リスティング広告手数料ブログのアイキャッチ

リスティング広告の運用代行手数料は、「広告出稿金額の20%(マージン制)」が相場とされています。

そのため、代理店から提示さる御見積書も「出稿金額の20%」としか記載されていないケースがほとんどです。

そこで今回、広告運用にかかる時間を内訳別に算出した「工数見積」を作成しました。



こんにちは、アミジャットの田島です。

先日、リスティング広告運用の経験者がいない企業様より、

『自社でリスティング広告を運用したい』

とご相談をいただきました。

その際、

『リスティング広告の運用業務は、どれぐらいの時間がかかるものですか?』

とのご質問をいただき、実際に私が1つの案件に費やしている運用工数をピックアップしました。

そのとき、ふと

『そういえば、私のリスティング広告の運用手数料の見積って、工数や内訳まで明記したものは作成したことがないな…』

と気づきました。

リスティング広告の運用は、運用者の経験によって作業スピードや施策案の有用性も変わるため、「工数を費やす=良いサービス」にはならないので、運用代行手数料について工数ベースで適正な金額を算出することは困難です。

とはいえ、

・リスティング広告の運用代行手数料の見積を算出するのは困難。

・だから手数料についての詳細な見積書は作らなくていい。
⇒「出稿金額の〇〇%」や「固定額:〇〇万円」と記載すればいい。

は、以前から

『やっぱり何か変だよな』

と違和感を抱いていましたので、今回「リスティング広告の運用代行手数料を工数見積」を作成してみました。

最初に書いておきますが、決してリスティング広告の運用代行手数料について

『マージン制が良いか、悪いか』

を議論したい訳ではないです。

手数料は各広告代理店が経営方針に沿って決めればいいことかなと思っていますし、実際に私もマージン制を採用している広告代理店様へのコンサル業務も行っていますし。

ただ、私がリスティング広告運用のお仕事でご飯を食べている1人のフリーランスとして、実際に「リスティング広告の運用代行手数料を工数見積」を作成してみたことで、改めて自分の仕事を見つめ直すこともできたので、色々と書いていきます。

リスティング広告の運用代行手数料の一般的な相場

リスティング広告の運用代行手数料は大きく分けて、

①広告費と連動する「マージン制」
②広告費テーブルに合わせて設定した「固定制」

の2パターンに分類されます。

大手代理店、小規模代理店、フリーランスも、①か②を採用するケースがほとんどです。

また、代理店によっては、掲載開始時に「初期費用」も発生するケースがあります。

リスティング広告の運用代行手数料:①広告費と連動する「マージン制」

多くの広告代理店では、広告費と連動する「マージン制」を採用しています。

細かな部分では、マージン率は“内掛け”か“外掛け”かの違いもありますが、相場は「広告費の20%」です。

手数料の安さを売りにしている広告代理店であれば、手数料を「広告費の10%」と下げて設定している広告代理手もあります。

<例>マージン率が「外掛け20%」の場合
・広告費:30万円⇒手数料:6万円
・広告費:100万円⇒手数料:20万円
・広告費:500万円⇒手数料:100万円

と、広告費が増えると、支払う手数料も増えていく形式です。

リスティング広告の運用代行手数料:②広告費のテーブルに合わせた「固定制」

広告費を金額ごとに区分分けして、その区分ごとに固定の手数料を設けているパターンです。

手数料は固定ですが、その金額は「マージン20%」を基準にして、設定されているケースが多いです。

<例>広告費の金額テーブルに合わせた手数料
・テーブル1:広告費が30万円以下の場合⇒5万円~
・テーブル2:広告費が30万円~60万円以下の場合⇒10万円~
・テーブル3:広告費が60万円~100万円以下の場合⇒15万円~
・テーブル4:広告費が100万円~150万円以下の場合⇒20万円~
※広告費のテーブルの切り方と、その固定手数料の決め方は、広告代理店によって異なります。

