検索クエリの傾向ですが「薬剤師 年収」以外にも「薬剤師 求人 東大阪」といった熱い検索クエリからの流入が発生しました。
広告文パターン8の「管理薬剤師なのに・・」に紐づいて、「管理薬剤師と認定薬剤師どう違う」といった検索クエリも発生していました。
2日目の結果からは「広告文によって反応する検索クエリが変化する」の説も、都市伝説ではないなと感じました。
これもまぁ、たまたまの可能性もありますが。
3日目:「産休明けの女性薬剤師」を狙った広告文を4本追加して配信(広告文は合計16本)
3日目は、1日目に掲載率が良かった「ブランク明けの女性薬剤師」に狙いを絞った広告文を追加していきます。
AdWordsが1日目に、より多く配信させようと判断しいたということは、この層のターゲットが多い可能性が高く、イケてる広告文を追加できれば、さらにクリック数を増加できるはずです。
追加した広告文は以下の4パターンです。
広告文の作成ペースが6から4に落ちました。
言い訳ですが、朝の30分で1つのターゲットの広告文を(以下、略)
3日目の配信結果
大爆死でした。。。
3日目の数値は、
・コスト:1,285円
・表示回数:1,368
・クリック数:9
・クリック率:0.58%
・クリック単価:161円
「ブランク明けの女性薬剤師」を狙った広告文の掲載率は上がったのですが、全くクリックされないという結果でした。。。
広告文がイケてないんでしょうね。
4日目:広告文は16本のままで配信(広告文は合計16本)
本当は3日目に作った広告文を止めたいところです。
ただ、このまま配信し続けるとAdWordsはどんな動きをするか確かめてみたかったので、広告文は止めずに3日目と同じ設定のまま配信しました。
4日目の配信結果
4日目の数値は、
・コスト:2,603円
・表示回数:1,001
・クリック数:17
・クリック率:1.70%
・クリック単価:153円
と改善しました。
広告文の配信比率を確認すると、クリック率が高い『薬剤師の転職で年収アップ』の掲載率が増えていました。
どうやらAdWordsは、1日で広告文の最適化を修正してくれているようです。優秀です。
5日目:広告文を4本追加して配信(広告文は合計20本)
今まで配信していた16本の広告文とは別の4パターンを追加して、合計20本の広告文で配信を試しました。
「No.1」や「2017年」など、数字を入れるパターンの広告文ですね。
『1とか7など奇数を使うとクリック率が上がる』といった都市伝説もありますね。
このように合計20パターンを作りましたが、googleが推奨しているアカウント構造論『GORIN』の解説を読むと、
広告グループ内に広告を入れ過ぎない:3〜5 本が推奨
と、『広告文の入れすぎ注意』との記載があります。
はたして、広告文を20本も入れて上手く機能するのでしょうか。
5日目の配信結果
5日目の数値は、
・コスト:2,473円
・表示回数:1,449
・クリック数:18
・クリック率:1.24%
・クリック単価:137円
となりました。
広告の掲載率は、パターン19の『2017年の人気No.1はどこ?』が49.34%と跳ねました。
クリック率は0.98%と高くはないのですが、やっぱりAdWordsは『奇数』が好きなのでしょうか?
検索クエリを確認すると「薬局名 × 求人」のパターンが増えています。
掲載率の高かった『薬剤師の師転職サイトランキング』の広告文に連動して、検索クエリの傾向も変化したようです。
私は「リクナビ薬剤師」と「マイナビ薬剤師」をアフィリエイト掲載しているので、リスティング広告ではこの指名キーワードを除外していましたが、この2社のアフィリエイト掲載を止めて除外キーワードも外せば、部分一致キーワードで「マイナビ薬剤師 評判」などの大手転職サイト名の検索クエリを低CPCで集められると思います。
全期間の配信結果
5日間の数値はコンバージョン数(外部リンク誘導数)を含めると、
・コスト:13,306円
・表示回数:7,714
・クリック数:78
・クリック率:1.01%
・クリック単価:171円
・外部リンクの誘導数:4件
・外部リンクの誘導率:5.13%
・外部リンクの誘導単価:3,326円
という結果でした。
アフィリエイトサイトですので、外部リンクに誘導しただけでは成果発生しません。誘導先の転職サイト上で、登録が完了すると成果が発生します。
登録率を20%で計算すると、アフィリエイトの1成果につき16,630円の広告コストという結果です。
『薬剤師の転職サイトの登録』のアフィリエイトは、薬剤師の登録1件につき平均25,000円ほどの成果発生ですので、このまま続けていれば毎月5万円前後の利益が出る見込みです。
『PPCアフィエイト』と呼ばれるものですね。
ただ、PPCアフィリエイトは本職ではないので、もう掲載は止めてしまいました。
もし『薬剤師の転職サイト』のアフィリエイトを実施されている方で、PPCアフィリエイトを実施する際は真似してみてください。
もちろん成果は保証しません。
疑問の検証
当初の疑問だった3点を振り返ります。
検証①広告文は入稿した時点で勝ち負けが決まっている?
