Excelの関数をいじっちゃえ
このブログで分かること
  • Excel関数のエラーを手動で修正する危険性と、その対処法
  • 「Google広告コミュニティ」と「Google広告ヘルプ窓口」の使い分けの重要性
  • レポート作成時の「現状報告」だけでなく、今後の施策提案の必要性

X(旧Twitter)で100日間、「Web広告運用の失敗事例」を投稿した「#100日以内に死ぬ広告運用者」シリーズ。

投稿したネタに対して『どこが間違いなのか分からない…』という声も多かったので、それぞれのネタの間違いポイントを解説していきます。

「#100日以内に死ぬ広告運用者」は、48日目までは「DAN爵さん(@NYUSQUARE)」というフリーランスが考えたネタ、49日目以降は私「アミジャット田島佑哉」が考えたネタです。

 

Web広告(リスティング広告)運用の基本的な仕組みや考え方について知りたい方は、別ブログ「リスティング広告とは?リスティング広告の仕組みをわかりやすく解説」をご覧ください。
リスティング広告とは

 



【6日目の間違いネタ】Excel(スプレッドシート)の関数のエラーを手打ちで修正してしまう

このネタはTwitterの文字数制限もあり、情景説明が不十分のため、私自身もこの解説ポイントを考えながら

『何と何の数字がどう合わなくて、何で関数を消す必要があるの???』

と思ってしまいました。(DAN爵さん、ごめんね!)

ひとまず指摘ポイントは

『エクセルの関数で計算している個所に、直接数字を入れてしまう』

『レポート数字を加工して誤魔化す』

の2つです。

指摘ポイント1:エクセルの関数で計算している個所に、直接数字を入れてしまう

「関数で計算している個所を、手打ちで修正」で、直ぐに思いつくケースは、

・CPCやCPAの項目に「件数/広告費用」の関数を入れて表示。

・件数が0の場合「#DIV/0!」が表示されてしまう。

・「#DIV/0!」を手打ちで修正する。

です。

関数のエラーの修正

このようにCPAを関数で表示する場合は、皆さんも大好きな「IFERROR関数」を使いましょう。

指摘ポイント2:レポート数字を加工して誤魔化す

「何と何の数値が合わなかったのか?」によっても変わりますが、レポート数値を修正する(誤魔化す)ケースはこの2つです。

ケース1:「広告管理画面の数字」と「広告管理画面から抽出したエクセルの数値」が合わなかった

「広告管理画面の数字」と「広告管理画面から抽出したエクセルの数値」が合わなかった場合、まずは

・レポートの抽出期間を間違えていないか?

・抽出時に「フィルター」や「条件の絞り込み」がかかっていないか?

