ウェブ広告運用で起きやすい「勘違い」や「ミステイク」のネタをツイートした「#100日以内に死ぬ広告運用者」シリーズ。
間違いネタを順番に解説していくブログの第9回目です。
今回は41日目から45日目までのネタを解説していきます!
※「#100日以内に死ぬ広告運用者」は、48日目までは「DAN爵さん(@NYUSQUARE)」というフリーランスが考えたネタ、49日目以降は私「アミジャット田島佑哉」が考えたネタです。
Web広告(リスティング広告)運用の基本的な仕組みや考え方について知りたい方は、別ブログ「リスティング広告とは?リスティング広告の仕組みをわかりやすく解説」をご覧ください。
目次
【41日目のネタ】検索広告の除外キーワード設定は「マッチタイプ」に注意
100日以内に死ぬ広告運用者 41日目
「除外キーワード設定か、よーし、全部絞り込み部分一致で登録しておこう!」
死まで59日— DAN爵🐿広告運用&WEB集客屋🦈道民 (@NYUSQUARE) March 1, 2020
指摘ポイントは
『検索広告に除外キーワードを設定するときは、キーワードの「マッチタイプ」に気を付けましょう』
です。
「絞り込み部分一致」という言葉、懐かしいですね。
昔は「絞り込み部分一致」というキーワードのマッチタイプがあったんですよ。(キーワードの頭に+が付いているアレです)
このネタでは、除外キーワード設定を「絞り込み部分一致」で行おうとして、おそらく当時は
『除外キーワード設定に「絞り込み部分一致」は利用できない』
だったのかなと。(今はもう設定できないマッチタイプなので、仕様の確認ができず…)
さて、除外キーワード設定のマッチタイプについての注意ポイントですが、「広告掲載するためのキーワードと除外キーワードでは、マッチタイプの仕様(対象となる検索語句)が異なる」です。
検索キャンペーンでは、部分一致、完全一致、フレーズ一致の除外キーワードを使用できますが、除外キーワードのマッチタイプの機能は、通常のキーワードのマッチタイプとは異なります。主な違いは、類義語、単語の単数形や複数形、表記のゆれや誤字などの関連パターンも除外の対象に追加する必要があることです。
例えば、検索広告を表示するために「アミジャット」を完全一致キーワードで登録した場合、広告表示の対象となる検索語句は
・アミジャット
・あみじゃっと
・amijat
と、ひらがな入力やローマ字入力の場合でも対象となります。
ところが、除外キーワードとして「アミジャット」を完全一致キーワードで登録した場合、広告表示の除外対象となる検索語句は
・アミジャット
のみとなります。
・あみじゃっと
・amijat
で検索した場合は広告が表示されます。
『最近、「アミジャット」だと勘違いして電話がかかってくるから、「アミジャット」で検索されたときは広告を表示したくない』
という場合は、
・アミジャット
・あみじゃっと
・amijat
の3パターンを除外キーワード設定する必要があります。
今回は「完全一致キーワード」の違いだけを説明しましたが、「部分一致キーワード」や「フレーズ一致キーワード」も、通常のマッチタイプと除外キーワードとしてのマッチタイプでは仕様が異なります。
除外キーワードについて - Google 広告 ヘルプhttps://t.co/frIfvprH1Z
除外設定キーワード時の「部分一致」と「フレーズ一致」。登録キーワードのトークンによっては、除外対象の検索語句が変わるんですね。 pic.twitter.com/tKiS0imIDl
— アミジャット田島佑哉🍊🦅Web広告(リスティング広告)運用が得意なフリーランス (@amijat_work) September 1, 2021
除外キーワードを設定するときは、マッチタイプの仕様の違いにご注意ください。
【42日目のネタ】ウェブ広告の設定変更作業に着手したら中断しない
100日以内に死ぬ広告運用者 42日目
「アカウントの引継ぎ。
ディスプレイ広告、全然配信されてない。広告グループ、オーディエンスと…
やたら厳しい条件の設定だけ入っているな。とりあえず削除してと。どんなターゲティングにするかな~。あ、やべ、商談まで時間ない、早く出なきゃ」
