最初から自動入札

リスティング広告の“自動入札”の話になると

『自動入札はコンバージョンデータ少ないと上手く機能しない』

『新規キャンペーンを最初から自動入札で運用してはいけない』

という声を聞くことが多いです。

そこで、Google広告の新規キャンペーンに広告文11本を設定し、その際の入札設定を最初から「自動入札:コンバージョン数の最大化」で実施しました。

今回は、新規キャンペーンを最初から「自動入札:コンバージョン数の最大化」で運用すると、どんな動きをしたか配信結果をまとめます。



今回配信した「Google広告(検索連動型広告)」の設定内容

広告配信設定は以下の内容です。

商材:
薬剤師転職のアフィリエイトサイト

出稿媒体:
Google広告(検索連動型広告)

配信地域:
千葉県船橋市(ターゲット地域の設定は「ユーザーの所在地」)

配信スケジュール:
終日配信

広告配信期間:
1月25日(金)0:00~2月3日(日)24:00まで

1日のキャンペーン予算:
3,000円⇒「2月1日」から5,000円に引き上げ

登録キーワード:
「薬剤師の転職(部分一致)」「薬剤師の求人(部分一致)」の2キーワードのみ

除外キーワード:
アフィリエイト先の指名キーワード全て(「マイナビ薬剤師」など)
※指名キーワード以外の除外キーワードは設定しません。

コンバージョン計測ポイント:
外部リンク(アフィリエイトサイト)への誘導
※Googleタグマネージャーで計測

コンバージョンの計測:
初回のみ(ユニークコンバージョン)

コンバージョンのアトリビューションモデル:
接点ベース

運用方法:
配信開始直後から「コンバージョン数の最大化」を設定して配信

Google広告の自動入札「コンバージョン数の最大化」について

「コンバージョン数の最大化」による入札について

この設定では、指定の予算を消化しつつ最大限のコンバージョン数が得られるよう、入札単価を自動設定します。高度な機械学習とオークションごとの自動入札機能により、オークションのたびに入札単価が自動的に最適化されます。

引用;Google広告ヘルプ:「コンバージョン数の最大化」による入札について

ザックリ説明すると、”キャンペーンに設定した"1日の予算額"を使って、コンバージョン数が良い感じに増えるように、入札も良い感じに調整してくれる自動入札”です。



Google広告で「コンバージョン数の最大化」にて配信した結果

10日間配信した結果はこちらです。

自動入札(コンバージョン数の最大化)にお任せしたままで、何も調整していません。

10日間の配信結果
・費用:24,842円
・表示回数:2,439
・クリック数:28
・CTR:1.15%
・平均CPC:887円
・コンバージョン数:2件
・平均CPA:12,424円
・CVR:7.14%

10日間のグラフ(表示回数とクリック数)
自動入札の推移グラフ

10日間の日別分割
分割した数値

広告文ごとの数値や、検索語句(クエリー)の結果については、「【Google広告】運用者が良いと思う広告文と、ユーザーがクリックする広告文は違う?」をご覧ください。

今回の傾向その1:掲載開始直後はIMPが出ない

1日目は表示回数2回、2日目は表示回数20回と、このままクリック0件のまま終了するのかとヒヤヒヤしました。

ただ、3日目は表示回数70回(クリック数3件)と、徐々に表示回数は増えていきました。

今回の傾向その2:掲載開始5日目に強気の入札に変わる

表示回数が増えてクリックも発生しだすと、5日目(1月29日)の動きが”ズキュウウウン”と動きだしました。

平均クリック単価が1,870円にまで上がり、平均掲載順位も1.3位に上がりだしました。

推測ですが、クリックデータが溜まったところで、AIがコンバージョンを取りに行こうと、強気の入札で勝負を仕掛けかたのかなと思われます。

今回の傾向その3:掲載開始7日目から掲載順位が落ち着きだす

コンバージョンが発生した7日目(1月31日)から、平均クリック単価が886円にまで下がり、平均掲載順位も2.0位にまで下がりました。

これも推測ですが、AIが「1日の予算3,000円しかないのに、1クリックに1,870円も使っちゃってごめんね。テヘヘ」と、反省したのかなと思われます。

今回の傾向その4:「コンバージョン数の最大化」でも“予算損失率”はあまり発生せず

「検索広告のインプレッションシェア」「検索広告のインプレッションシェア損失率(ランク)」「検索広告のインプレッションシェア損失率(ランク)」の日別数値です。
インプレッションシェアの図

