指名キーワードとアカウント構成

私どもアミジャットでは、新卒や中途採用が入社した後に、リスティング広告(検索連動型広告)の研修を行うのですが、その中で

 

『検索広告のアカウント構成「A、B、C、D」それぞれのメリットとデメリットを考えてください』

 

アカウント構成の4パターン

 

という課題を出してます。

これをTwitter(現X)にツイート(現ポスト)したところ、「いいね」や「リツイート(現リポスト)」などの反響が多かったので、ちょっとだけ掘り下げていきます。

リスティング広告(検索連動型広告)の運用を始めたばかりで

『最初に「指名キーワードは別キャンペーンに分ける」と教わったけど、その理由が分からない…』

とういう人は、このブログが参考になれば幸いです。

なおアミジャットでは新卒採用も中途採用も行っておりません。



「指名キーワードの特性」と「広告キャンペーンと広告グループの違い」を理解できてたらOK

この課題は

・「指名キーワード」と「一般キーワード」の特性の違い

・「広告キャンペーン」と「広告グループ」の役割(設定できること)の違い

を把握できているかの確認テストです。

この2つが理解できていれば、A、B、C、Dのメリット、デメリットも考えることができます。(Dパターンは少し特殊ですが…)

「指名キーワード」と「一般キーワード」の特性の違い

指名キーワード」とは、自社のサービス名、商品名、ブランド名などを含む検索キーワードのことを指します。

私、トヨタのプリウスが好きなので「トヨタレンタカー」を例にしますと

 

・トヨタレンタカー
・トヨタレンタカー 品川駅
・トヨタレンタカー 乗り捨て

 

などが、指名キーワードに該当します。

検索キーワードの特徴は『そのサービスをピンポイントで探している』です。

『既にトヨタレンタカーの会員だからメンバー割を使いたい!』
『レンタカーはトヨタのプリウスにしか乗りたくない!』

みたいな。まさに“ご指名”です。

自社の指名キーワードで検索するユーザーは、自社ブランドのファンである可能性が高いので、リスティング広告でもクリック率やコンバージョン率が高くなる傾向があります。

次に「一般キーワード(指名以外のキーワード)」についてです。

レンタカー業界で例えるなら

 

・レンタカー オススメ
・伊豆高原(旅行先) レンタカー
・レンタカー 事故にあったら
・レンタカー フランチャイズ ロイヤリティ

 

などです。

わざと「“レンタカーを利用したい人”ではない検索キーワード」も混ぜています、はい。

「一般キーワード」も細かく分けると「Know・Do・Buy・Go」の違いがあるのですが、今回は「指名以外のキーワード」とザックリした認識ですすめます。

ザックリ、ザクザク、オーザックです。

「広告キャンペーン」と「広告グループ」の役割(設定できること)の違い

リスティング広告を配信する際、まずは「広告アカウント」を用意して、そのアカウント内で「キャンペーン」を作成し、その配下に「広告グループ」を作成。「広告グループ」の中に「キーワード」と「広告文」を設定します。

リスティング広告のアカウント構成を説明する図

ここで今回の課題、「A、B、Cのアカウント構成」を再確認しましょう。※Dは特殊なケースなので、いったん無視してください。

 

アカウント構成の4パターン

 

まず結論として、「A、B、C、どのアカウント構成でも、リスティング広告は掲載できる」です。

そうすると

『何で「A、B、C」の違いが大切なの?』

となるのですが、それは

『リスティング広告の「キャンペーン」や「広告グループ」には、それぞれ異なる役割がある』

からです。

「キャンペーン」の役割(キャンペーンでしか設定できないこと)を列挙するとこんな感じです。

 

・広告の配信開始日&終了日
・配信する曜日&時間帯
・配信する地域
・1日あたりの広告予算
・入札戦略の選択(「手動入札」や、「自動入札」の様々なタイプ)

 

上記の役割を理解したうえで、

『このキーワード群は「キャンペーン」で分けようか。それとも「広告グループ」で分けようか。それとも分ける必要はないか。』

を考える必要がありまして、このアカウント構成の作り方によって、成果に差が出てきます。

関連ブログ
リスティング広告のアカウント構成について詳しく知りたい方は、別ブログ「Hagakure(ハガクレ)とは?Google 広告で推奨されるアカウント構造を解説」をご覧ください。

リスティング広告運用の初心者に『指名キーワードは別キャンペーンに分けて運用しましょう』と教える理由

Web広告代理店に入社した「リスティング広告の運用未経験者」は、初めてリスティング広告の基本を教わる場合、

『「指名キーワード」は別キャンペーンに分けて運用しましょう』

と教えてもらうケースが多いです。

どうして『指名キーワードはキャンペーンを分けましょう!』と教えるかというと、

『指名キーワードは別キャンペーンに分けて運用したほうが、リスティング広告の運用初心者でも失敗しにくい。(=メリットが多い)』

からです。そのままですね。ちなみにメリットってシャンプーのことではないですよ。

実際、どれぐらいメリットがあるのか数えてみたのですが、ちょうど3,000個ありました。ピッタリ3,000個でした。

ただ、リスティング広告運用の初心者に、最初から3,000個もメリットを教えても理解しきれず、逆にパニックになってしまいますので、分ける理由を1~2個だけ伝えて

『まずは分けて運用しましょう』

と教えている感じです。

このブログでも3,000個のメリットを書くには余白がたりないので、基本的なメリットだけ記載しておきます。

メリットその1:指名キーワードを別予算で管理できる

「指名キーワード」は自社にとって大事なキーワードですので、検索されたら取りこぼしが無いように、常に広告を表示したいと考えることも多いです。

「指名キーワード」を別キャンペーンで運用することで、「一般キーワード」キャンペーンの広告配信量(配信金額)による「配信ボリュームの抑制」の影響を受けず、「指名キーワード」での広告を表示できるようになります。

