リスティング広告での手動入札運用のコツ
このブログで分かること
・手動入札(個別クリック単価制)の仕組み
・手動入札(個別クリック単価制)と自動入札の使い分け
・手動入札(個別クリック単価制)にて運用するときのコツ

Google広告、Yahoo!広告のリスティング広告(検索連動型広告)において、入札戦略は大きく分けて「自動入札」と「手動入札(個別クリック単価制)」があります。

先日、X(旧Twitter)にて『今まで「手動入札」で運用した経験はありますか?』とアンケートを取りました。

全体で約14.1%(運用歴2年以内に絞ると約50%)のリスティング広告運用者が、『手動入札での運用経験なし』という結果でした。

近年、リスティング広告の運用は「自動入札」を活用することが当たり前になっておりますが、まだまだ「手動入札(個別クリック単価制)」が役に立つ場面もあります。

筆者独自の『リスティング広告を手動入札(個別クリック単価制)で運用するときのコツ』をご紹介いたします。

 

※このブログ内では「リスティング広告=検索連動型広告」として用語を使っています。
※筆者の偏った経験則に基づく内容ですので、用法と用量を守ってお読みください。
※リスティング広告の基本的な仕組みを知りたい方は「リスティング広告とは?初心者向けに仕組みや始め方を解説」を読んでいただけると嬉しいです。



手動入札(個別クリック単価制)の基本的な仕組みについて

リスティング広告を手動入札(個別クリック単価制)にて運用する場合、「上限クリック単価」というものを設定します。この「上限クリック単価」の金額を変えることで、特定の検索語句の掲載順位を上げ下げし、リスティング広告の配信バランスをコントロールしていきます。

『自動入札しか知らない。「上限クリック単価」って初めて聞いた』

という人向けに、大まかな仕様をご説明します。

ここから先は「フィジー留学」という商材を例にして説明していきます。

広告グループに設定した上限クリック単価が、広告グループ内のキーワードの上限クリック単価として反映される

上限クリック単価は「広告グループ」と「キーワード」の両方に対して設定することができます。

まず、広告グループに上限クリック単価を設定します。この設定金額が、広告グループ内に登録している全てのキーワードの上限クリック単価として反映されます。

広告グループに設定した上限クリック単価

キーワードに上限クリック単価を個別に設定すると、広告グループの上限クリック単価の設定は無効になる(キーワードの上限クリック単価が優先される)

キーワードにも上限クリック単価を設定した場合、キーワードに設定した上限クリック単価が優先されます。

キーワードに設定した上限クリック単価

余談ですが、筆者がリスティング広告の仕事に携わったばかりの頃(2013年)は、手動入札(個別クリック単価制)での運用が基本でしたので、アカウント構成も「広告グループをキーワード群に細かく分ける」という細分化した構成にしていました。

フィジー留学のキーワード掛け合わせ

さらにキーワードのマッチタイプ「完全一致キーワード」を入れた広告グループ、「部分一致キーワード」を入れた広告グループと、マッチタイプ別の広告グループを作成(複製)します。広告グループごとの成果を見ながら広告グループの上限クリック単価を変えるという運用をしていました。懐かしいです。

手動入札(個別クリック単価制)には「拡張クリック単価(eCPC)」という機能がある

手動入札(個別クリック単価制)には「拡張クリック単価」というオプション機能があります。

拡張クリック単価のキャプチャー

「拡張クリック単価(eCPC)」をざっくり説明すると、コンバージョン計測したデータをもとに上限クリック単価を調整してくれる機能です。

媒体のシステムが『この検索ユーザーはコンバージョンするでぇ!』と判断した場合、設定している上限クリック単価を引き上げてクリックを獲得します。

逆に媒体のシステムが『この検索ユーザーはコンバージョンせんやろな…』と判断した場合、設定している上限クリック単価を引き下げます。

拡張クリック単価(eCPC)について - Google 広告 ヘルプ
拡張クリック単価の説明

筆者は手動入札(個別クリック単価制)にて運用するとき、「拡張クリック単価(eCPC)」を有効にしています。

ただ「拡張クリック単価(eCPC)」を有効にすると、事前に想定していたクリック単価よりも高くなることが多いので、大人の事情でクリック単価をキッチリさせて運用したい場合は使わない方がよいでしょう。


Google広告の手動入札(個別クリック単価制)って、どうやって設定するの?

