リスティング広告を運用していて「どんな広告文を作ればコンバージョンが増えるの?」と頭を悩ますことはありませんか?
私もリスティング広告を覚えたての頃は「コピーライターじゃないから難しいよ」とかなり苦労していました。
リスティング広告は「広告文」の良し悪しで、成果が上がるかどうかが決まります。
今まで700アカウント以上を運用してきましたが、クリック率の高い広告文を作成することで、コンバージョン数も増える傾向があります。
それだけリスティング広告において「広告文」は最も重要な役割を持ち、また運用担当者のノウハウやセンスによって差が出る要素です。
実際に「広告文」を1つ変えるだけで、クリック率が大幅に改善することは多々あります。
広告文には基本的な作成テクニックがいくつかあります。
ただ個人的な経験から言うと、成果が出る広告文を見つけるためには、1つでも多くの広告文を作成して、PDCAを動かしながら「質」を磨き上げていくしかないと感じています。
そこで今回は、1つでも多くの広告文を作成するためのポイントを、33パターンの訴求別に厳選した例文を元に紹介します。
33パターンも用意したら「厳選」ではありませんが!
目次
リスティング広告で「広告文」の改善が重要な理由
リスティング広告運用の中で、最も時間を費やすべきことは広告文の作成です。
名称そのものが「リスティング”広告”」ですので、広告文はとても重要です。
リスティング広告の成果の決め手は、「アカウント構造」でも「登録キーワード」でも「入札戦略」でもなく、「広告文が良いか悪いか」で決まる言っても過言ではありません。
広告文は「検索ユーザー」と「商品やサービスのページ」を結ぶ接点です。
検索ユーザーが『この商品は良さそうだな』や『このサービスについて知りたいな』と思うかどうかは、広告文で決まります。
リスティング広告のオークション
また、リスティング広告の費用や掲載順位は、オークションによって決まります。
このオークションの仕組みは、単純に検索キーワード(クエリ)に対する入札額だけで決まるのではなく、「広告ランク」と呼ばれる以下のロジックでの指標によって決まります。
広告ランク=入札単価 × 広告の品質 (&広告表示オプション)
この「広告ランク」とは、わかりやすく言うと、
『検索したキーワード(クエリ)に対して、広告がどれぐらいイケてるか』
という指標です。
具体的には、
・検索したキーワード(クエリ)に対して、広告の内容がマッチしているか。
・広告が表示されたときにクリックされそうか。(推定クリック率)
・広告に設定したリンク先の内容は充実してるか
といった要素から、GoogleやYahooのシステムが判断して決定します。
広告ランク
広告の掲載順位(ページのどこに広告が掲載されるか)や広告掲載の有無を決めるために使用される値です。
広告ランクは入札単価と品質スコアのコンポーネント(推定クリック率、広告の関連性、ランディング ページの利便性)、広告表示オプションやその他の広告フォーマットの見込み効果に基づいて算出されます。
参考元
AdWordsヘルプ:広告ランク
この「広告ランク」は、GoogleやYahooの管理画面からは確認できない、ブラックボックスの指標です。
「広告ランク」とは別に、広告の品質の良し悪しを判断する目安の指標として、「キーワードの品質スコア(品質インデックス)」というものがありますが、「広告ランク」と「品質スコア」は混乱しやすいため、このページでは違いの説明を割愛します。
リスティング広告の掲載順位や費用が決まる要素には、「広告ランク」が関わってくるため、『イケてる広告文』を作っていくことが重要となります。
オークションでは、まず「広告文」が選定される
少し横道にそれますが、オークションの流れについて記載します。