最初に「広告費:20万円⇒手数料5万円」でスタートした広告主が、広告費を120万円に増額したら、手数料もテーブルに合わせて「20万円」に上がるケースが多いです。
※広告代理店によって仕組みは違うのかもしれませんが。

「マージン制」も「固定手数料制」も、手数料の計算ロジックが違うだけで、「広告費が増えると支払う手数料も増える」という料金システムがほとんどです。

関連ブログ:リスティング広告代理店の選び方。失敗しないポイント&オススメ9社を紹介



「アミジャット」のリスティング広告の運用代行手数料

「アミジャット」では、「②広告費のテーブルに合わせた固定手数料」を採用しています。

>>リスティング広告の運用代行|アミジャット

ただ、恐らく他社の「固定手数料制」と違うのは、最初に頭の中で工数の概算見積(この案件は1商材だから工数はそんなにかからなそう、など)を作って手数料を決めるので、その後に広告費が増えようが減ろうが、手数料は変動しましせん。

手数料を増やす場合は、

・新しい商材(サービス)の広告を出す
・実施していなかった媒体で広告を出す

です。

単純に「広告費を増やす」だけでは、手数料を変えていません。

「運用代行サービス」ページのケース紹介でも記載していますが、スタート時点では「広告費:月額300万円⇒手数料25万円」で請け負ったお客様が、今では広告費を月額:2,500万円まで増額しているので、

「広告費:月額2,500万円⇒手数料25万円」

マージン率に換算すると1%、という条件で運用しています。

ただ、実際に広告費が「300万円⇒2,500万円」に増えたからといって、対象商材自体は増えていないので、運用の工数もそこまで増えておらず、私としても

『別に手数料はこのままでいいか』

といった感覚です。

お客様も優しく、私の運用方針にも理解いただいているので、特に「安く使われている」といったストレスもないです。

ただ、1日あたりに使う金額が80万円を超えるので、

『予算超過時の補てんを考えると、ちょっとリスクがあるかな』

と感じることも少しありますが。

また、固定手数料を採用していますが、実際の手数料は概算工数から決めているので、「運用代行サービス」ページの「運用代行手数料」のテーブルに当てはまらないことの方が多いです。

ただ、ホームページ上に「手数料は都度見積」と書いてしまうと、お客様も手数料がいくらかかるのかホームページを見ただけでは分からないので、目安の手数料が分かるようにテーブル制の金額を掲載している状況です。



リスティング広告の運用代行手数料を「工数見積」で作ってみた

内訳ごとに工数と金額を含めた見積書を作るのは、ゲーム会社で働いていたとき以来、約10年ぶりでした。

「時間単価」×「工数」での見積を作成するために

・時間単価の想定
・1案件にかかる各工数(時間)の洗い出し
・見積書での各工数の項目別け

を考えるのが大変でした。

参考になる見積書がないかなと、ヤホーで「リスティング広告 手数料 見積書」でググってみても、「広告費の20%」としか書かれていない見積書しか出てこなかったです。

そのため、今回の「工数見積」は、ほぼアミジャットオリジナルで作成した見積書となりました。

また、「工数見積」を作るからには、「時間単価」や「工数」をより現実的なものにしたかったので、リスグラムの西川さん(@LISGRAMCOM)にも見積書の内容をチェックしていただきました。

実際に「工数見積」で作成したリスティング広告の運用代行手数料

今回作成した、リスティング広告運用代行手数料の「工数見積」です。

【サンプル】リスティング広告の手数料見積-1

広告運用で実際に発生する工数は

・単品商材か、ECサイトのような複数商材か?
・売上単価は高いか、目標CPAはどこまで許容できるか?
・その商材、サービスの認知度はあるか?(指名キーワードが占める割合)
・広告予算はどれぐらいか?(実施できる施策の幅が変わる)
・フィードを活用する案件か?