Google広告の場合、管理画面から検索キャンペーンの作成を進めていくと、「単価設定」の項目で自動入札タイプの選択しかできないんですよね。

新規キャンペーンを作成したときの入札戦略の選択

『どうやって「手動入札(個別クリック単価制)」を設定するの?』ですが、検索キャンペーンを作成した後に、キャンペーンの「設定」→「単価設定」をクリックします。

そして、「または、入札戦略を直接選択します(非推奨)」の文字をクリックします。(非推奨)と書いてあると、これはクリックしていいのかなと思いますよね。

そうすると画面が切り替わり、「個別クリック単価制」を設定できるようになります。

個別クリック単価制の選択画面

設定方法の分かりにくさもあって、手動入札(個別クリック単価制)の利用頻度も少なくなってきているのかなと筆者は考えます。


手動入札(個別クリック単価制)が役立つ場面は「配信開始した直後」と「自動入札が上手く動かないとき」

筆者は基本的に『三度目の飯より自動入札が好き!』なリスティング広告運用者です。

そんな筆者でも

・配信開始した直後
・自動入札が上手く動かないとき

この2つのケースでは「手動入札(個別クリック単価制)」にて運用します。

新規キャンペーンを配信開始したときの手動入札(個別クリック単価制)

新規キャンペーンの広告掲載を開始するときは、手動入札(個別クリック単価制)にて運用しています。

最初から自動入札「クリック数の最大化」や「コンバージョン数の最大化」などを利用しない理由は、

・掲載開始日に広告が配信されない(表示回数が少ない)
・掲載開始日に広告が急激に配信される(2時間ほどで1日の予算を使い切ってしまう)

を防ぐためです。

「キーワードプランナー」を使って、設定しているキーワードの「ページ上部に掲載された広告の入札単価(定額帯)」の金額を参考にして、広告グループの上限クリック単価に“抑えた金額”を設定しておきます。100円とか。

フィジー留学のキーワードプランナー

で、広告配信を開始したら、1時間ごとに配信状況を確認しながら広告グループの上限クリック単価を“少しずつ“上げていきます。

上限クリック単価を「100円⇒200円」のように上げてしまうと、『1時間後に管理画面を見たら、1日の広告費を使い切っていた…』ということもよくあります。配信開始直後は、上限クリック単価を刻んで上げながら、こまめに管理画面をチェックします。

こんな感じで新規キャンペーンを配信するときは、スタートから数日間を「手動入札(個別クリック単価制)」で運用しながら、コンバージョンがトータルで5件ほど発生してきたら、自動入札「コンバージョン数の最大化」に切り替えることが多いです。

自動入札が上手く動かないときの手動入札(個別クリック単価制)

このようなケースに遭遇した方も多いのではないでしょうか?

 

自動入札「コンバージョン数の最大化」を使ったら、クリック単価が上がってしまい、1日の広告予算も数時間で使い切ってしまう。

自動入札「目標コンバージョン単価制」を使ったら、広告の表示回数が激減してしまう。「目標のコンバージョン単価」を上げても、「入札単価の下限」を設定しても広告がなかなか表示されない。

仕方がないので「クリック数の最大化」で様子を見る。コンバージョンが発生しないまま手詰まり…。

 

このとき「クリック数の最大化」で様子を見るのではなく、「手動入札(個別クリック単価制)」での運用を試します。

リスティング広告でコンバージョンが発生していない理由は、大きく分けて

・広告を表示している検索語句が悪い ←キーワード設定やオークションが原因
・ランディングページに問題がある ←そもそもの商材に魅力がない?

