SEMohenro茶屋のロゴ

今年2018年は、リスティング広告の業界でも大きな変化がありました。

一番インパクトが大きかったのが「AdWords」の名称が「Google広告」に変わったこと。

リスティング広告の機能面でも、Google広告は「レスポンシブ検索広告」が登場したり、Yahooスポンサードサーチでも「動的検索広告」ができるようになったり、様々な機能がリリースされました。

また大手の広告代理店でも代表が変わったり、業務提携が発表されたりなど、業界再編の流れを感じさせる出来事もありました。

そんな変化の激しいリスティング広告業界の中、『リスティング広告にとことん向き合う!』というハードボイルドな趣旨で開催されたイベント、「SEMohenro茶屋 Vol.1」に参加してきました。

リスティング広告の仕事に携わる1人として、今後の働き方についてヒントを与えてくれたイベントでした。

ただ、開催された場所が愛媛県ということもあり、興味はあってもなかなか参加できなかった方も多いはず。

そんな方に「SEMohenro茶屋 Vol.1」の魅力が伝わればいいなと思い、実際に参加してみた感想をまとめます。



リスティング広告従事者のためのSEMコミュニティ「SEMohenro茶屋」

「SEMohenro茶屋」は、愛媛県に本社がある株式会社 Shiftさんが立ち上げた、四国発のSEMコミュニティです。

コミュニティの趣旨を抜粋します。

東京、大阪に行けばSEMに関わるセミナーは、数えきれないほどありますが四国はまだまだ発展途上です。

四国のプレーヤー全てが直接TOPプレーヤーの、声を聞ける機会を得られるわけではありません。

プレーヤー同士が情報交換する場も多くありません。

WEB広告の世界は、働く場所も形態も関係なく日本中、世界中へ広がっています。

その広がりを体験できる。その体験から楽しみがもっと広がる。

SEMohenro茶屋はそれらが実現できる場所になることを理想としています。

引用元:http://shift-web.co.jp/semohenro/

東京ではGoogleやYahoo、広告代理店が主催するセミナーや、アナリティクスアソシエーション (a2i)の勉強会などが頻繁に開催させているので、フリーランスの私でも「情報が少なくて困る」と感じことはあまりないです。

ただ、地方で活動されているフリーランスの方にお話しを聞くと、『情報が少ない』や『交流できるSEM運用者がいない』といった声が多いです。

なので『地方(四国)からSEMを盛り上げたい』という活動は、とても素敵な活動だと思います。



今回参加したリスティング広告イベント「SEMohenro茶屋 Vol.1」

「SEMohenro茶屋」第一回目のイベントとして、2018年11月22日に

『SEMohenro茶屋 Vol.1 018年もそろそろ終わるところで飲み食いしながらリスティング広告にとことん向き合う at 道後温泉 ふなや』

が開催されました。

SEMohenro茶屋のLP

会場は「道後温泉 ふなや」という歴史ある温泉旅館。

イベント内容は、まず東京でも聞くことができないようなセミナーが3本。

SEMohenro茶屋のセミナー

豪華すぎるメンバーによるパネルディスカッション。

SEMohenro茶屋のパネルディスカッション

さらには「ユニコーン・ハンター甲子園」なる、リスティング広告の”広告文”を競うというマニアックすぎる大会も実施されました。

SEMohenroのユニコーン・ハンター甲子園

ここから先は、『SEMohenro茶屋 Vol.1』当日の話を書いていきますが、このイベントは有料でもあり、またセミナー内容を断片的に書くと登壇者の意図とは違うことを伝えてしまいますので、セミナー内容は割愛して、あくまでも私個人の感想を中心に書いていきます。



Yahooだって自動入札は効果的!「Yahoo!スポンサードサーチでも成果を上げる、最適化との向き合い方」

株式会社Shiftの清家さんに登壇いただき、Yahoo!スポンサードサーチでも、アカウント構造や設定を上手く行えば、自動入札(コンバージョン単価の目標値)で成果が上がるということを、事例を紹介しながら解説いただいた内容でした。