死まで58日— DAN爵🐿広告運用&WEB集客屋🦈道民 (@NYUSQUARE) March 2, 2020
指摘ポイントは
『ウェブ広告の設定変更作業に着手したら中断しない』
です。
ウェブ広告運用で起きるミスの原因は
1、広告運用者の知識不足(仕様を把握していない)
2、広告運用者の注意力不足(うっかりミス、またはキャパオーバー)
の2種類に分かれ、今回のネタは「2、広告運用者の注意不足」の方ですね。
『ミスしないように気を付けます!押忍!』
の意気込みだけでは解決しないので、「ミスを最小限に抑える仕事の進め方」を覚えることが大切です。
今回のネタでミスをしてしまった運用者に、もしアドバイスをするならこの4つですね。
1:この後に商談の予定が入っていることが分かっている
商談までに「管理画面を操作できる時間」は逆算できるので、その時間内で完結する作業を行う。
2:設定内容(今回ならターゲティング)を考えずに「削除」の操作を行ってしまった
事前に設定する内容を考えておけば、管理画面の操作自体は短時間でもできる。
3:配信設定が「オン」のまま設定変更を行ってしまった
キャンペーンや広告グループを「オフ」にしてから設定変更をすれば誤配信を防げる。
4:タスクとして「設定変更の確認」が抜けていた
「設定変更」と「設定変更の確認」はセットで行う。
可能なら「設定変更の確認」は別の人にチェックをしてもらい、自分で確認する場合は「確認方法」を工夫する。
<例>
⇒設定内容をCSVデータでダウンロードしてチェックする
⇒設定確認は次の日の朝イチに行う
など
『1インプレッションが「己の血の1滴」だと思え!』
とまでは言いませんが、我々はお客様のお金をお預かりしているお仕事だということは忘れないでください。
【43日目のネタ】サンクスページが無いLPでも、Googleタグマネージャーを使うとCV計測できる場合がある
100日以内に死ぬ広告運用者 43日目
「よし、新規案件を獲得。
それではこのコンバージョンタグをサンクスページに導入してください。え?サンクスページ無いんですか、それだと成果測定は残念ながらできませんねー」
死まで57日— DAN爵🐿広告運用&WEB集客屋🦈道民 (@NYUSQUARE) March 3, 2020
指摘ポイントは
『サンクスページが無くても、Googleタグマネージャーを活用するとCV計測ができる場合もある』
です。
「できる場合もある」という書き方にしているのは、条件によっては計測できない場合もあるかもしれないので、“保険を掛けました!”
よくあるケースですと、WordPressのプラグイン「contact form 7」を使って、お問合せフォームを作ったページですね。
ちなみに今見ていただいているアミジャットのホームページも、お問合せフォームに「contact form 7」を使っています。
「contact form 7」はデフォルト設定ですと、お問合せの送信ボタンを押すと、URLは変わらずに『送信しました』の表示が出る仕組みです。
URLが変わらない(サンクスページが無い)ので、「コンバージョン計測タグをサンクスページに設置する」はできません。
そこで、Googleタグマネージャーを活用すると「お問合せをしたということが判別できる条件(トリガー)に対して、コンバージョン計測タグを発火させる」という設定が可能なので、サンクスページが無い場合でもコンバージョン計測が可能です。
私が「contact form 7」のコンバージョン計測を設定する場合は、こんな感じでGoogleタグマネージャーのトリガー設定を行っています。
「contact form 7」に限らず、お問合せ送信後のサンクスページが無くても「お問合せが送信された」と判別できる条件が分かれば、Googleタグマネージャーを活用してコンバージョン計測が可能です。
【44日目のネタ】Google広告の審査状況は「ポリシーの詳細」で確認しましょう
100日以内に死ぬ広告運用者 44日目
「来月から開始の広告、審査終わったかな?