の2つだと筆者は考えております。

コンバージョンを獲得することが主目的ですが、この要因の切り分けを行う目的も兼ねて「手動入札(個別クリック単価制)」での運用を試します。


自動入札が上手く動かないときに手動入札(個別クリック単価制)で運用するコツ

ここから先は『自動入札が上手く動かないときの、「手動入札(個別クリック単価制)」での運用方法』をまとめていきます。あくまでも筆者の我流ですのでご了承ください。

コンバージョン獲得を期待できる検索語句に配信を絞る

『リスティング広告を表示している検索語句が悪いのか?』
『そもそもランディングページ(商材の内容)に問題があるのか?』

この切り分けを行うために、「コンバージョン獲得を期待できる検索語句」に配信を絞ります。

フィジー留学の案件であれば、最も狙う検索語句は「フィジー留学」です。

もし「フィジー留学」と検索したユーザーが、フィジー留学の広告をクリックして、ランディングページの内容を見ているのにコンバージョンしないのなら、これはさすが

『そもそもランディングページ(商材の内容)に問題があるのでは?』

と判断できるかと。

また、「フィジー留学」の検索語句だけでは検索ボリュームに限りがあるので、「海外留学 費用」「海外留学 安い国」などの検索語句にも広告表示を狙います。
※「フィジー留学」はアメリカやイギリスよりも安い費用で留学できることが強みです。

自動入札にて運用する場合は、『部分一致キーワードを使って「シグナル」を活用しましょう』と推奨されていますが、手動入札(個別クリック単価制)にて運用する場合は狙う検索語を絞ります。筆者の場合はですが。

登録する検索キーワードとマッチタイプを絞る

リスティング広告を掲載する際に、キーワードに「海外留学 おすすめ」「留学 口コミ」などの掛け合わせも含めて、何パターンも登録するケースありますよね。

筆者は手動入札(個別クリック単価制)にて運用する場合、狙う検索語句を絞るために、設定しているキーワードを全て止めて、必要なキーワードだけ「オン」に戻して運用します。

フィジー留学の場合、極端な例ですが「オン」にするキーワードは

・フィジー留学(完全一致)
・海外留学 安い国(フレーズ一致)

この2つだけで、各キーワードに「上限クリック単価」を

・フィジー留学(完全一致) ←1,000円
・海外留学 安い国(フレーズ一致) ←500円

と強弱をつけて運用してきます。

『どうしてキーワード数を極端に減らすの?マッチタイプも絞るの?』

と感じるかもしれません。その気持ち、分かります。

まず、完全一致キーワードもフレーズ一致キーワードも、『反応する検索語句の幅が広すぎる』というのが、登録キーワード数を絞っている理由です。

多くのキーワードを登録したまま運用していると、

・海外留学 安い国(フレーズ一致)
・海外留学 口コミ(フレーズ一致) ←成果が悪い
・海外留学 社会人(フレーズ一致)

のような状態になったとき、『海外留学 口コミ(フレーズ一致)の入札を下げよう』と調整しても、「海外留学 口コミ(フレーズ一致)」が拾っていた検索語句が、別のキーワードに反応して表示されてしまい、結局は表示している検索語句に変化が出ないことが多いです。

また、完全一致キーワードで「フィジー留学」に絞って広告を表示しようとしても、完全一致キーワードは完全一致ではないんですよね。別の検索語句でもガンガンと表示されます。

『何を言っているのか分からねーと思うが、あ…ありのまま今起こったことを話すぜ!』

完全一致キーワードの拡張

これぐらい完全一致キーワードは、幅の広い検索語句に広告が表示されます。

手動入札((個別クリック単価制))、自動入札のどちらも、『どんな検索語句で表示されているかのチェック』は大切です。

関連ブログ
完全一致キーワードの拡張について詳しく知りたい方は、別ブログ『完全一致キーワードとは?もう検索語句が完全に完全一致していないんですけど…』をご覧ください。