など、案件の内容によって変わってきますが、ひとまず

「月額予算200万円、単品商材のリード獲得案件」

を想定して「工数見積」を作成しました。



リスティング広告運用の手数料:「工数見積」の時間給

時間単価「4,000円」にて想定しました。

「クラウドテック」や「ハイパフォコンサル」などから紹介されるリスティング広告運用者の常駐案件の場合、時間単価の相場は「3,000~6,000円」といったところです。

ただ「ランサーズ」のようなクラウドソーシングサービスでは、リスティング広告運用を時給1,000円でも請け負っている人もいますので、時間単価はピンキリです。

ちなみに、リスグラムの西川さんからは

『私にも時間単価4000円以上の常駐相談は頻繁に来るので、この「4,000円」の設定は安すぎですよ』

と指摘されました。

ただ、今回の見積の工数を「実工数」ではなく「バッファ工数」で作成するつもりだったので、時間単価はひとまず「4,000円」に決めました。

リスティング広告運用の手数料:見積項目a「広告予算管理」

見積:広告予算管理

リスティング広告運用の最低限の業務である「予算管理」に該当する項目です。

この項目は。リスティング広告の運用ノウハウよりも、純粋な「管理画面の閲覧時間」が該当する想定です。

リスティング広告運用の手数料項目a-1:日時チェック

最低限、広告管理画面にログインして数字をチェックする時間で「15時間」の想定です。

・各広告アカウントの管理画面へのログイン:1回15分
・1日のログイン回数:2回×30日(←私は土日も管理画面をチェックしているので)

の計算で15時間としました。

土日も対応するかは別ですが、広告運用者が1日に管理画面にログインする回数についてのアンケート結果はこんな感じでした。

私の場合は

・7~9時に1回目のログイン
・14~18時に2回目のログイン

といった感じです。(日曜日は「朝の1回」だけのときもありますが)

この15時間は、実工数に近い数値かなと思います。

リスティング広告運用の手数料項目a-2:週次チェック

媒体ごとやキャンペーン毎の成果を見直して、単純に「予算配分を変える」の時間です。

私の場合は、土曜日に過去週間ごとの累積CPAを見直して、予算調整を行うケースが多いので、「週次チェック」として項目を作りました。

単純にメニュー毎のCPAを比較したり、Googleアナリティクでコンバージョンのアトリビューションを変えてチェックしたりと、まぁ1回30分は時間をかけているので、

・週30分×4週=「2時間」

としました。

この2時間も、実工数に近い数字かなと思います。



リスティング広告運用の手数料:見積項目b「パフォーマンス管理」


リスティング広告の成果を上げるために行う業務に関する項目です。

後述しますが、この項目は『そもそも工数(時間)で算出すべきことなのか?』と悩みました。

ただ、ひとまずは「工数(時間)」で見積を作ってみました。

リスティング広告運用の手数料項目b-1:入札管理

入札調整にかける時間です。

自動入札が上手く安定して動いてくれれば、そこまで設定を変えることもないですし、2020年のコロナショックのときのように、今までのユーザー行動と傾向が急激に変わってしまったときは、手動入札で調整が必要となりますし、なかなか工数の想定が難しい項目でした。

