こんにちは。アミジャットの田島です。本当です。
ウェブ広告運用にありがちな“ミステイク”を紹介する「#100日以内に死ぬ広告運用者」の解説シリーズ第8回目です。
今回は36日目から40日目までのネタ解説です。
ネタを考えた「DAN爵さん(@NYUSQUARE)」の“ネタ切れ感”が伝わるものもありますが、サクサクと解説を進めていきます!
※「#100日以内に死ぬ広告運用者」は、48日目までは「DAN爵さん」というフリーランスが考えたネタ、49日目以降は私「アミジャット田島佑哉」が考えたネタです。
Web広告(リスティング広告)運用の基本的な仕組みや考え方について知りたい方は、別ブログ「リスティング広告とは?リスティング広告の仕組みをわかりやすく解説」をご覧ください。
目次
【36日目のネタ】「配信地域」の仕様を正しく活用しましょう
100日以内に死ぬ広告運用者 36日目
「ローカルビジネスの案件を獲得したぞ、でもこの案件、このエリアの割には予算額が多いな。
こんな狭いエリアじゃ予算絶対に消化できない~よし、地域はちゃんと設定して、目標を「ターゲット地域を検索しているユーザー」に変更っと。」
死まで64日— DAN爵🐿道民に進化したWEB集客屋🦈 (@NYUSQUARE) February 25, 2020
指摘ポイントは
『「配信地域」の仕様を正しく理解して活用しましょう』
です。
このネタは、「Google 広告」や「Yahoo!広告(検索)」の地域設定の仕組みに関する話です。
例えば、「兵庫県神戸市だけにGoogleの検索広告を掲載したい」という場合、広告キャンペーンの配信地域の項目で「神戸市」を選択します。
この設定で特に問題なさそうに思えますが、左下に「地域の設定」というメニューがありまして、ここをクリックすると“配信地域の判定方法”(「目標」という項目)を選択する画面が表示されます。
Googleの広告検索の場合、配信地域の判定方法は複数あります。
所在地やインタレスト
→その地域にいるユーザー、“または”その地域に興味があるユーザー
所在地
→その地域にいるユーザー、その地域をよく訪れるユーザー
検索インタレスト
→その地域についてGoogleで検索しているユーザー(検索広告のみで設定可能)
そして、Google広告の地域設定のデフォルトは「1:所在地やインタレスト」です。
そのため、広告キャンペーンで神戸市を選択して、「地域の設定」をデフォルトのままで広告を配信すると、神戸市にいるユーザーだけではなく、“神戸市以外に住んでいるユーザー”にも広告が配信されます。
「神戸市エリアのみに対応している出張買取サービス」といった地域特化のサービスの場合、対象エリア以外に広告が表示されて、そこからお問い合わせが来たとしても
『すみません。対象エリアではないのでご対応できません…』
と断ることになり、広告費の無駄遣いになります。
元ネタでは、ウェブ広告運用者が広告予算を多く使うために、対象エリアの設定を変えようとしているのですが、何故か「検索インタレスト:ターゲット地域を検索しているユーザー」を選択しているんですよね…。
ターゲット地域について検索しているユーザーに広告を表示する(検索インタレスト)
指定したターゲット地域について Google で検索しているユーザーが広告の表示対象となる設定です。検索に特定の地域名が使用されていない場合は、そのユーザーがいる可能性が高い地域がターゲティングの基準として使用されます。このオプションは検索キャンペーンでのみご利用いただけます。
Google 広告のヘルプの仕様を読むと、「所在地」よりは「検索インタレスト」の方が、対象ユーザーが増えそうですが、ネタの指摘ポイントをわかりやすくするのなら、
の方が良かったですね。
実際のケースでは、私もアカウント診断で他のウェブ広告運用者様の設定を見させていただくことがありますが、今回のように
「ウェブ広告運用者が仕組みを知ってて、予算を多く使うためにお客様に内緒で設定している」
よりも
「そもそもウェブ広告運用者がこの仕組みを知らなくて、意図しない地域に配信している」
が多い印象です。
Google 広告のデフォルト設定は「所在地やインタレスト」なので、ちゃんと勉強したり周りから教えてもらっていないと、この仕様に気づかないのかな、と。
もちろん、
『「所在地やインタレスト」のまま配信してはいけない!』
という訳ではないです。
「広告媒体の仕様」を正しく把握して、「広告を表示したいユーザー」と「実際に広告が表示されているユーザー」に差異がないかを確認しながら、ウェブ広告運用しましょう。
おまけ:「所在地やインタレスト」で配信すると、どれぐらい配信エリアが広がってしまうか?