オークション
Google 検索が行われるたびに発生するプロセスで、個々の検索に対して表示する広告とページでの掲載順位を決定します。
・AdWords 広告は、検索で掲載候補となるたびに広告オークションにかけられます。オークションでは、その広告を実際に掲載するかどうかとページ上での「広告の掲載順位」が決まります。
・オークションの仕組みは次のとおりです。
1:ユーザーが検索を行うと、その検索内容と一致するキーワードが設定された広告がすべて検出されます。
2:これらの中から、掲載対象とならない広告が取り除かれます。たとえば、別の国をターゲットに設定している広告や不承認の広告などです。
3:残った広告の中で広告ランクが十分に高いものだけが表示されます。広告ランクとは、入札単価や広告の品質、広告表示オプションやその他の広告フォーマットの見込み効果に基づく指標です。
この1⇒2⇒3の流れがポイントで、私もリスティング広告に携わってから1~2年ほどの間は、このオークションの流れを正しく理解していませんでした。
ポイントは、1の「まず広告がすべて検出される」という点です。
私が昔に勘違いしていたロジックは
1:ユーザーが任意のキーワードで検索する(検索クエリ)
↓
2:アカウントに登録したキーワードが反応する
↓
3:キーワードに紐づいた広告が表示される
でした。
しかし、正しくは
1:ユーザーが任意のキーワードで検索する(検索クエリ)
↓
2:表示対象となる広告文がリストアップされる
↓
3:広告ランクが高い広告が表示される
です。
つまり、検索が発生するとまず「広告」が反応するため、検索キーワード(クエリ)に対して『イケてる広告文』を表示させることが大切となります。
「広告文」によって「検索クエリ」が変わる?
オークションは「検索クエリ」⇒「広告文」と反応するロジックです。
なら『広告文を変えていけば、反応する検索クエリも変わるのか?』、と気になってある実験を行いました。
広告文を変えれば検索クエリも変わるのなら、部分一致キーワードを1つだけ設定しておけば、キーワード追加や入札調整など行う必要ないですよね。
実験を行ってみたところ、設定した広告文に対して検索クエリがなかなか面白い動きをしました。
実際のアカウント数値も公開していますので、ご興味のある方は「【AdWords】広告文で検索クエリが変わる?SEMカフェで学んだ3つのポイントを検証」をご覧ください。
リスティング広告の文字数、フォーマット
リスティング広告の広告文を作成するためには、まず広告文の仕組みや仕様を理解する必要があります。
リスティング広告の広告文は、「見出し」「説明文」「表示URL(パス)」の3つの要素から成ります。
それぞれの項目には文字数の制限があります。
GoogleアドワーズとYahoo!スポンサードサーチでは、広告文に設定できる文字数や記号に違いがあります。
Googleアドワーズ(Google広告)
見出し1:半角30文字
見出し2:半角30文字
説明文:半角80文字
表示URLのパス:半角15文字×2つ
2018年8月28日追記
「Googleアドワーズ」の名称が「Google広告」に変わりました。
ただ、この記事の中では、あえて「Googleアドワーズ」を残します。(なんか寂しいから…)
そして「Google広告」に変わってから、色々な仕様も変わり、リスティング広告の広告文の設定内容も以下のように変わりました。
最近変更を行いテキスト広告を拡張したことで、顧客に伝えられるメッセージが増え、次のことができるようになりました。
・3 つ目の広告見出しを追加
・2 つ目の説明文を追加
・説明文は 90 文字(全角では 45 文字)まで使用可能
簡単に言うと、広告文に設定できる項目と文字数が増えました!