とは言え、自動入札でも手動入札で運用するとしても、「毎日“入札単価だけ”を調整すればいい」ってものではないので、

・週1時間×4週=「4時間」

としました。

個人的にこの4時間は、実工数に近い数字かなと思います。

運用者によっては、もっと管理画面と睨めっこしている時間が長い人もいるとは思いますが。

リスティング広告運用の手数料項目b-2:ターゲット調整

検索連動型広告なら「登録キーワードの変更」や「除外キーワードの設定」、ディスプレイ広告なら「ターゲティングの調整」や「配信先の制御」がこの項目に含まれます。

※「広告クリエイティブ案の作成」については、今回は別の項目「c-2:考察&改善提案」に含めました。

工数は

・週1時間×4週=「4時間」

と想定しました。

リスティング広告運用の手数料項目b-3:広告入稿作業

テキスト広告やバナー広告の内容がFIXしている前提で、それを入稿する作業時間の項目です。

私自身は「月に2時間もかかるかな?」という気もしましたが、「お客様から無茶な件数の入稿依頼が来た」も想定して「2時間」としました。

入稿担当者の作業スピードや、入稿後のダブルチェックにかける時間、そもそもの入稿素材の数によって、この時間はバラバラだと思います。

リスティング広告運用の手数料項目b-4:アカウント構成変更

「b-2:ターゲット調整」に絡む項目ですが、検索連動型広告なら

『指名キーワードのキャンペーンを、別の既存キャンペーンの中に「指名グループ」として入れてみようか』

といった、アカウント構成自体を作り直す作業の項目です。

毎月、必ず発生する作業ではないですが、平均して「2時間」と想定しました。

これも運用者によって頻度は変わるかと思います。

リスティング広告運用の手数料項目b-5:アクセス解析

Googleアナリティクスでサイト全体の成果をチェックする項目です。

そもそもGoogleアナリティクを見ていない代理店は0時間になるかな、と。

私の場合は、月~木のどこかで1回30分は眺めて、土曜日に行う1週間の振り返りでも30分は眺めるので、

・週1時間×4週=「4時間」

と想定しました。



リスティング広告運用の手数料:見積項目c「ミーティング」

見積:ミーティング

定例ミーティングや月次報告にかかる工数をまとめました。

リスティング広告運用の手数料項目c-1:レポート作成(項目別)

リスティング広告の各数値をまとめる「作業時間」です。

レポート作成ツールを使っていれば、基本的な項目の運用レポートは15分程度で作成できるかと思います。

私の場合は日別レポートやクエリーレポート以外にも、「+α」で考察用のデータもまとめるので、バッファ工数で2時間としました。

リスティング広告運用の手数料項目c-2:考察&改善提案

成果が良かった(または悪かった)要因を調べ、それに対する施策案を考える工数です。

この部分が最も

『これは工数(時間)で請求するものなのか?』

と悩みました。

また、レポート作成するときだけ考察している訳ではない(普段の運用の中でも考えている)ので、工数(時間)自体の算出が難しかったです。

ひとまず「4時間」で工数を見積ました。

リスティング広告運用の手数料項目c-3:月次ミーティング実施

お客様のところへ訪問して成果を報告する工数(時間)です。

最近はWebミーティングが主流になり、移動時間もなくなり0分、ミーティング自体も20分程度で済むことも多くなりましたが、「対面でのミーティング」+「移動時間」も想定して「2時間」と見積ました。

リスティング広告運用の手数料:見積項目d「保守・サポート」

見積:保守サポート

「保守・サポート」という項目名が適しているかは微妙ですが、お客様や媒体とのコミュニケーションに発生する時間や、トラブルが発生したときの対応工数をここに入れています。

リスティング広告運用の手数料項目d-1:電話、チャットでの連絡

お客様に週次の進捗をチャットで報告したり、お客様からのご要望に対応する工数です。

私のお客様の場合は、無茶な要求をさせることはないので、実際は「1時間/月」程度の工数ですが、御見積書でこの項目を「1時間」にしてしまうと、

『それだけしか対応してくれないの?』

と思われてしまうので、この項目はバッファ工数を多めにとって「4時間」としました。

広告代理店によっては、お客様からの無茶な要望(「明日の10時までに〇〇の速報レポートを出して」や「〇〇を実施した場合のシミュレーション値を出して」など)が多く、4時間では足りないという人もいるかと思われます。

リスティング広告運用の手数料項目d-2:媒体問合せ

「広告が急に表示されなくなった」といったトラブル発生時や、新しいメニューがリリースされたときの仕様確認など、広告媒体のサポート担当とやりとりを行う工数です。

また、媒体のサポート担当と電話で30分ほどのミーティングを実施することもあります。

バッファ工数で「2時間」としました。

リスティング広告運用の手数料項目d-3:Googleタグマネージャー

「b-2:ターゲット調整」や「b-5:アクセス解析」にも関わる項目で、Googleタグマネージャーのタグ設定を見直す工数です。

また、お問い合わせフォームの改修(EFO)を行った際の、テストコンバージョンの実施(タグが発火するかの確認)もここに含まれます。

そこまで頻度は多くないので「月1時間」と算出しました。



リスティング広告運用の手数料:見積項目e「特別お値引き」

この「工数見積」だと、どうしてもアミジャットの最低手数料「10万円」に合わせることができなくなるため、「特別お値引き」の項目を作って、手数料を調整できるようにしました。