感想としては、まずYahoo!スポンサードサーチでも、データ集約型のシンプルなアカウント構造、もうちょっと言うと「狙う検索クエリに対して、狙った広告文をスムーズに表示できるアカウント構造」が大切だなと。Google広告の「hagakure」や「GORIN」と同じ考え方なのかなと。

ただ最近は、色々な業者が「hagakure」という言葉を営業トークとして使うようになってきて、なにか言葉だけが一人歩きしている感もあり、私はもうお客さんに対して「hagakure」って言葉を使うことを避けるようになりました。

あと、実際に自分が運用するYahoo!スポンサードサーチのアカウントは3案件あり、その中で自動入札(コンバージョン単価の目標値)を利用しているのは、1アカウントでした。

残りの2アカウントは手動入札(拡張クリック単価)で運用中。

私個人のYahoo!スポンサードサーチで自動入札(コンバージョン単価の目標値)を使うか否かの判断基準の一つに、「部分一致キーワードを使った方が良い案件か」があります。

もちろん自動入札(コンバージョン単価の目標値)で成果が出れば、どの案件でも使うのですが、Yahoo!スポンサードサーチは部分一致キーワードで拾う検索クエリが広い傾向があり、部分一致キーワードを設定した案件で自動入札(コンバージョン単価の目標値)を使うと、意図しない検索クエリに反応しすぎてしまうことが多いです。
※あくまでも私が運用しているアカウントでのケースです。

Yahoo!スポンサードサーチで自動入札(コンバージョン単価の目標値)を使っている案件は、絞り込み部分一致キーワードを中心に構成して、あまり検索クエリがぶれないように設計した案件(ある程度、コンバージョンが取れる検索クエリが決まっている単一商材のような案件)です。

ただ、Yahoo!スポンサードサーチのAIも日々進化していくと思うので、自動入札(コンバージョン単価の目標値)が上手くいかなかった案件でも、定期的に試していくことが大切だなと感じました。

※余談※
イベントの中で、司会者が参加者に「GooglとYahooの力のかけ具合」を聞く場面がありました。

私はそのとき「Google=9:Yahoo:1」と答えてしまいましたが、東京に戻ってからアカウントを確認すると、実際はYahooにも力を注いでいました。

三度の飯よりYahooが大好きです!

まぁそれでも「Google=7:Yahoo:3」ですが…。



”無常”だからこの仕事は楽しい!「AdWords(現Goole広告)に大切なことを学んだ私たちはどう生きるか」

アユダンテ株式会社の寳さんに登壇いただき、AdWords(現Goole広告)の変化とともに、広告運用がどう変わったかを様々な“言葉”で紹介いただいた内容でした。

セミナー内容はあえて詳しく書きませんが、印象に残った“言葉”は『広告運用の仕事の根本は投資である』です。

また、セミナーで紹介いただいたスライドの「ブロック式広告文ワークシート」は、便利だなと思いましたので紹介させていただきます。

私の場合はお客さんと一緒に広告文を作ることが多いので、『広告文をたくさん作りましょう』よりも『訴求ポイントをたくさん作りましょう(集めましょう)』という形で進めた方が、よりお客さんと一緒に広告文を作りやすいなと思いました。

この方式は取り入れさせていただきます。

あと、寳さんの話は聞きやすくて話し方も上手です。

私も研修講師のお仕事をさせてもらっているので、寳さんのような「聞きやすく分かりやすく優しい話し方」を真似したいです。



広告運用経験って大きな武器だよね!「広告代理店の仕事はなくなるかもって言われるけどじゃあどうしたらいいのよ(仮)」

SEMカフェの小西さんに登壇いただき、広告運用の自動化が進む中で、これから先のリスティング広告運用者の働き方(求められるスキル)について、事例やヒントをいただけた内容でした。

