GDNのアフィニティとインテント

GDNには特定の興味や関心を持ったユーザーに対して広告を配信できるターゲティング方法として、「アフィニティ」と「インテント」があります。

また、この2つのターゲティングには、対象の商材やサービスに合わせて自由にカスタマイズできる、「カスタムアフィニティ」と「カスタムインテント」という設定も行えます。

この「カスタムアフィニティ」と「カスタムインテント」は、案件によってはとても効果的なターゲティング手法です。

しかし、

  • 「カスタムアフィニティ」と「カスタムインテント」を上手く設定するコツは?
  • 通常の「アフィニティ」や「インテント」と何が違う?

など、色々と気になる方も多いと思います。

今回は各ターゲティング手法を同時配信した案件の実数値を紹介します。



GDNのターゲティング「アフィニティ」と「インテント」とは

Google広告(GDN)には、ユーザーの興味や関心に合わせたターゲティングとして、「アフィニティ」と「インテント」の2種類があります。

YDNでは「インタレストカテゴリ」に該当するターゲィングです。

YDNインタレストカテゴリーターゲティング

インタレストカテゴリーターゲティングでは、特定の興味・関心を持ったインターネットユーザーに対して広告を配信することができます。

【参考】Yahoo!マーケティングソリューション

GDNの「アフィニティ」と「インテント」は、ともにインターネットユーザーの行動履歴(主にサイトの閲覧履歴)に基づいて、どんなサービスや商品に興味があるかを分類するターゲティングです。

この「アフィニティ」と「インテント」は同じ”興味・関心”に基づくターゲティングですが、セグメントの概念に違いがあります。

オーディエンス ターゲティングの仕組み

キャンペーンや広告グループにオーディエンスを追加することで、ユーザーが Google ディスプレイ ネットワークや YouTube でWebサイト、アプリ、チャンネル、動画、その他のコンテンツを閲覧しているときに、そのユーザーの関心内容に応じた広告を表示できます。

豊富なカテゴリから関心傾向(スポーツファン、旅行好きなど)やその他の条件(車の購入を考えているユーザー、広告主様のサイトを訪問したことがあるユーザーなど)を選択できます。

【参考】Google広告:オーディエンスターゲティングについて

「アフィニティ」は長期的な興味関心へのターゲティング

「アフィニティ」とは日本語で”親和性”や”親近感”といった意味を持ちます。

Google広告の「アフィニティ」とは、インターネットユーザーの行動履歴(どんなサイトを見ていたか、など)に合わせて、『どんなことに興味があるか』をカテゴライズしたターゲティングです。

例えば「スポーツニュースをよく見ている人」は『スポーツファン』というカテゴリに属します。

Google広告のアフィニティカテゴリ画面

特定の分野に対して興味関心があるユーザーに、幅広くアプローチできるターゲティングが「アフィニティ」です。

「インテント」は商品購入の意欲が高いユーザーへのターゲティング

「インテント」とは日本語で”意図”や””没頭している”といった意味を持ちます。

Google広告の「インテント」とは、特定のカテゴリに興味を持ちつつ、さらに購買につながる行動をしているユーザーにアプローチできるターゲティングです。

広告主様が提供する商品やサービスに似たものを調べているユーザーや、購入を前向きに検討しているユーザーに広告を表示したい場合は、このカテゴリが役立ちます。

「購買意向の強いユーザー層」は、購入に至る可能性が高いユーザーをコンバージョンに導くことを想定した機能で、リマーケティングの成果を高めたり、購入段階に極めて近いユーザーに広告を表示したりする際に効果的です。

例えば、スポーツウェアの口コミサイトをよく見ていたり、ECサイトでスポーツウェアをカートに入れたなど、スポーツウェアの購入に繋がる行動をしているユーザーは、インテント(購買意欲の強いオーディエンス)の『スポーツウェア』にカテゴライズされる可能性が高いです。

Google広告のインテント画面

Googleのユーザー分析の技術ってスゴイですね。

ちなみに、Googleのシステムが自分のことを『何に興味がある』と判断しているかは、Googleアカウントにログインして【広告のカスタマイズ】にアクセスすると確認することができます。

Googleは、私の興味関心をこんな感じに判定しています。

Google広告のカスタマイズ画面

先日『クリケットって何が面白いんだ?』と急に気になり、Youtubeでずっとクリケットの試合を見ていたら、見事に「クリケット好き」と判定されたようです。



自由に作成できる「カスタムアフィニティ」と「カスタムインテント」は便利!