以前にアカウント診断でGoogle広告アカウントを見せていただいたとき、地域設定を”市単位”で設定していながら、目標は「所在地やインタレスト」のままで配信されている案件がありました。
その案件のアカウント診断レポートを掲載します。
このGoogle 広告アカウントを運用していた代理店様は、地域設定を「宝塚市」「西宮市」と設定し、さらに「半径エリア指定」を使って入札単価調整比率も活用していたのですが、そもそも配信地域の目標設定が「所在地やインタレスト」のままだったので、実際に広告が表示されている地域は、大阪、京都、東京なども含まれていました。
リスティング広告専門の代理店でもこのようなミスが起きてしまうこともあるので、皆さんも気を付けてくださいね。
また、自動入札で運用しているキャンペーンに対して「半径エリア指定で入札単価調整比率を活用する」という施策が、せっかく手間をかけているのに意味がない施策となっていました。
このケースは「100日以内に死ぬ広告運用者」の47日目のネタと同じ内容です。
100日以内に死ぬ広告運用者 47日目
「リプレイス案件。拡張CPCから変更して、コンバージョン数の最大化で広告だす自動入札を提案して契約取れたぞ!
東京中心の配信、埼玉と千葉と神奈川は入札弱め-50%、朝と夜は入札弱め-50%はそのままにすることが条件か。
OKOK、設定完了!」
死まで53日— DAN爵🐿道民に進化したWEB集客屋🦈 (@NYUSQUARE) March 7, 2020
「自動入札と入札調整」の指摘ポイントは、47日目のネタ解説のときに改めて説明します。
【37日目のネタ】「キャンペーンの予算」と「上限入札額」を間違えている
100日以内に死ぬ広告運用者 37日目
「動画広告の設定、終わってなかった!えっと、日額5000円・・・っと、
あと何、YOUTUBEチャンネルリンクと、YOUTUBEのURLってどれだ・・・」
死まで63日 pic.twitter.com/ZlCmSNNw1T— DAN爵🐿道民に進化したWEB集客屋🦈 (@NYUSQUARE) February 26, 2020
指摘ポイントは
『「キャンペーンの予算」と「上限入札額」に入力する数値を間違えないようにしましょう』
です。
YouTube動画広告のネタなので
『お!マニアックな“あるあるネタ”かな?』
と思わせておいて、“単なる数字の入力間違え”という手抜きのネタですね。
以上!(柴田勝頼)
【38日目のネタ】Google 広告の「配信地域」のデフォルト設定に注意
100日以内に死ぬ広告運用者 38日目
「外資系の広告案件をゲットしたぞ~。アカウントは先方していのものだけど、設定から作り直すぞ。リスティング広告の設定は終わったから、次はディスプレイ広告~ 地域エリアは日本だから、そのままっと。」
死まで62日 pic.twitter.com/kEdQPIQJYm— DAN爵🐿道民に進化したWEB集客屋🦈 (@NYUSQUARE) February 27, 2020
指摘ポイントは
『Google 広告の「配信地域」のデフォルト設定に注意』
です。
まぁ、そのままですね…。
2022年4月現在は、Google 広告の管理画面からキャンペーンを新規作成すると、「地域」のデフォルト設定が「すべての国と地域」になっています。(アカウントによって違いはあるかもしれませんが)
36日目のネタと同じで、地域設定に気を付けましょう。
以上!(柴田勝頼:2回目)
【39日目のネタ】この設定方法だと「テレビ配信」を除外できない
100日以内に死ぬ広告運用者 39日目
「パソコン以外の配信NGの案件がスタートするぞ。ディスプレイ広告設定、よし、この初期設定からモバイルとタブレットのチェックを外して・・・ヨシ!」
死まで61日 pic.twitter.com/o2uUHsBtVW— DAN爵🐿道民に進化したWEB集客屋🦈 (@NYUSQUARE) February 28, 2020
指摘ポイントは
『この設定方法だと「デバイス:テレビ」には配信されてしまう』
です。
DAN爵さんによる解説はこちら↓
これ凄く分かりにくいんだけど、この最初の設定画面からだと、テレビ画面のデバイスのチェック外せないんだよね。ほんと少しだけど、ディスプレイでも広告出るので。。