「自動入札:コンバージョン数の最大化」は、キャンペーンに設定した日予算を使いながら入札を調整する仕組みです。

「薬剤師転職」のクリック単価は高いので、1日3,000~5,000円の予算設定では、「検索広告のインプレッションシェア損失率(ランク)」が多く発生すると予想していました。

しかし、「検索広告のインプレッションシェア損失率(ランク)」が発生したのは1月30日の「60.76%」のみで、10日全体では「8.62%」でした。

個人的には、これだけクリック単価が高いのにの「検索広告のインプレッションシェア損失率(ランク)」が抑えられているのは驚きでした。



Googleサポートからは「クリック数の最大化⇒コンバージョン数の最大化」をオススメするケース多いよね

ここ最近のGoogleは、なんでもかんでも”自動入札”を推奨してくる印象が強く、よく聞くのは

『最初は「クリック数の最大化」でクリックとコンバージョンを集めて、コンバージョンデータが溜まったら「コンバージョン数の最大化」に切り替えましょう』

ですね。

私は「手動入札(拡張CPC)」⇒「自動入札」(「コンバージョン数の最大化」または「目標コンバージョン単価」)の進め方が好き

私の場合ですが、新規キャンペーンは手動入札(拡張CPC)」で探りながら、コンバージョンに繋がる検索語句(クエリー)や広告文を調整しながら、”なんとなくここら辺かな”が見えてきたら「自動入札」に切り替えることが多いです。

自動入札は「コンバージョン数の最大化」と「目標コンバージョン単価」のどちらかしか使っていないのですが、どちらを試すかは”その時の気分”です。

実際は、アカウントの動きを見て判断しますが、説明が長くなるので”気分しだい”とします。

ただ少なくとも「コンバージョン数の最大化」と「目標コンバージョン単価」の両方を試します。



まとめ

自動入札に限らず、Google広告やFacebook広告の(Yahoo!も)アドテクは日々進化しているので、数か月前までは「〇〇〇はやっても成果が出ない」と言われていたものでも、今(または数か月後に)試してみたら、実は成果が出ることもあります。

ダメな運用例として

『キャンペーンの過去30日のCVが30件未満なのに、入札戦略「目標コンバージョン単価」を使っている』

『キャンペーンの過去30日のCVが20件未満なのに、入札戦略「コンバージョン数の最大化」を使っている』

などを上がられることもありますが、実際は試してみないと分かりません。

また、今回の配信設定は

「部分一致キーワードのみ」×「自動入札:コンバージョン数の最大化」

でしたので、『検索語句(クエリー)やクリック単価が暴発する』と予想していたのですが、実際は手抜きの広告代理店よりもまともな数値になったんじゃないかな、という印象です。

自動入札を含めて、新しくリリースされた機能は”試してみないと分からない”ことが多いです。

お客様の予算を預かって運用するので、好き勝手に”実験”はできませんので、お客様と上手くコミュニケーションを取りながら、”未知なる機能”を恐れずに試して欲しいです。

広告運用に好奇心を持って、『Just Do it!』(とにかくやれ!)

以上、令和最初のブログでした。

関連ブログ
Google広告の自動入札戦略の特徴や使い分けについて詳しく知りたい方は、別ブログ『【Google広告】自動入札戦略の選び方とは?リスティング広告の自動入札の特徴と使い分けを解説』をご覧ください。

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