設定できる文字数は以下のようになります。
広告見出し1:半角30 文字
広告見出し2:半角15 文字
広告見出し3:半角15 文字
広告文(説明文)1:半角45 文字
広告文(説明文)2:半角45 文字
>>>参考 AdWords ヘルプ:テキスト広告について
広告文に設定できる文字数が増えたことで、広告で訴求できる幅も広がりました。
ただ、訴求を詰め込み過ぎると、逆にメッセージが伝わらなかったり、クドイと感じるようになったり…。
「タイトル3」と「広告文(説明文)2」は設定した方が良いのか、または悪いのか。この部分は改めて実験をしてみたいと思います。
Yahoo!スポンサードサーチ
タイトル1:30文字
タイトル2:30文字
説明文:80文字
表示URL:15文字×2つ
カウント方法:全角および半角カナ:2文字、半角英数記号:1文字
>>>参考 スポンサードサーチ ヘルプβ:広告とは
広告文のルール(入稿規定)を守ろう
リスティング広告には、広告文で使える表現や記号などにルールが設けられています。
まずはルールを把握して、入稿規定を守ったうえで広告文を作成しましょう。
広告文とリンク先URLの関連性
表示された広告文とリンク先の内容が全く異なり、ユーザーを騙すような広告文は配信してはいけません。
>>>参考 AdWords 広告掲載のポリシー ヘルプ:不実表示
Google では、掲載されている広告によってユーザーが騙されたと感じることがないよう、ユーザー自身が判断するために必要十分な情報を提供したいと考おえております。ユーザーを騙すために、商品やサービス、ビジネスに関する必要な情報を提供しなかったり、誤解を招く情報を提供したりする広告やリンク先は認めておりません。
広告文に「激安パソコンを100円で販売中!」と書いておきながら、リンク先のページ中にはどこにも記載がないなど、広告文のクリック率を上げたいがために、詐欺のような行為を行うのはやめましょう。
日本一、世界一、No.1などの「最上級表現」について
Yahoo!スポンサードサーチでは、「世界初」や「ナンバー1」といった『最上級表示』を広告文に使用することが禁止されています。
>>>参考 Yahooマーケティングソリューションヘルプ:7. 最上級表示、No.1 表示
「最大」「最高」「最小」「最速」「No.1」「世界初」などの最大級・絶対的表現のあるクリエイティブは、以下を満たす必要があります。
(1) クリエイティブ内の表示が省略されない箇所に第三者によるデータ出典・調査機関名および調査年が明記されていること。[もっと詳しく]
(2) 調査データが最新の1 年以内のデータであること[もっと詳しく]ただし、以下サービスについては「最大」「最高」「最小」「最速」「No.1」「世界初」などの最大級・絶対的表現をクリエイティブ内に掲載することはできません。[もっと詳しく]
・スポンサードサーチ
・Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)のテキスト広告
たとえ事実であっても、Yahoo!スポンサードサーチでは「最上級表現」は利用できないです。
また、Googleアドワーズでは「最上級表示」の制限はありません。
※リンク先に「最上級」であることを示す第三者による客観的な根拠の記載は必要です。
では『Googleアドワーズは最上級表現をどんどん使おう』と考えていいのというと、決してそうではありません。
「最上級表現」は、消費者庁が「不当景品類及び不当表示防止法」(通称「景品表示法」)という、消費者保護のために設けられた広告に関する法律の一部です。
>>>参考 消費者庁:景品表示法
そのため「最上級表現」は、Yahoo!スポンサードサーチや、リスティング広告だけに限った規制ではありません。
例えGoogleアドワーズの審査に通ったからといっても、広告の内容によっては「景品表示法」の違反になる可能性もあります。
「日本最大のイベント」や「世界初の技術」など、つい使いがちなキャッチコピーですが、使い方に注意しましょう。
薬事法について
医薬品や健康食品、医療機器などの医薬的な効能効果を示唆する表現は「薬事法」(「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(略称:医薬品医療機器等法)」)により、広告規制が設けられています。
詳しくは、下記の関連サイトをご確認ください。
>>>参考 東京都福祉保健局:医薬品等の広告規制について
>>>参考 Yahoo!ラーニングポータル:薬機法関連の掲載できない表現例
リスティング広告で使用できる記号について
「!」や「?」など、リスティング広告での記号の使い方にもルールがあります。
GoogleアドワーズとYahoo!スポンサードサーチでは、使える記号のルールに違いがあるので注意が必要です。