また逆に、テレビCMを出しているような大手企業は「指名キーワード」の検索数が多すぎて、リスティング広告の予算によっては

『リスティング広告でクリックされているキーワードを確認したら、「指名キーワード」ばかりだった。』

というケースも出てきます。

この場合も、「指名キーワード」を別キャンペーンで運用することで、「一般キーワード」と広告予算を分けて運用できるので、『リスティング広告の予算が「指名キーワード」ばかりに使われている』といったケースを防ぐことができます。

※『リスティング広告の予算が「指名キーワード」ばかりに使われている』が良いのか悪いのかは後ほど。

メリットその2:一般キーワードと指名キーワードの入札戦略を、それぞれ別のタイプで運用できる

広告キャンペーンごとに、自動入札のタイプを変更することができます。

例えば「一般キーワード」は自動入札「コンバージョン数の最大化」や「目標コンバージョン単価制」で運用していて、「指名キーワード」では常に上位表示を狙うという施策を考えた場合、「指名キーワード」を別のキャンペーンに分けておくことで

『「指名キーワード」キャンペーンは、「手動入札で高入札」や「自動入札:目標インプレッションシェア」を活用して、上位表示を狙う』

などの入札戦略を試すことができます。

指名キーワードを”別キャンペーンに分けない”場合のメリットについて考えてみる

『指名キーワードはキャンペーンを分けておいたほうがメリットも多い』

ではあるのですが、「指名キーワードを別キャンペーンに分けずに運用する」場合のメリットもあります。

どんな選択にも「メリット、デメリット」が存在します。人生と一緒ですね。

改めて課題の「B、C、D」のアカウント構成について考えてみます。

 

アカウント構成の4パターン

 

Bパターンは1キャンペーンで運用し、広告グループで「指名キーワード」「一般キーワード」を分ける

私の場合、リスティング広告を配信する案件の特性

・指名キーワードの検索ボリュームはどれぐらいか
・全体の広告予算は多いか、少ないか
・自動入札が動きやすいコンバージョン数を確保できるか

などで変わりますが、

『最初は「Aパターン」で運用して、結果を見て「Bパターン」に作り直して運用する』

というケースが多いです。

「Aパターン」から「Bパターン」に作り直す大きな理由は

『コンバージョンを1キャンペーンに集約して、自動入札が動きやすくしたい』

です。

地方の中小企業のお客様からのリスティング広告運用のご依頼も多く、案件の規模は「広告費:30~50万円/月」という感じです。

で、多いパターンが

 

・「指名キーワード」キャンペーン:広告費3万円、コンバージョン7件
・「一般キーワード」キャンペーン:広告費27万円、コンバージョン18件

『1つのキャンペーンにまとめて、”コンバージョン25件”のデータで自動入札を動かしたら、成果が上がるんじゃないか?』(Bパターン)

 

を試して、実際に成果が上がったら「Bパターン」を継続する、です。

広告文は「指名キーワード」と「一般キーワード」で訴求を変えたいので、広告グループで分けておきます。

Cパターンは極端なアカウント構成案(嫌いじゃないけど)

「Cパターン」のアカウント構成は、1キャンペーン、1広告グループにごちゃまぜの運用方法です。

正直、地方の中小企業の案件の場合、そもそも指名キーワードの検索ボリュームが1日に1件あるかどうかのケースも多いので、

『これはもう「1キャンペーン、1広告グループ」でもよくない?広告文もキーワードに合わせて「レスポンシブ検索広告」が良い感じに表示するでしょ』

と思うこともあります。

これをメリットと捉えるのなら『アカウント構成がシンプルで運用が簡単』と言うことができますかね。

たた、個人的には

・今後「指名キーワード」のボリュームが増えてくることも考えられる
・「指名キーワード」と「一般キーワード」の傾向の差は見ておきたい

を考えてしまうので、「Cパターン」のような極端なアカウント構成はチャレンジしないですね…。

Dパターンの「指名キーワードを登録しない」は、また別の論点のお話

「Dパターン」はアカウント構成の話よりも

『そもそもこの案件は「指名キーワード」で広告を出したほうが良いか?出さないほうが良いか?』

を考えるお話です。

このブログを読んでいる人も、1度はお客様から

『指名キーワードはSEOで1位表示されているので、リスティング広告でクリックされるのは広告費の無駄だから止めてほしい』

と相談された経験があるのではないでしょうか。

「指名キーワードでリスティング広告を掲載する」についても、「メリット、デメリット」があり、案件の規模や特性によって変わってきます。

一概に『指名キーワードでリスティング広告を出すべき、出さないべき』とは言えない事象ですね。

まとめ:アカウント構成に「これが絶対」はありません

私が「A、B、C、Dパターンのアカウント構成」のネタ投稿をしたきっかけのツイートがこちら。

私も樋爪さんのツイートと同様に、「アカウント構成に絶対はない」と思っています。

実際に今運用中の案件も、「案件の特性(予算や単価)」や「お客様の要望」によって、リスティング広告のアカウント構成も変えています。

日本プロ野球界の歴史に残る名捕手、「古田敦也」さんと「谷繁元信」さんの2人。この2人は同じ”名捕手”ですが、足の置き方や、ミットの構えが異なります。

皆さんも「自分なりに考えたアカウント構成(リスティング広告の運用スタイル)」を案件ごとに模索しながら、より楽しいリスティング広告運用ライフを過ごしていきましょう!

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