現実的には「Google広告のみの運用」や「事例紹介に社名を掲載させていただく」などの条件を提示して、その代わりに手数料を下げる想定です。

リスティング広告の運用代行手数料を「工数見積」を作成してみた感想

リスティング広告の運用代行手数料を、「工数見積」で作ってみて感じたことは

①リスティング広告運用は時間をかければいいってもんじゃない

②そもそもリスティング広告運用の手数料は何に対して支払われるもの?工数?ノウハウ?成果?

です。

①リスティング広告運用は時間をかければいいってもんじゃない

広告管理画面の操作になれている人ほど、作業時間は短くなりますし、管理画面の前にずっと座って考えていても、それが必ず成果に繋がる訳でもないですし。

工数(時間)で見積を作ると、「早く的確に解決できる“職人”」ほど、貰える報酬は減ってしまいます。

先日、私がGoogleタグマネージャーの設定で沼にハマってしまい、

『これ、半日かけても解決できないかも…』

と焦っていました。

これはもう詳しい人に相談するしかないと思い、私よりもGoogleタグマネージャーに詳しい、リスグラムの西川さんに相談したら、なんと20分で解決してくれました。

もしこの20分に対する報酬を、時間単価で考えるのなら、

・4,000円÷3(20分)=1,333円

になります。

私が半日かけても解決できなかったことへの報酬が、「1,333円」の評価になるのはやっぱりおかしいです。

ちなみに、西川さんは

『すぐに解決したのでタダで良いですよ』

と言ってくれましたが、ちゃんと「タグコンサル費」として請求書を発行していただき、「10,000円」をお支払いいたしました。

※『引っ越し費用として使います』とのことでした。

②そもそもリスティング広告運用の手数料は何に対して支払われるもの?工数?ノウハウ?成果?

①の話に通じる部分ですが、そもそも手数料って何に対して払われるものなのかな、と考えてしまいました。

「運用工数」じゃなくて「ノウハウ」に対して払われるのなら、成果に紐づけたアフィリエイト制の手数料がいいのではないかとも考えてしまったり。

例えば、月100万円の予算で、コンバージョン100件(CPA@1万円)が目標なら、

・90万円で100件のコンバージョン獲得⇒残額10万円を手数料としていただく
・40万円で100件のコンバージョン獲得⇒残額60万円を手数料としていただく。

とか。

でも、実際にアミジャットにこの条件の相談が来たら、受けるかどうかで考えると「絶対に受けない」になるよな、とか。



新規のお客様にリスティング広告の運用代行手数料を「工数見積」で提出してみた

今までリスティング広告運用の「御見積書」は、ご相談いただいたお客様から案件内容の詳細を聞いて

『まぁ、これぐらいの手間がかかるかな』

と概算して、手数料金額を提示していました。

今回、「工数見積」を作成してみた後、新規の客様からリスティング広告運用のお問い合わせをいただいたので、この「工数見積」をベースにした運用代行手数料の「御見積書」をご提示させていただきました。

お客様に提出した「御見積書」では、項目によって時間単価を変更し、また「c-2:考察&改善提案」のような工数(時間)提供では算出が難しい項目は、「時給×時間」ではなく「ノウハウ提供費×件数」に変更しました。