詳しくは、各媒体のヘルプで最新のルールを確認することをおすすめします。
>>>参考 AdWords 広告掲載のポリシー ヘルプ:編集基準と表現
>>>参考 Yahoo!マーケティングソリューション ヘルプ:入稿規定
「広告表示オプション」の活用
広告表示オプションとは、通常の広告文のタイトルや説明文とは別に、メッセージやリンク先、電話番号など表示することができる機能です。
広告表示オプションの種類は様々あり、無料で設定することが可能です。
広告表示オプションを設定するメリットとしては、
1、タイトルや説明文の文字数だけでは表現できない訴求を補える。
2、広告文の表示エリアが広がるので、クリック率が上がりやすい。また、競合の広告文を押し下げて、上位に独占して表示することも可能に。
3、オークションのロジック上、広告表示オプションを設定すると品質が高く評価される。
が上げられます。
商材に合わせて、最適な広告表示オプションを活用することが、広告文の成果を上げるための基本テクニックです。
タイトルで訴求すること、説明文で訴求すること、広告表示オプションで訴求するとことを上手くすみ分けて、全体が1つの広告文として表示されたときに、あらゆる情報が見やすい&伝わりやすいクリエイティブになっていることが理想です。
広告表示オプションは、Googleアドワーズとyahoo!スポンサードサーチとでは、使用できる種類が異なります。
広告文を作成する前に「SWOT分析」や「ペルソナ作成」を行って事前準備
成果が出る広告文を作成するためには、自社商品やサービスの特徴、市場の動向を把握することが大切です。
「検索ユーザーはどのような商品をさがしているか」
「自社商品の何が検索ユーザーの役に立つのか」
を抑えて広告文に落とし込むことで、クリック率の高い広告を作成できるようになります。
顧客のニーズや自社製品の優位性を把握する方法として、「SWOT分析」や「ペルソナ作成」といったフレームワークが存在します。
フレームワークの実施方法については、マーケティングの基本「3C分析」と「SWOT分析」と「ペルソナ作成」についてをご覧ください。
広告文作成の7つの基本テクニック(例外もあるので注意)
リスティング広告には、クリック率が高い広告文を作成するためのポイントがあります。
基本的なポイントを抑えることで、広告文に少し手を加えるだけでクリック率が上がります。
テクニックその1:検索キーワードを広告文に含める
検索キーワードが広告文の中に含まれていると、検索ユーザーの目にとまりやすくなり、クリック率も向上します。
Google AdWords の「広告カスタマイザ」や、Yahoo!スポンサードサーチの「アドカスタマイザー」の機能を活用し、検索キーワードを広告文に挿入することができます。
>>>参考 AdWordsヘルプ:広告カスタマイザの詳細
>>>参考 Yahoo!マーケティングソリューション ヘルプ:アドカスタマイザーの活用例
テクニックその2:検索ユーザーが行動に繋がるフレーズを含める
「資料請求はこちら」や「無料セミナー受付中」など、広告をクリックすることによるメリットを記載することで、ユーザーにも訴求が伝わりやすくなります。
テクニックその3:自社の優位性を具体的な数字で伝える
数字を使って具体的な訴求をすると、情報の信頼度が増します。
価格や実績など、他社に負けない部分を数字でアピールすることがポイントです。
テクニックその4:1つの訴求を短い文字数でまとめる
商品やサービスで訴求したい要素はいくつか出てくると思います。
その要素を10~15文字ほどで作るようにします。
1つの要素を短い文章で作ることで、そのままタイトルの使ったり、組み合わせて説明文に使ったりと、柔軟に広告文を作成することができます。
また「コールアウト」などの広告表示オプションにも活用することが可能となります。
テクニックその5:記号や読点、句読点の使い方を意識する
記号や句読点を使うことで文章にメリハリが出て、広告文が見やすくなります。
強調したいキーワードは《》や【】などを利用して、《公式》や【無料】のように目立たせることも基本テクニックの1つです。
テクニックその6:「漢字」「ひらがな」「カタカナ」のバランスを意識する
漢字が多い広告文は固い印象が出てしまい、読みにくく感じます。
文字数のバランスを見ながら、広告文にカタカナの表現を組み込むことで、広告の読みやすさがアップします。
テクニックその7:同じ意味の言葉を何度も使わない
タイトルや説明文など、広告文の各要素には文字数制限があります。
限られた文字数制限の中で、商品の魅力を幅広く伝えるためには、同じ意味の言葉をタイトルや説明文で何度も使わないようにします。
広告文は何パターン試せばいい?
