一次情報

先日、「一次情報収集の大切さについて」というブログが書かれていました。

内容は「ヴィーガン関連商材の一次情報収集のために、実際に自分でヴィーガン生活を試してみた」というもので、私の妻が昔はヴィーガン(今は「ゆるベジ」)だったので、

『そうそう。ヴィーガンの大変さって、実際に経験しないと分からないことなんだよね』

と思いながら読んでいました。

また、つい最近も「Google、サードパーティー製CookieのChromeでのサポートを2年以内に終了へ」というニュースが話題になりました。

実は私自身にも、今年の頭に「Cookieだけじゃなく”プラットフォーマーが持つユーザー情報”は、どこまで利用してもいいのか?」と考えさせられる出来事がありました。

(Netflixで「スノーデン」を観ただけですが)

広告管理画面やGoogleアナリティクスの数値から考えることも大切だけど、実際に体験して得る情報も大事だよなと思う今日この頃。

「実際に商品やサービスなどを体験して情報を得ること」について、徒然なるままに、心に移りゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば。



購買行動は管理画面で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ!

私は20代のころ、「テレアポ」や「飛び込み」といった泥臭い営業職をしていました。

3C分析のフレームワークは教わりませんでしたが、「商材理解」「競合調査」「お客様のリサーチ」は必然的に実施していて、『自分がユーザーになって自社商品を使う』は当たり前の感覚でした。

これをやらねければ商品は売れませんし、売れなければクビになりますので。(実際にクビにもなりましたし)

インターネット関係の仕事(アクセス解析とかリスティング広告運用)に携わったのは30歳になってからですが、営業時代に『自分がユーザーになって自社商品を使う』を経験していたことは、フリーランスになった今でも大きなアドバンテージだなと感じています。

「自分がユーザーとなって体験すること」で得られること

ぢょんさんもブログで説明していますが、1つは「広告管理画面やGoogleアナリティクスの数値だけでは見えにくい”リアルな情報”に気づく」です。

リアルな体験からの気づきを、リスティング広告運用なら「広告文のクリエイティブ」だったり、ホームページの改善なら「コンテンツ案」などに活かすことができます。

この他に私が得られると感じていることは、「お客様と話したときの熱量が変わる」です。

精神論のようですが、仕事の本質は”人対人”なので、実体験が伴うことでお客様への提案の熱量も変わります。

私はフリーランスになってから、『高級外車のディーラー案件』を2020年1月現在も運用しています。

新車種が発表されたら試乗会に行って実際に座席に座ってみたり、「来場者プレゼント」を実施しているときはディーラーに行って”ぬいぐるみ”を貰ってきたりしています。

先日の打合せでは、映画「フォードVSフェラーリ」の話もしました。

そんな私ですが、実は自動車免許を持っていません。

自動車免許を持ってなくても、「キャンペーン実施時の実際の店舗の雰囲気」は知ってるので、お客様とも自信を持って会話しています。

担当の方がこのブログを読んだらビックリするかと。

余談:事業主側で働いてみて気づいたこと。事業主は代理店に本音を言いづらい…

リスティング広告代理店で勤めた後、法律事務所のマーケティング担当に転職しました。

法律に関する知識は0の状態で転職しましたので、「刑事事件」「借金」「労働問題」「離婚」「相続」などの法律について勉強しました。

各分野の大まかの概要を理解するまでに約半年かかり、ターゲティングやペルソナ設計にも苦労しました。

当時、リスティング広告やSNS広告の運用は私がインハウスで実施していたのですが、新聞やラジオの広告出稿は広告代理店と、またサイト制作は制作会社といった、外部パートナー様と一緒に動いていました。

打ち合わせのときに、事前にこちらで作成したペルソナ設計を共有するのですが、外部パートナー様も独自にペルソナやカスタマージャーニーを作成してくれて、企画を提案していただきました。