尚、動画キャンペーンであれば、この設定画面でちゃんとテレビ画面は外せる。
— DAN爵🐿道民に進化したWEB集客屋🦈 (@NYUSQUARE) February 28, 2020
「パソコンのみに配信する」という設定を行うのであれば、対象の「キャンペーン」を選択し、左側の「デバイス」の項目から「配信したくないデバイスの入札単価調整比を-100%にする」が、よくある設定方法ですね。
以上!(柴田勝頼:3回目)
【40日目のネタ】電話番号表示オプションをタップすると「0800」の番号が表示されてしまう
100日以内に死ぬ広告運用者 40日目
「(商談)03-の電話番号を拡散ですか。ゴロのよい覚えやすい番号にしてチラシも出すんですね!ブランディングですね!Google広告の設定もしますね~(帰社)折角だから電話のCVも取得できるようにしようっと。コールコンバージョン取得、これだな!」
死まで60日 pic.twitter.com/Bq71cNlK7Z— DAN爵🐿道民に進化したWEB集客屋🦈 (@NYUSQUARE) February 29, 2020
指摘ポイントは
『Google 広告で「コール コンバージョン」をトラッキングしようとすると、広告の電話番号をタップしたときに「0800」の番号が表示されてしまう』
です。(指摘の文章が長いですね)
まず、Google 広告の「コール コンバージョン」の計測ですが、これは広告から直接かかってきた通話数(≠電話番号のタップ数)を把握する仕組みです。
直接かかってきた電話の件数を計測するために、Google が所有する「計測用電話番号(0800番号)」を経由する必要があるため、広告の電話番号をタップすると「0800」から始まる番号が表示されてしまいます。
私も以前、この仕組みをわかっておらず、良かれと思って「電話番号表示オプションを使用した広告や電話専用広告でのコール コンバージョン」をオンにしていたら、お客様から
『電話番号をタップすると、「0800」から始まる違う電話番号が表示されるんですけど、ちゃんと電話番号が表示されるようにしてくれませんか?』
と指摘されたことがあります。
「広告に表示されている電話番号」と、「タップしたときに表示される電話番号」が異なっていると、電話をかけようとしたユーザーも
『あれ?この電話番号で合っているのかな?』
と不安になり、電話をかけるのやめてしまう可能性もあります。
Google 広告の「コール コンバージョン」トラッキングのメリット、デメリットを把握したうえで、上手く活用しましょう。
「#100日以内に死ぬ広告運用者」36日目~40日目のまとめ
間違いネタの解説はどうしても
『このやり方は間違い』
と、“〇〇すべき論”になりやすく、実は個人的には“〇〇すべき論”は好きではないんですよね…。
明確な設定ミスなら「ダメです!」と言えるのですが、例えば
『指名キーワードと一般キーワードは、キャンペーンや広告グループで分けるべき!』
『ウェブ広告運用は代理店に任せた方が良い!いや、インハウス運用が良い!』
とか、「そんなのケースバイケースじゃん」と思うタイプの人間でして。
で、36日目のネタ解説をする際に
『この「検索インタレスト」って、どんなターゲットに対して活用すると効果的なんだろう?』
と、考えを膨らます時間がありまして。
『沖縄について調べている沖縄県外の人に「沖縄旅行」の広告を表示したい』
みたいな使い方ですかね?==
ターゲット地域:沖縄
→検索インタレスト: ターゲット地域を検索しているユーザー除外地域:沖縄
→所在地: 除外した地域にいるユーザー
==みたいな。 pic.twitter.com/cqIEFbCPvW
— アミジャット田島佑哉🍊🦅Web広告(リスティング広告)運用が得意なフリーランス (@amijat_work) April 28, 2022
『一般的ではないけど、こんな活用方法は「有りといえば有り」なんじゃない?』
みたいな、ポジティブな想像をしている方が楽しいですね。
と言いながらも、引き続き「100日以内に死ぬ広告運用者」の“間違い指摘”を続けていきますのでよろしくお願いします!