
皆さんは「Ubersuggest(ウーバーサジェスト)」というツールをご存知でしょうか?
SEOや検索連動型広告(リスティング広告)の施策では、検索キーワードの傾向を把握することが大切です。
「Ubersuggest」とは、検索キーワードのチェックツールで、chromeの拡張機能として無料で提供されており、検索キーワードのボリュームや広告掲載したときの平均クリック単価(CPC)の目安などを、簡単に把握できるツールです。
私も実務で「Ubersuggest」を活用していますが、Googleが提供している「キーワードプランナー」よりも“直ぐに知りたい情報を取得”できて、とても便利です。
今回は「Ubersuggest」の便利な点や、「キーワードプランナー」との違いを紹介していきます。
目次
「Ubersuggest(ウーバーサジェスト)」とは
「Ubersuggest(ウーバーサジェスト)」とは、マーケターの「Neil Patel」氏が開発した、検索キーワード分析ツールです。
海外のツールですが日本語にも対応しており、具体的には検索キーワードのボリュームや、検索連動型広告を掲載したときの平均クリック単価(CPC)の目安を確認できます。
検索連動型広告を掲載するときや、ホームページやブログのSEO対策をするときは、事前に対象となる検索キーワードの傾向を把握する必要があります。
「Ubersuggest」を上手く活用することで、業務の効率化や施策の成果向上に役立ちます。
chrome拡張機能で「Ubersuggest」を導入
「Ubersuggest」はchromeの拡張機能として導入することができます。
■chrome ウェブストア
専用アカウントの登録も必要なく、無料で利用が可能です。
「キーワードプランナー」と「Ubersuggest」の違い
Googleが提供している検索キーワード調査ツールに「キーワードプランナー」というものがあります。
■Google広告「キーワードプランナー」
「キーワードプランナー」を使うためには、Google広告アカウントを開設する必要があり、Google広告アカウントを開設すれば、実際に広告を配信していなくても活用できます。
ただ、Google広告アカウントを開設する際に、広告費の「自動支払い」を設定する必要があり、アカウント開設の設定方法を間違えてしまうと、意図しない広告が配信されてしまうという危険性もあります。
(たまに『テスト|テスト』という広告を見たりしませんか?これは恐らく、アカウント開設時に設定を間違えてしまったのかもしれません…)
「キーワードプランナー」自体は、検索連動型広告の運用実務に役立つツールですが、単純に検索キーワードの傾向を把握することに使うのであれば、「Ubersuggest」の活用をおすすめします。
chromeの拡張機能「Ubersuggest」で確認できること
chromeの拡張機能「Ubersuggest」を設定すると、Google検索エンジンでキーワード検索を行うだけで、あらゆる数字を簡単に確認することができます。
例えば「アガット」で検索すると、このような検索結果画面になります。
赤枠で囲んだ部分が「Ubersuggest」の機能です。
「Ubersuggest」の機能で、特にSEMの施策検討に役立つ機能をピックアップして紹介します。
機能1:キーワードの検索ボリュームと平均クリック単価(CPC)
私は元々、法律事務所のウェブマーケ担当として検索連動型広告の運用を行っていましたので、法律相談に関する検索キーワード「労働問題 弁護士」で検索してみます。
「労働問題 弁護士」で検索をすると、検索ボックスの中に「月間検索数」と「平均CPC」が表示されます。
なお、Google広告の「キーワードプランナー」にて、「労働問題 弁護士」の検索ボリュームと入札単価を確認してみると、
・月間平均検索ボリューム:880
・ページ上部に掲載された広告の入札単価(低額帯):¥141
・ページ上部に掲載された広告の入札単価(高額帯):¥498
という数値が表示されました。(2020年8月13日時点)
「Ubersuggest」と「キーワードプランナー」の、検索ボリュームや平均クリック単価(CPC)に、大きな乖離はないようです。
検索キーワードの大まかなボリュームや平均クリック単価(CPC)の把握には、「Ubersuggest」を活用した方が簡単で効率的です。