こんな感じで筆者は手動入札(個別クリック単価制)にて運用する場合、狙う検索語を絞るため、配信するキーワードの数やマッチタイプを絞っております。

ゴルフで例えるなら、クラブを「ドライバー(長距離)」「7番アイアン(中距離)」「ピッチングウェッジ(短距離&バンカー)」「パター」の4本に絞って、ラウンド時の持ち運びやすさを重視した感じですかね。まぁ筆者はゴルフをやったことないのですが。

「ラベル機能」を使って注力キーワードを分かりやすくしておく

キーワード毎に「上限クリック単価」を設定して運用するのですが、後からどのキーワードに個別で設定したか分かりやすくするために、ラベル機能を活用すると良いです。

Google広告のラベル機能

「ラベル機能」の活用方法は別のブログでご紹介します。便利です。


手動入札(個別クリック単価制)で成果が出てきたら、「自動入札」への切り替えをチャレンジ!

手動入札(個別クリック単価制)にて、コンバージョン獲得を期待できる検索語句に絞って広告を掲載していくと、通常であればコンバージョンが発生してきます。

『今日のランチはカレーを食べたい!』と言っている人に、カレー屋さんのチラシを渡しているようなものですので、反応してくれますよね。

で、検索語句の幅を少しずつ広げながら、一定数のコンバージョンが発生したら、自動入札の切り替えをチャレンジします。

主要の検索語句でコンバージョンが発生していると、自動入札に切り替えても成果が安定することが多いです。
※安定=「予算が暴発しないor広告表示が激減しない」うえでコンバージョンが発生する状態

もちろん、自動入札に切り替えたらやっぱり駄目だったというケースもありますので、その場合は自動入札の活用に拘らず、手動入札(個別クリック単価制)で運用を続けます。

自動入札のロジック

関連ブログ
自動入札の選び方について詳しく知りたい方は、別ブログ『自動入札戦略の選び方とは?リスティング広告の自動入札の特徴と使い分けを解説』をご覧ください。



手動入札(個別クリック単価制)で成果がダメな場合、広告配信自体を見直す必要もあります…

手動入札(個別クリック単価制)にて運用して、クリックされている検索語句は狙い通りなのですが、コンバージョンに至らないというケースもあります…。

『今日のランチはカレーを食べたい!』と言っている人に、カレー屋さんのチラシを渡しても興味を持ってもらえないみたいな。

このようなケースでは『リスティング広告の掲載を止めませんか?止めた広告費の分でランディングページを作り直しませんか?』とお伝えしております。

どの業界もサービスも類似品が多いので、その中で「独自の強みを作りましょう」というのはなかなか難しいと思います。
競合と同じサービス内容ならば「ランディングページでの伝え方」で差別化していく必要があると筆者は考えます。

まぁ『お前の広告運用が下手なだけだろ。言い訳するな!』と言われてしまうと、筆者も泣くしかないのですが…。


手動入札(個別クリック単価制)のまとめ:麻雀で例えるなら「平和(ピンフ)」

もしかしたら『ブログを読んでみたけど「手動入札(個別クリック単価制)」についての内容が分かりにくかった』という人もいるかと存じます。

そんな人のために「手動入札(個別クリック単価制)」を麻雀の役に例えて説明しますと「平和(ピンフ)」です。

平和(ピンフ)

不要な字牌や孤立した数牌を捨てていき、リャンメンでの良型聴牌を意識しながら丁寧に打ちます。「平和(ピンフ)」のみですと1役ですが、タンヤオや立直を合わせて「立直、ツモ、タンヤオ、ピンフ、裏ドラ1」の満貫を和了すると、『安い仕掛け(喰いタン)はせず、じっくり手役を進めて良かった』と実感します。

こんな手役への拘りが強そうな点も「手動入札(個別クリック単価制)」と同じです。

1人でもいいので誰かの参考になれば幸いです。

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