先に結論から書くと
「100パターン試しても足りない」
です。
まず、よくあるリスティング広告の運用事例では、「広告文を2パターン作りABテストを行う」ではないでしょうか?
広告文のABテスト(広告文の成果を確認して、成果の悪い広告文を新しい広告文に差し替える)の頻度は、月に1~2回ほどかと思います。
※また、リスティング広告の運用に力を入れていない広告代理店では、ABテストどころか最初に作った広告文のまま一度も差し替えをしないケースもあります。。。
そのため、「広告文は10パターンも試せば、勝ちクリエイティブが見つかるだろう」と思いがちです。
しかし、リスティング広告の中には「ユニコーン」と呼ばれる、ずば抜けた成果をたたき出す広告文が存在します。
この広告文は滅多に巡り会うことが難しいのですが、媒体の機会学習により「この広告文は良い」と判断され、ユーザー検索語句(クエリ)とマッチすると、表示回数⇒クリック数⇒コンバージョン率が爆発的に増えるという好サイクルが生まれます。
この「広告文のユニコーン」については、アメリカで有名なマーケターであるLarry Kim氏が提唱しており、詳しくはアユダンテ株式会社様の「ユニコーンを探せ:クリック率を平均の3倍にする秘訣」の記事で解説されています。
>>>参考 ユニコーンを探せ:クリック率を平均の3倍にする秘訣
頭がおかしくなるくらいに何度も何度も、そのパフォーマンスの優れた広告グループの中で100個の広告をテストしよう。
100パターン試して巡り会えるかどうかの広告文。
まさに「ユニコーン」な広告文ですね。
効果的な広告文「ユニコーン」を見つける方法
広告文のクリック率を高めるための基本的なテクニックはあるものの、「ユニコーン」と呼ばれる爆発的な広告文に巡りあうためには、『多くの広告文のパターンを作成して試す』しかありません。
多くの広告文をテストするための方法を記載します。
広告文のABテストを実施しやすいアカウント構造で運用する
100パターンの広告文をテストする場合、1週間に1パターンの広告文を作成しても2年弱はかかってしまいます。
広告文のABテストを行うためには、作成した広告文を入稿する作業が必ず発生します。
その際、リスティング広告のアカウント構造が複雑な場合(例えば「1広告グループ1キーワード」といったアカント構造)、広告文の追加や修正の作業負荷がとても大きくなってしまいます。
私もリスティング広告の講師業を行っているため、広告代理店や事業者が運用するリスティング広告アカウントを見させていただくことも多いのですが、アカウント構造が複雑なために広告文のABテストを行っていない案件も見かけます。
広告文のABテストなど、広告運用を効率化するアカウント構造の考え方に「hagakure」という考え方があります。
「hagakure」とはGoogleが推奨するアカウント構造や広告運用の考え方で、「hagakure」を上手く活用することで、広告文のABテストを効率良く行うことができ、広告文の成果も出やすくなります。
「hagakure」は広告文のABテストの運用負荷を軽減するだけではなく、「データドリブン」や「機械学習の活用」など、最新のアドテクノロジーを活用してリスティング広告の成果を上げていくという考え方でもあります。
「hagakure」について興味のある方は、「hagakure(ハガクレ)構造」とは?リスティング広告のアカウント設計をご覧ください。
どの検索語句(検索クエリ)に広告文が反応したかを確認する
リスティング広告(特にGoogleアドワーズ)は、広告文によって反応する検索語句(検索クエリ)が変わります。
>>>関連記事:「【AdWords】広告文で検索クエリが変わる?SEMカフェで学んだ3つのポイントを検証」
そのため、クリック率が高い広告文は「どのような検索語句(検索クエリ)でクリックされているのか?」を分析することが重要になります。
検索語句(検索クエリ)の傾向を読み取ることで、クリック率が高まる広告文を作成するヒントとなります。
広告文と検索語句(検索クエリ)の反応は、Googleアドワーズの管理画面から確認することができます。