ウェブマーケティングの仕事をしている人の中には

・リスティング広告の運用はできるけど、Googleアナリティクスは操作したことがない。

・リマーケティングの条件設定はできるけど、Googleタグマネージャーは設定したことがない。

・Googleアナリティクスは使えるけど、サーチコンソールは見たことがない。

という方も多いのではないでしょうか。

特に代理店によっては分業制が進んでいるので、特定の1つの分野に特化してスキルを身に着けるケースが多いと思います。

リスティング広告運用者の場合、広告の管理画面を見ているだけでは、成果を上げられないケースが増えてきています。

そもそもコンバージョン率を上げるためには、リンク先のLPやホームページの改善が必要となりますし、広告自体にもホームページの情報が利用される「動的検索広告」もありますので、Googleアナリティクスを活用できた方が施策の幅が広がります。

また、自動入札のAIが上手く動くためには、コンバージョンの計測方法を工夫する必要があるので、Googleタグマネージャーの活用も必要になってきています。

そんな中で、小西さんが提唱してくれたリスティング広告運用者の働き方は

『「広告運用が出来る」というスキルを軸に活かして、別のスキル(GoogleアナリティクスやGoogleデータポータル)も活用して、企業を助ける職業』

というものでした。(私の解釈です)

「リスティング広告運用者として、コスト意識を持ったアクセス解析をする」や「Googleデータポータルを使って、現場も経営者にも分かりやすいレポートを作る」など。

特に「Googleアナリティク」や「Googleタグマネージャー」「Googleデータポータル」「Googleオプティマイズ」など、Googleのサービスは無料で利用できるものが多いので、気軽に覚えることが可能です。

とは言え、広告代理店で働くリスティング広告運用者の中には

『自分は運用専門の担当者で、所属する会社の案件でもGoogleアナリティクスやタグマネージャーを扱っていないから、なかなか覚える機会がない…』

と困る方もいると思います。

セミナーの中で小西さんは

『1年ほど前にフリーランスになったSEM運用者が「SEM運用者は独自ドメインとレンサバを契約して、WordPressでサイトを作ってみるといい。GoogleアナリティクやGoogleタグマネージャー、SEOなど、SEM運用以外のことを勉強できる。」と言っていた。』

とお話ししていました。

私もフリーランスになってから、お金もなかったので自分でWordPress(ワードプレス)を使ってホームページを作るようになり、それでやっとGoogleアナリティクやサーチコンソールなどの操作方法や、『どんなブログを書くとアクセス数が増えるんだろう?』という感じでSEOを覚えました。

「WordPress(ワードプレス)でホームページを作る」って、なかなか難しそうに思えますが、ウェブ制作のことを1ミリも知らなかった私でも1週間で作成できましたので、ぜひリスティング広告運用者の方は、「WordPress(ワードプレス)でホームページを作る」に挑戦して欲しいです。

>>>関連記事:リスティング広告運用者はスキルアップのために「WordPress(ワードプレス)ブログ」を作ろう

ちなみにフリーランスの私は、広告運用代行を請け負うときは、お客様から「Googleアナリティク」「Googleタグマネージャー」「サーチコンソール」の操作権限を貰うことを必須にしていて、お客様とのミーティングで話す内容も「広告運用:3、GAやサーチコンソールなどサイト周りの話:3、雑談:4」といった感じです。



オフレコ発言がいっぱい!パネルディスカッション「広告運用者の今後あるべき姿って?」

パネルディスカッションは主催者から「オフレコ発言もあるので、内容をSNS等で公開してはダメ」とアナウンスがありましたので、何も書きません!

ただ個人的な感想としては、急遽パネルディスカッションに参加された、カルテットコミュニケーションズの堤さんのお話を聞けて良かったです。

私はリスティング広告運用代理店時代、多いときは100アカウントほど運用していて、深夜まで働いたり土日も出勤したりして、最終的には体調も崩してしまいました。

そんな経験があるため、1人の運用者が複数の案件を運用する代理店は、あまり好きではありませんでした。

ただ、カルテットコミュニケーションズさんは、広告運用の自動化で工数が減ったからこそ、小さな予算でしか広告が出せない事業主の受け皿としてサービス提供していて、また広告運用スタッフも労働時間を抑えて働いている。(そのための工夫や努力をしている。)

「リスティング広告運用+α」で深掘りしたサービスを提供する代理店と、「リスティング広告運用のみ」で小予算でもリスティング広告を出せる代理店。

どっちの代理店が良いか悪いかではなくて、『どっちも世の中に必要とされているサービスだよね』と、自分自身の考え方を改めるきっかけになったパネルディスカッションでした。