そのときに気づいたことが、「提案いただいた案が的外れでも、正直に指摘できない」でした。

私を含めて、マーケティング部のメンバー全員が広告代理店からの転職者だったこともあり

『こちらが半年かけて理解した法律の内容を、外部パートナーにすぐ理解してと期待するのは無茶よね』

と、逆に気を使っていました。

とは言え、的外れな案で進めることもできないので、結局こちら側でクリエイティブ案を作成したり、と。

そんな中、ある代理店の担当者の方が

『先日、別の法律事務所へ「労働問題」の相談に行ってきました』

と言ってくれて、その時の内容を話してくれました。

ここでやっと、

『実は御社が作ってくれた案なのですが、法律上は〇〇〇が×××なので、このターゲットに向けたメッセージは…』

と本音を話すことができました。

フリーランスになった今は、

『商材のことをちゃんと把握しないと、お客様は本音を言ってくれないな(黙ったまま契約を切られるな)』

と感じながらお客様と向き合っています。



海外留学案件で実際に留学してみた話

海外留学案件のリスティング広告運用をすることになり、実際に自腹でお客様の海外留学サービスに申し込みました。

海外留学先としては「アメリカ」や「イギリス」などが一般的ですが、近年では留学費用を抑えられる「フィリピン」「マレーシア」「フィジー」などへの留学も人気です。

私は「フィジー」へ、約10日間の短期留学を申し込みました。

海外留学した理由は

・実際にどんな人が留学しているのか、現地のリアルな情報を知ってみたい(建前)

・今まで1度しか海外に行ったことがなかったので、「南の島」に行ってみたかった(本音)

です。

海外留学を体験してみて気づいたこと

今までの「フィリピン留学」や「フィジー留学」の訴求ポイントは「とにく安い!」でした。

そして、実際にフィジー留学を体験して分かったこと。

※私のケース

・アメリカ留学に比べれば安いけど、費用そのものは「高い」。
⇒授業料や飛行機代を含めて約20万円ほどかかる。

・家族からの反対が強く、その説得が大変だった。
⇒妻『何で途上国に行くの?治安とか大丈夫なの?英会話教室でいいじゃん!』

・ホームページに書かれていない、ネガティブな情報を集めるようになる。
⇒「デング熱」とか「ベッドバグ」とか。

・授業での先生の「英語の訛り」は無かった。
⇒訛りよりも「声の大きさ(特に語尾)」が大事。

・「Wi-Fi」がないと生活できない体になっていた。
⇒何も準備していなかったので、現地で「ポケットWi-Fi」を購入。

・メーター付きのタクシーに乗った方がボッタくりに合わない」は違う。
⇒メーターの設定をいじって、高く請求してくる運転手もいる。メーター無しのタクシーで、運転手と事前に運賃交渉した方が安全で安い。

・女性の留学者が約8割。
⇒留学生への『どうして留学先に「フィジー」を選んだの?』のヒアリングが捗る。

でした。

↓フィジーの学校の様子。



実際に留学体験が何に活かせた?

①Web上での施策

②サービス内容ついての議論

この2つにフィードバックしました。

①Web上での施策

リスティング広告の運用では、元々数パターンの広告文やターゲットを試していたので、正直そこまで劇的な施策案は無かったです。

しいて言えば、色々とヒアリングした際に

『アメリカ留学は検討していなかった』

『セブ島とフィジーのどっちにするか悩んだ』

を聞いたので、『この国の留学を考えている人は、あの国の留学にアップセルできるかも』と、広告カスタマイザーを使って広告の出し分けを試したぐらいです。

それよりも「メインサイト」のコンテンツの改善提案に力を入れました。

広告用LPからお問い合わせした後も、色々と調べたいことが出てきます。

メインサイトでは、格安留学の良いところだけアピールして、ネガティブな情報は載せていなかったので、「隠す」のではなく「対策を伝える」コンテンツを作ることを提案しました。

ちょうどフィジー留学していた時期が、小川卓さんの「提案型ウェブアナリスト育成講座」を受けていた時期だったので、この発表課題も「フィジー留学サイトの改善施策」にしました。(もちろん、お客様にも発表内容を共有しました。)

サービス内容ついての議論

「格安留学」は、授業料が安い分、留学期間を伸ばさないと売上は増えません。

実際に私が感じたことと、留学生から聞いた話を元に

『10日間の留学は短すぎて留学者も損をしている。留学プランを提案するときは「3週間」を軸にした方が良い』

『2ヵ月以上の留学は○○○の層なら狙えます。×××の層は格安留学よりも別のプランを提案した方が良い』

のような、アップセルの施策を考えました。

どんなに綺麗なホームページを作ってお問い合わせを獲得しても、サービス内容が悪かったりミスマッチが発生していると、売上は伸びないです。

お客様の事業内容に口出しするのなら、実際に「体験した」という熱量がなければ伝わらないかな、と。



まとめ

個人情報保護が進み、今まで以上にデータだけでユーザー像を把握することは難しくなると思います。

改めて「実際に体験して得る情報」の大切さを考えていきたいですね。

↓皆さんお待ちかねの「フィジーの牛」の写真です。

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