色々な人と協力して広告文を考える
100パターンの広告文を作成しようとすると、1人で考えるく広告文の訴求アイデアにも限界があります。
広告文を作成するときは、色々な人と協力してアイデアを出し合うようにしましょう。
広告運用のフリーランスとして活動している私の場合は、お客様(事業側の担当者)とアイデアを出し合って広告文を考えています。
また、私の奥さんにも広告文のアイデアを出しに協力して貰うこともあります。
リスティング広告の運用に慣れ過ぎている人が広告文を作ると、良くも悪くも「成果が出るポイントを抑えた広告文」を作成します。
しかし、ユニコーンと呼ばれる高いクリック率の広告文は、大胆な発想や訴求で作成して他社の広告とはガラリと変えることが必要な場合もあります。
リスティング広告に詳しくない人の方が、既成概念にとらわれない大胆な広告文を作成しやすいです。
広告文100パターンを試すため、ぜひ色々な人たちと協力して広告文を作成してください。
具体的な広告文の作成例:33パターンを紹介
1つのサービスで100パターンもの広告文を作成することは、なかなか難しいかと思います。
そこで今回、商材を「リスティング広告の運用代行」として、訴求パターン別に33本の広告文案を作ってみました。
成果が出るかどうかは「完全非保証」ですが、1つでも多くの広告文パターンをテストするための参考にしてみてください。
価格を訴求した広告文
ユーザーがサービスや商品を選ぶときに気になることは「費用」です。
費用を具体的な数字や高級感で訴求してクリック率を高めます。
広告文パターン1:低価格訴求
他社と比較して、価格の安さに強みがある場合に有効な広告文の訴求パターンです。
広告文パターン2:割引訴求
「○○%オフ」などの割引訴求によって、お得感を伝えるパターンです。
広告文パターン3:プレミアム訴求
他社と比較して価格が高い場合、その理由を高級感や高品質につなげて訴求するパターンです。
限定を訴求した広告文
商品数、期間、対象者などを限定することで、ユーザーに「今、購入しなければ」という購買行動を促す訴求です。
広告文パターン4:数量限定訴求
セール品などのキャンペーン対象が数量限定であることを訴求します。
広告文パターン5:期間限定訴求
キャンペーンが期間限定であることを訴求します。
広告文パターン6:地域限定訴求
特定の地域に対して限定で行っているサービスであることを明示します。
広告文パターン7:販売チャネル限定訴求
「ECサイト限定」や「販売店限定」など、販売チャネルに合わせて限定していることを訴求します。
実績を訴求した広告文
過去の実績や導入事例などを記載し、ユーザーに安心感を与えます。
また、企業名やサービス名自体に認知度がある場合、ブランドそのものを訴求して安心感を与えます。
広告文パターン8:実績訴求
実績を具体的な数値で表し、他社との差別化を図ります。
広告文パターン9:年数訴求
事業の年数を訴求することで、老舗感を訴求します。
↑嘘ですから、念のため。
広告文パターン10:ブランド訴求
サイト名や企業名のブランド力に「公式」を付け加えて安心感を訴求する。
サービスの特徴を訴求した広告文
自社のサービス内容を他社と比較し、優位性のあるポイントに絞って訴求してきます。
広告文パターン11:保障訴求
保証やアフターサービスなどの特徴を訴求する。
広告文パターン12:希少性訴求
サービスの希少性をアピールする。
広告文パターン13:お手軽感訴求
サービスの利便性の良さをアピールする。
広告文パターン14:詳細説明訴求
サービス内容の詳細を丁寧に説明して関心を高める。
広告文パターン15:特典訴求
お申込みや購入時の特典を訴求する。
広告文パターン16:品揃え訴求
ラインナップの充実や情報の網羅性をアピールする。
広告文パターン17:オリジナルサービス訴求
自社でしか行っていないサービスや、自社独自のノウハウを訴求する。
広告文パターン18:ニッチ訴求
市場は大きくないが、セグメントを絞った特定のターゲットに対して訴求する。
広告文パターン19:コンバージョン誘導訴求