めちゃくちゃ盛り上がった!「ユニコーン・ハンター甲子園」

このイベントはまずお題として架空のサービスが発表され、その広告文を各チーム20分で作成するという企画。

イベントに参加する前は『実際のところ、こんなマニアックなイベントって盛り上がるのかな?』と思っていましたが、「スーパーボール」や「1.4東京ドーム」と同じぐらい盛り上がりました。

お題の1つ目は「松山城の天守閣に泊まれるサービス」

各チームの作成した広告文はこんな感じです。

お題の2つ目は「風邪の症状を再現できる“玉ねぎのチカラ”」

各チームの作成した広告文はこんな感じです。

何が凄いって各チームが「ターゲット分析~広告文作成」を20分で行ったこと!ほんとに凄い。

参加者も観客(オーディエンス)も、全員がリスティング広告大好き人間なので、各広告文が発表されるごとに『おー!』という歓声が。

会場の熱気を感じながら、改めて『リスティング広告って、運用者の魂が宿るサービスだよね』と再認識しました。

体感してみて分かること!「ユニコーン・ハンター甲子園」のお題だった「高松城の天守閣」に行ってみた

イベントの翌日に、「ユニコーン・ハンター甲子園」のお題の1つだった「松山城の天守閣」に行ってきました。

ほんとは単なる『観光』です。

「ユニコーン・ハンター甲子園」では、「松山城の天守閣の宿泊」の広告文ついて色々な意見が出てきました。

ただ、実際に「松山城の天守閣」に来てみると、

『天守閣って17:30までしか入れないから、ここから夜景を見た人って関係者以外いないよな。ここにたった数万円で泊まれることって、実はかなりお得な体験じゃね?』

『天守閣までの階段って急で上り下りが大変だから、高齢者には難しいかな』

『天守閣って窓がないから意外と寒いな。トイレも遠いよな』

『城内に甲冑とかあるから、夜中は怖いよね。でも怖いもの好きにはたまらないかも』

などなど、色々と思い浮かべることが出てきました。

リスティング広告の広告文は、クリック率を高めるテクニックや、よくある訴パターンなどを駆使すれば一定のものを作成できます。

ただ、実際に商品を使って分かること、サービスを知ってこそ発想できることもあるので、広告文は商品理解が大切ですね。

あと広告文は1人で作るよりも皆で作った方が楽しい。

これからもお客さんを巻き込んで広告文を一緒に作っていくスタイルでやっていきます。



「SEMohenro茶屋 Vol.1」を通して学んだこと。そしてSEM従事者として、自分が今後やるべきこと

「SEMohenro茶屋」に限った話ではないですが、セミナーや交流会で業界のトッププレイヤーの方達とお話しをする度に『自分はまだまだ勉強不足だな』と感じます。

引き続きリスティング広告運用以外のスキルも身に着けるための学習をし、「知っている」と「やっている」は違うので、実際に施策を試してみて、役に立ちそうなことはブログで公開を続けていこうと思います。

また、フリーランスになる前は、事業者側のマーケティング担当者だったので、リスティング広告は1つの集客手段って考えを今でも持っています。

そもそも私自身が、自分のお問い合わせ獲得にリスティング広告を一度も使っていないですからね。

・リスティング広告の管理画面だけの話はしない。

・リスティング広告よりも別の施策が有効なお客さんには、それをアドバイスする。

これを継続していきます。



最後に

「SEMohenro茶屋」を主催された、株式会社Shiftの「Kumenoポリアンナさん(@ramapple840)」が、イベント開催の経緯や感想についてnoteを公開しています。

第2回の「SEMohenro茶屋」を開催していただけることを楽しみにしています。

最後に「SEMohenro茶屋」参加者の集合写真。

semohenro茶屋の集合写真



19年11月追記:2020年2月8日に「SEMohenro茶屋 Vol.2」が開催されます

なんとも豪華なパネラー陣ですね。

「ユニコーン・ハンター甲子園」も開催されます。

楽しみですね。!

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