Google広告(GDN)の「アフィニティ」と「インテント」は、特定のカテゴリがデフォルトで用意されています。

例えば『ベンツの新車発表プロモーション』といった案件であれば、「アフィニティ:自動車ファン」や「インテント:自動車」を選択するターゲティングが考えられます。

しかしこの場合、「アフィニティ:自動車ファン」や「インテント:自動車」には、トヨタや日産などの国産車に興味を持っているユーザーも含まれますので、必ずしも『ベンツに興味があるユーザー』だけとは限りません。

また、デフォルトで用意されているカテゴリにも限りがあるため、商材によっては『該当するカテゴリがない』といったケースも発生します。

そこで便利なターゲティング機能が「カスタムアフィニティ」と「カスタムインテント」です。

「カスタムアフィニティ」と「カスタムインテント」を活用することで、その商品に合わせた「アフィニテカテゴリ」と「インテントカテゴリ」を作成することが可能です。

「カスタムアフィニティ」と「カスタムインテント」の作り方

「アフィニティ」と「インテント」の作り方に若干の違いはありますが、

  • 対象の商品やサービスに関連するキーワード
  • 商品サイトのURL

を組み合わせることで、独自の「アフィニティ」と「インテント」のカテゴリを作成できます。

例えば『ディズニーランドに興味があるユーザー』のカテゴリを作る方法はこんな感じです。

ディズニーランドのカスタムアフィニティ

キーワードとして「ディズニーランド」や「ミッキーマウス」を登録し、URLに「ディズニーランドのページ」や、「ディズニーランドのファンページ」を登録してみました。

『上位のWebサイトのトピック』を見ると、「1.テーマパーク」「2.千葉」と表示されていて、それなりに『ディズニーランドが好きそうなユーザー』のカテゴリが完成しました。

「カスタムアフィニティ」と「カスタムインテント」を作成するときのコツ

「カスタムアフィニティ」や「カスタムインテント」を作成するときは、登録するキーワードやURLを色々と変えて、さらに実際に配信しながら最適な組み合わせを見つけることが大切です。

今まで試してきた中で、効果が出やすいカテゴリの作成方法は、

  • 関連するキーワードを5個以上設定する
  • 検索連動型広告でコンバージョンが発生しているキーワードを使う
  • URLはTOPページだけなく商品ページやお問い合わせフォームの登録してみる
  • その商品の口コミサイトや、競合サイトのURLも登録してみる

がコツとして上げられます。(あくまでも個人の感想ですが…)

また、作成時に「推定表示回数」が表示されますので、この表示回数を見て『ターゲットが広すぎないか、または狭すぎないか』を判断しながら組み合わせていきます。

ただこれも案件によって変わりますので、まずは色々と組み合わせを試してみてください。

※信頼できる情報は、自分で手を動かして得た情報だけ!