配信オフだから、審査結果が分からないな。 よし、オンにしよう。あれ、一部のが審査落ちしてんな。なんでだろ、とりあえずグーグルサポートに連絡だ。電話繋がらないなー」
死まで56日— DAN爵🐿広告運用&WEB集客屋🦈道民 (@NYUSQUARE) March 4, 2020
指摘ポイントは、
『Google広告の審査状況は「ポリシーの詳細」で確認しましょう』
です。
配信中の広告なら「ステータス」の項目で「有効」など審査状況を確認できますが、配信していない広告の場合は「一時停止中」や「キャンペーン保留中」といった文言が表示され、審査が完了しているかどうか表示されません。
「ステータス」の表示内容を確認したいがために、配信設定をオンにしてしまうと、そのまま広告が誤配信されてしまう可能性が高いです。
そもそもの部分で、広告の審査状況は「ポリシーの詳細」という項目で確認しましょう。
なお「ポリシーの詳細」という項目は、デフォルトでは表示されていない項目ですので、管理画面の「表示項目の変更」の中にある「属性」から選択して表示しましょう。
このネタの解説はサクッと終わります。
【45日目のネタ】何のために「マイクロコンバージョン」を使うのか考えてみましょう
100日以内に死ぬ広告運用者 45日目
「マイクロコンバージョンですか?広告管理画面がコンバージョンだらけになるのでお勧めいたしません。
本当の問合せのコンバージョンと、マイクロコンバージョンが区別できなくなるので、なんのキーワードが成果だしたのかが分からなくなるんですよ!」
死まで55日— DAN爵🐿広告運用&WEB集客屋🦈道民 (@NYUSQUARE) March 5, 2020
指摘ポイントは
『マイクロコンバージョンを設定する理由(または、設定しない方が良い理由)を、「成果につながるか?」の観点から、自分の考えをきちんと説明できるようにしましょう』
です。(長いですね)
「管理画面に表示されるコンバージョンの種類が増えると、運用が煩雑になってしまう」
という理由も分からなくはないですが、それだけの理由だと
『コンバージョンを「ウェブ問い合わせ」「資料ダウンロード」「電話」と複数計測することはできないのですか?』
と突っ込まれそうですよね。
ちなみにGoogle 広告で「管理画面上でコンバージョンを種類で分けて確認したい」という場合は、「カスタム指標」という機能を活用すると便利です。
※最近では、YDAでも「カスタム指標」の機能が使えるというリリースがありましたね。
マイクロコンバージョンを設定しない理由の例としては
『今のコンバージョン数で自動入札は順調に動いています。ここに余計なコンバージョンデータ(マイクロコンバージョン)は追加してしまうと、「コンバージョンしていないユーザーのシグナル」も考慮して自動入札が動いてしまうので、成果が悪化する可能性の方が高いです。』
とかですかね。
まぁ、マイクロコンバージョンを設定して上手くいくかどうかは、試してみないと分からない部分もあるので、Google 広告であれば
『一度、「テスト機能」を使って試してみましょうか?』
という提案をしてもいいかもしれませんね。
個人的に、マイクロコンバージョンを設定した方が良いかどうかは
・本コンバージョンの件数
・本コンバージョンのCPA
・本コンバージョンと関連性が高い行動があり、それを計測することができる
・マイクロコンバージョンを設定した時のアカウント全体のCVR
など、考慮すべきことが多くあります。
また、コンバージョン毎に「値」を付けて運用するスマート自動入札(「コンバージョン値を最大化」「目標費用対効果」)もあるので、どのパターンなら上手くいくかは、
『色々と試してみて見つける』
という感じです。
マイクロコンバージョンを設定したほうが良いかどうかは、ほんとに「ケースバイケース」です。
「#100日以内に死ぬ広告運用者」41日目~45日目のまとめ
元ネタのツイートは2020年のものですが、たった2年で「絞り込み部分一致」が無くなっているとか、仕様のアップデートスピードが速いですね…。
先日、廃止になった「拡張テキスト広告」も“レガシー”になるんでしょうね。
まぁ、“レガシー”って言葉を使いたかっただけですが。
次回の「#100日以内に死ぬ広告運用者」の解説は、46日目以降から私が投稿したネタが登場してきますので、引き続きシャカリキに更新していきます。
シャカリキコロンブス!