「web見積」や「メルマガ登録」など、ハードルを下げたコンバージョンポイントを用意して誘導する。
情報を訴求した広告文
市場の傾向や口コミなどの情報を広告文に入れて注意喚起を行います。
広告文パターン20:データ訴求
アンケートや統計調査などのデータを活用して興味を促す。
広告文パターン21:口コミ訴求
世間での評判や口コミ数を表記して、注意喚起を促します。
広告文パターン22:権威付け訴求
有名人が利用している、著名人が推奨しているなどで信頼感を上げる。
広告文パターン23:提案訴求
「こんな利用方法がありますよ」と、あまり認知されていない新しい提案を行う。
課題解決型(ソリューション型)の広告文
自社の商品やサービスを使うと、どんな悩みや問題が解決できるかを訴求する広告文です。
広告文パターン24:精神的ソリューション訴求
「モチベーションアップ」や「新しい自分に変わる」など、精神面の変化について訴求します。
抽象的な訴求になりやすいですが、試しに作ってみました。
広告文パターン25:肉体的ソリューション訴求
「疲れ」や「スキンケア」など、身体に現れる課題について訴求します。
商材やサービスによっては、薬事法に触れないか注意が必要です。
お題の「リスティング広告」に合わせて無理やり作った感が半端ないです。
本来は「お肌のクスミが気になる…そんなあなたに○○○」みたいな広告文です。
広告文パターン26:経済的ソリューション訴求
「コスト削減」やなど、お金に関する課題解決について訴求します。
広告文パターン27:時間的ソリューション訴求
「スピードアップ」やなど、時間に関する課題解決について訴求します。
広告文パターン28:経営ソリューション訴求
企業が抱える経営課題について訴求します。
広告文パターン29:人生ソリューション訴求
「就職」「結婚」など、人生に関わる問題解決について訴求します。
↑無理やり作りました。。。
本来は結婚とか転職とかの広告にハマるパターンの訴求です。
イメージ訴求系の広告文
商品やサービスの具体的な特徴や優位性ではなく、表現で興味を引き付けるパターンです。
広告文パターン30:感情訴求
広告文に感情を込めて興味を引きます。
広告文パターン31:パクリ訴求
どこかで見たことがあるような広告文で興味を引きます。
広告文パターン32:擬人化表現訴求
擬人化表現を使ってクリエイティブの印象を高めます。
広告文パターン33:方言訴求
地域に合わせた方言を使ってクリエイティブの印象を高めます。
リスティング広告の「広告文」について思うこと
リスティング広告はまさしく”広告”ですので、成果の良し悪しも”広告”で決まります。
またリスティング広告のオークションの仕組みからも、”広告”の重要度が最も高いです。
しかし、広告文の作成を疎かにしている広告代理店やリスティング広告運用者を多く見かけます。
世の中には運用開始から一度も広告文を変えていないアカウントも多く存在すると思います。
これは、ひと昔前までは「リスティング広告運用=入札額の調整」と考えられていて、広告文に掛ける工数が後回しにされていた『負の遺産』です。
現在は機械学習が進化しており「入札額の調整=AIの仕事」とシフトしています。
そのため、これからのリスティング広告運用(人間)に求められるものは、「検索ユーザーの想いをくみ取った広告文の作成」に代わっていきます。(もちろんそれだけでは無いですが、少なくとも「運用=入札調整」の時代ではなくなりました)
広告文の作成は「決められた文字数の中でどのような表現をするか」、まるで俳句を作るかのように楽しい部分もあります。
俳句の世界には「多作多捨(たさくたしゃ)」という言葉があります。
『とにかく沢山の俳句を作って磨き上げることで、素敵な俳句に巡り会える。』という考えです。
(にわかの知識ですが、元々「多作多捨」は正岡子規が提唱した考えで、子規は生涯に23,000以上の俳句を詠んだそうです。)
リスティング広告の世界でもユニコーンを見つけるノウハウとして「多作多捨」の考えが広まるといいなと思っています。
私自身も「多作多捨」でリスティング広告のユニコーン探し続けていきます。