4パターンのカテゴリで成果の違いを比較

デフォルトで用意されている「①アフィニティ」と、オリジナルで作成した「②カスタムアフィニティ」、そしてデフォルトの「インテント」と、オリジナルで作成した「④カスタムインテント」の4パターンについて、成果の違いを比較してみました。

◆案件の内容:
新しくオープンした「レンタルオフィス」のお問い合わせ獲得(16日間のスポットキャンペーン)

◆カテゴリの設定内容:
①アフィニティ⇒「ビジネスのプロフェッショナル」を選択

②カスタムアフィニティ⇒指名キーワードと、レンタルオフィスに関連するキーワード、自社サイトと競合サイトのURLを設定。

③インテント⇒「商業用不動産」を選択

④カスタムインテント⇒指名キーワードと、レンタルオフィスに関連するキーワード、自社サイトと競合サイトのURLを設定。

◆運用方法:
広告グループに対して手動入札(拡張CPC)を設定。(①~④のターゲット毎に対する調整は行わず、同じ条件で配信)

※「ターゲティングの自動化」は、”ターゲティングを自動化しない”を選択
※アプリへの配信を除外設定

◆配信結果:

アフィニティとインテントの比較画面

この案件のケースでは「④カスタムインテント」が一番成果が良かった結果となりました。

また、ターゲティングのロジックから考えると、興味関心の幅が広い「アフィニティ」の表示回数が多くなると思うのですが、実際には「インテント(購買意欲の強いオーディエンス)」の表示回数が最も多い結果となりました。

ほんと、実際に試してみないと分からないことだらけです。

GDNで成果を上げるコツは「人」×「面」の掛け合わせ

今回は各ターゲティングの成果を比較したかったため、あえて設定していませんでしたが、GDNで成果を上げるコツは「どんなユーザーに広告を表示するか(人)」だけではなく、「どんなサイトの広告を表示するか(面)」も考えることです。(あと「どんなクリエイティブの広告を表示するか」も大切)

GDNは膨大な配信先(アドネットワーク)を束ねていますので、「人」に対するターゲティングだけでは”無駄な広告表示”が発生しやすいです。

配信先(面)をコントロールできるターゲティング手法

  • コンテンツターゲティング
  • トピックターゲティング
  • プレースメントターゲティング
  • コンテンツの除外

を上手く活用することで、より成果が出やすくなります。



まとめ

今回は「アフィニティ」と「インテント」に特化した比較ですが、GDNの「人」に対するターゲティング手法は他にも「類似ユーザー」や「オーディエンス ターゲティング」などがあります。

さらには『ターゲティングの自動化』という、設定したターゲティングを拡張させる機能もあります。

ディスプレイ ネットワークでの自動ターゲティングについて

自動ターゲティングを使用すると、ディスプレイ ネットワークでのターゲティング方法を最適化することができます。

現在と同程度のユーザー獲得単価で、設定したターゲティング方法では広告が表示されないようなユーザーにまで自動的にアプローチできます。すでに設定したターゲティング方法に追加する、シンプルで効果的なアドオンのようなものだと言えます。

【参考】ディスプレイ ネットワークでの自動ターゲティングについて

さらにさらには『スマートディスプレイキャンペーン』という、”もう「ターゲティング」も「入札」も「表示する広告」もGoogle広告にお任せします!”といった手法もあります。

スマート ディスプレイ キャンペーンについて

スマート ディスプレイ キャンペーンは、ディスプレイ広告の複雑な設定管理を支援するシンプルで高度なサービスです。

手間と時間をかけずに、より多くのユーザーにアプローチして新たなコンバージョンを獲得できます。

スマート ディスプレイ キャンペーンを使用すると、Google ディスプレイ ネットワーク全体のほぼすべてのフォーマットで広告を表示することで、関心を示しているユーザーから、購入しようとしているユーザーまで、購買サイクルのあらゆる段階のユーザーにアプローチできます。

【参考】スマート ディスプレイ キャンペーンについて

Google広告はどんどん進化していて、新しいターゲティング手法も次々とリリースされています。

リスティング広告の運用者側も『まずは試してみる』で、古い手法に固執せずにどれだけ手を動かせるかが大切なことかと。

まぁ、お客様から予算を預かって運用しているので、新しい施策を試すことってなかなか難しいですけどね。

でも、それも含めて『どうお客様とコミュニケーションを取れるか』が、これから先生きのこる運用者に求められる能力かもしれませんね。

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