結果:信頼度83%
掲載を開始した時点で、広告文の掲載率に大きな差が出ました。
AdWordsはなんらかのロジックで入稿した広告文を解析して、優先的に配信する広告文を選定しているように思われます。
検証②広告文によって反応する検索クエリが変化する?
結果:信頼度71%
今回の検証では、広告文の内容と検索クエリが連動するような動きをしていました。
これがAdWordsのロジックでマッチングしているのか、検索ユーザーがたまたま関連する広告をクリックしただけなのかは、判断が難しいところです。
とはいえ、検索クエリのニーズに合わせて様々な広告文のパターンを入れた方が、部分一致キーワードが上手く機能して、クリック単価を抑えつつ見込み度の高いクリックを集められるようです。
検証③キーワードの追加や入札調整よりも、広告文をひたすら作った方が成果が出る?
結果:信頼度55%
広告文を多く設定するほど、最適化配信されて検索クエリも変化することが分かりました。
ただ、今回登録した2つのキーワードの「品質スコア」の数値が、ずっと「-」のままで評価されませんでした。
これはキーワード「薬剤師転職」と「薬剤師求人」に完全一致した検索クエリが発生していなかったためですね。
品質スコアが広告ランクの計算に使われるわけではないので、そこまで品質スコアの数値やAdWordsの仕様について気する必要はないのですが。
重要: 品質スコアはオークション時の広告ランクの計算には使用されません。
うーん、やっぱり運用の目安として「品質スコア」は欲しいですね。
検索クエリをキーワード登録しただけでは成果は変わらないけど、「品質スコア」が確認できるようになる点はメリットなので、主要の検索クエリはキーワード登録した方がいいと思います。
今回の場合、「薬剤師 年収」をキーワード登録しておけば「品質スコア」が確認できるので、「薬剤師 年収」を狙って作った広告文がイケてたかを数値で把握することができますね。
また『検索広告のインプレッション シェア損失率(広告ランク)』が多い結果となった点も気になります。
「First Page Bid」が1,500円ほどのキーワードを200円以下の入札単価で運用していたので、まぁ「広告ランク」で負けまくりますよね。
ただ、この運用方法のおかげで低CPCで色々な検索クエリを拾えたので、『インプレッションシェア損失』はそこまで気にしなくてもいいんですかね?
でもこの数値を他の運用者が見たら、絶対に「インプレッションシェア損失が高すぎです。さっさと運用を切り替えましょう。」って言われますよね…自分でも言うと思う。
やっぱり予算に合わせて登録キーワードを変えたり除外キーワードを登録して、『インプレッションシェア』や『完全一致率』を改善した方が成果も出る気もしますし…
これはまた改めて『広告文を20本入れたまま登録キーワードを精査して、インプレッションシェアを改善すると数値は変わるのか?』を検証してみないと分かりませんね。
まとめ
知識や経験はアウトプットしないと身につかないため、こんな感じで検証結果をレポート記事にまとめています。
この記事全体の文字数も10,000文字オーバーの長文となりましたが、お伝えしたかったことは、
『キーワードの追加や入札調整も大切だけど、同じくらい(それ以上に)広告文の追加にも工数を使おう』
です。
オークションのロジックから単純に考えれば、「広告文」が重要なのは当たり前なんですけどね。
SEMカフェのセミナーにて、アユダンテ様から紹介いただいた広告文に関する記事です。
私も1つの商材で広告文を100パターンも試した経験はありません。早くユニコーンに出会いたいです。
今後、自動入札などAIの精度が上がっていく以上、リスティング広告の運用者は
『検索クエリに合わせた広告文を作り続ける』
に力を入れるべきだと改めて感じました。
以前に『hagakure構造』の記事をまとめましたが、大切なのはアカウント構造を変えることで、運用者の工数のかけ方が「入札調整」から「クリエイティブ」に変わるという点です。
もし、2~3本の広告文しか試していないのであれば、チャンスを失っている可能性が高いです。
この3本全ての広告文が、私が3日目に作った「イケていない広告文」のまま配信されていると考えたらゾッとしませんか?
皆さまもキーワードの入札や追加にかけている工数を『広告文作成』に費やしてみてください。
広告文で成果がガラリと変わる経験をすると、ちょっとした感動を覚えるはずです。