今までの「御見積書」よりも、作成に時間がかかった

今までの「御見積書」なら、だいたい20分ほどで完成していました。

料金テーブルをベースにして、なんとなく簡単そうな案件なら手数料を下げて、逆に手間がかかりそうなら手数料を上げる、みたいな概算なので。

今回の工数ベースの「御見積書」は、お客様が他の代理店にもお問い合わせしていることを想定して、

お客様⇒『「アミジャット」ってところはこんな見積書を出してきた』

と、他の代理店に展開されても問題のない見積書を作成しました。

代理店⇒『この項目にこんな時間はかけないですよ』

とか上げ足は取られたくなかったので、

私⇒『この商材で、この予算感で、このターゲットなら、実施するメニューはあれとあれで、アカウント構成はこんな感じになって…』

と考えながら作っていったので、「御見積書」の作成に2時間ほどかかりました。

そりゃ「リスティング広告 手数料 見積書」で検索しても、工数の内訳まで記載した見積書なんか出てこない訳ですよ。

「運用代行手数料:広告費の〇%」って1行で作った方がはるかに楽ですもん。

初期費用も手数料として提示するべき。「アミジャット」はしない(できない)けど

リスティング広告の運用代行手数料を「工数見積」で作るのなら、広告配信までにかかる工数も洗い出し、初期費用も御見積書として提示するのが正しいと思いました。

リスティング広告の運用で最も時間と頭を使うのが、初期プランニングです。

商材やサービスの特徴を調べて、ターゲットユーザーを想定して、競合の広告をチェックして、アカウント構成を考えて、広告案を考えて入稿作業して、Googleアナリティクと連携して、Googleタグマネージャーでタグがちゃんと発火しているか確認して…。

初期費用として「5日×5時間×4,000円=10万円」は、御見積書をちゃんと作って提示するのが健全だなと思いました。

ただ「アミジャット」の場合、もし私がお客様の立場なら

『実際に成果を出せるかどうか分からないフリーランスに、イニシャルコストで「10万円」を払うのはリスキーだな…』

と考えてしまうので、今のまま「初期費用0円」でいいかなと思っています。

まぁ

『初期費用も払いますよ!』

と言ってくださるお客様がいれば、断る理由は無いですけどね。

項目が細かすぎて逆に分かりにくいかなと思ったけど、意外と好反応だった

時間をかけて作った「御見積書」ですが、逆に内容が細かすぎて

『お客様に「御見積書」を提出しても、分かりにくいんじゃないかな?』

と心配になってしまいました。

ただ、実際に工数ベースでの「御見積書」を提出してみたところ、お客様から具体的な質問をいただけて、要件定義がしやすくなった印象です。

また、失礼な書き方になってしまいますが、御見積書への反応から「お客様のレベルを測る」こともできるなと感じました。



まとめ:自分が提供するサービスの価格(手数料)の正当性について、自分の言葉でお客様に説明できるか?

以前に株式会社JADEの小西さん(@isseik)も、ブログで「リスティング広告の運用代行手数料の適性費用」について、考えを書かれていました。

私も今回「工数見積」を作ってみて、改めてリスティング広告の手数料の適性金額の決め方に、難しさを感じました。

私がフリーランスになって1年半ほど経ったときの話ですが、別の業種のフリーランスの人たちと食事会をしました。

プログラマー、デザイナー、Web制作などのお仕事にしているフリーランスの人たちです。

その食事会の中で

『見積書を作るのって大変ですよね?』

という話題になりました。

皆が”見積あるある”で盛り上がる中、私にも話が降られ、私は

『リスティング広告の場合、「出稿金額の20%」って相場があるので、見積ってそんなに難しくないんですよね…』

と答えたときの劣等感を今でも覚えています。

(工数見積すら作っていないのに、”フリーランスとして独立した”とか言ってる自分って、なんか情けないよな…)

と。

フリーランスは自分のスキルやノウハウをお客様に提供し、その対価として報酬をいただいています。

正直、今回作成した「工数見積」によって、リスティング広告の手数料の適性金額が算出できているのかどうかは分かりません。

価格は市場が決めるので、お客様が「これは高い」と思えば契約は終了しますし、「お得な金額」と思っていただければ、契約は続くのかなと。

ただ、自分がフリーランスとして活動する以上、提示するリスティング広告の運用代行手数料について

『リスティング広告業界の手数料の相場が〇〇%だから』

ではなく、

『これだけの価値を提供するので、その対価としてこの金額の手数料をいただきます』

と、胸を張って説明できるサービスをこれからも提供し続けていきます。

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