機能2:サジェストキーワードの検索ボリュームと平均クリック単価(CPC)
「労働問題 弁護士」の検索結果画面の右側に『こんな傾向があります…』と、関連する検索キーワードの一覧を表示してくれます。
「労働問題 弁護士」の関連キーワードとしては、「労働問題 弁護士 東京」の平均クリック単価(CPC)が高い傾向です。
平均クリック単価(CPC)が高いということは、
・競合企業は入札に力を入れている
↓
・コンバージョンが発生しやすい検索キーワード
と読み解くことができます。
恐らく東京は労働人口が多いので、「労働問題 弁護士 東京」の平均クリック単価(CPC)も高くなっているのかと想定できます。
また「Ubersuggest」は、ページ下部に表示される「関連する検索キーワード」にも、キーワード毎の検索数や平均クリック単価(CPC)が表示されます。
『検索連動型広告を掲載する前に、クリック単価や配信ボリュームのシミュレーションを作成したい』
『SEOで狙うキーワードを「検索数×CPC」から決める』
など、サジェストキーワードの傾向把握は、SEMの実務に役立つ機能です。
機能3:キーワード毎のSEOの難易度(SD)
右側に表示される「サジェストキーワード」の項目の中に、「SD」というSEOの難易度を示す指標が表示されます。
「オンライン英会話」で検索した際の、サジェストキーワードのSDを確認すると
・オンライン英会話:70
・産経オンライン英会話:23
・オンライン英会話おすすめ:54
と、「オンライン英会話」のSD値が最も高く、この検索キーワードでSEOの上位を狙うのは難しいと想定できます。
どのキーワードでSEOの上位表示を狙うべきか、SDの数字を参考値として使うことが可能です。
機能4:ドメインの「スコア」「トラフィック」「SNSでのシェア数」「参照ドメイン数」
Googleの検索結果画面に表示されたページのドメインに対して、
- ドメインスコア
- ドメイントラフィック
- SNSでのシェア数
- 参照ドメイン数
を確認することができます。
私の大好きなプロレス動画配信サービス「新日本プロレスワールド」で検索すると、このような数字が表示されます。
各指標を元に、競合サイトのSEO施策の状況を把握することができます。
ドメインスコア
サイト(ドメイン)の強みを様々な要素から分析した指標で、0~100で評価点が付けられています。
“様々な要素”の詳細は分かりませんが、恐らく「ドメインを作成してからの期間」や「ドメイン内のコンテンツの更新頻度」が関係しているのではないかと予想しています。
ちなみに「google.com「youtube.com」「ja.wikipedia.org」のドメインスコアは100、「yahoo.co.jp」は95、「amazon.co.jp」は94でした。(2020年8月13日時点)
ドメイトラフィック
サイト(ドメイン)のSEOからの月間平均ビジター(訪問者)数を表示しています。
この数字の精度が、どこまで実数に近いかは『???』です。
訪問者数のボリューム把握の参考程度にした方が良さそうです。
ドメイントラフィックの精度について
このホームページ「amijat.work」のドメイントラフィック数は「177」と表示されています。(2020年8月13日時点)
Googleアナリティクスでは、このホームページのGoogle自然検索からの訪問ユーザー数は「1,091」です。(過去30日)
訪問数が少ない小規模サイトでは、乖離が大きいのかもしれません。
ドメインのSNSシェア数
このURLが「ピンタレスト」と「Facebook」でシェアされた回数を表示します。
URLごとの数字ですので、同じドメインでもページが異なると、シェア回数の数字も変わります。
個人的には「ピンタレスト」よりも「Twitter」のシェア数も確認できると便利かなと感じています。
ドメインの参照ドメイン数
このURLの参照ドメイン数(被リンク数)を確認することができます。
クリックをすると、実際のどこから被リンクされているかを確認することが可能です。
競合サイトのチェックに役立つ機能です。
まとめ
「Ubersuggest」は、簡単に検索キーワードのボリュームや、広告配信時の平均クリック単価を確認できるツールです。
検索連動型広告の運用やSEO対策では、検索キーワードの傾向把握が大切です。
検索キーワードの向こう側にいるユーザーの心理を理解した上で、効果的な広告運用、SEO施策を進めていきましょう。