をチェックしましょう。

安易にレポート数値を修正せず、数値が合わない原因をつきとめることが大切です。

ケース2:「Googleアナリテイクスなどの外部ツールの数値」と「広告管理画面から抽出したエクセルの数値」が合わなかった

この場合は、計測ツールと広告管理画面では、計測の仕組みが異なるため、お客様に「そもそも数値はズレます」と説明しておくことが大切です。

以前に、とある広告代理店様のサポートを行っていた際に

代理店様『「広告管理画面の数値」と「Googleアナリテイクスの数値」を合わせる作業に手間がかかっている』

私『そもそも数値に差異は出るものなので、広告レポートの数値まで合わせる必要ありますか?』

代理店様『もう1年もこれを続けているので、今さらお客様に言えない…』

なんてことがありました。

結局、お客様にちゃんと説明して

お客様『広告レポートの数字は、Googleアナリテイクスの数値と違っていても問題ない』

となりました。

お客様に仕様を分かりやすく伝えて、理解してもらうことも大切な役割です。

余談:「数字合わせをするために、関数の箇所を上書き修正する」について

今回のネタ「Excel(スプレッドシート)の関数のエラーを手打ちで修正してしまう」の解説を書く際に

『「何かしらの数字が合わないから、関数を修正する」ってどうゆうケースだろう?』

と、めちゃくちゃ悩みました。

まず、関数を使う項目って「CPC」「CTR」「CPA」「CVR」あたりだと思うのですが、この数字を合わるために関数を消すっていうのが、現実的ではないというか…。

・広告費用:10,000円 ←分子

・コンバージョン数:2件 ←分母

・CPA(関数で表示):5,000円

これで「CPA」を手入力で“4,000円”に修正した場合、そもそもの「広告費用」と「コンバージョン数」も変更しないと、CPAの計算が合わなくなるんですよね…。

なので、数字を合わせるために「コンバージョン数を修正した」ならまだ分かるんですけど、「関数を修正した」の情景が思い浮かびませんでした…。

※元ネタを考えたDAN爵さん、批判してごめんなさいね!

まぁ、“「パズル」は解くよりも作る方が難しい”ってやつです。

【7日目の間違いネタ】:間違って「Google 広告 コミュニティ」にお問い合わせをしてしまう

指摘ポイントは

『Googleのヘルプサポートに質問したつもりが、「Google 広告 コミュニティ」に投稿している』

です。

「Google 広告 コミュニティ」とは、誰でも投稿や閲覧ができる「掲示板」のような場所です。

ここに間違えて

『〇〇社の△△と申します。×××社(クライアント名)の広告について…』

と送ってしまうと、代理店の機密情報が「Google 広告 コミュニティ」に晒されてしまうという、なかなか危険度が高いミステイクです。

これは、Google 広告の管理画面の「ヘルプ」の導線が分かりにくくて、Google 広告に慣れていない人向けの“罠”としか思えないですね…。

Google広告ヘルプのキャプチャー

『知らないうちに「Google 広告 コミュニティ」に投稿していた』

という人も多いかと思われます。

『ちゃんと「Google 広告 ヘルプ窓口」へのお問い合わせになっているか?』

指差し確認で要チェックです。

お問い合わせの入力フォームに「Google 広告のお客様 ID を選択」が無い場合は

『あれ、これはもしかして「フォーラムへの投稿」か?』

と疑った方が良いです。

「Google 広告 ヘルプ窓口へのお問い合わせ」についてアミジャット田島の独り言

Google広告に限りませんが、ウェブ広告は代理店に依頼しなくても掲載できます。

初心者向けの本も沢山ありますので、「本を見ながら自分でGoogle広告を掲載している」という人も多いかと思います。

ただ、解説本の中では

『トラブルが起きたとき、「どこに」「どのような文面で」お問い合わせればよいか?』

までは説明されていないので、このようなミスが起こるのかなと感じます。

私がウェブ広告代理店に勤めていた頃は分業制でして、GoogleやYahoo!などの媒体とやりとりを専門に行う「メディアチーム」がありました。

※フリーランスとして独立した今も、ウェブ広告代理店時代の分業制を参考に組織を作っています。(まぁ、私が1人で全ての部署を担当しているんですけどね。)

アミジャットのリスティング広告運用体制図-big

私の昔話となりますが、当時のウェブ広告代理店では、Googleに質問したい場合

「ウェブ広告運用者」⇒「メディア担当」⇒「Google」

といった流れでした。

「メディア担当」の人が、「ウェブ広告運用者」から届いた質問に対して、“Googleに問い合わせるべき内容か?”を精査して、Googleに問い合わせます。

で、この「メディア担当」はウェブ広告運用経験が豊富なリーダークラスの人が担当するので、中途半端な質問を送ると怒られていました(笑)

ケース:1

ウェブ広告運用者『〇〇が消えているんですけど、バグなのかGoogleに質問して貰えませんか?』

メディア担当『先週のアップデート情報で「〇〇が消える」と告知してるよね(怒)アップデート情報を確認せずに仕事してるの?』

ケース:2

ウェブ広告運用者『△△が□□に変わっているんですけど、仕様なのかGoogleに質問して貰えませんか?』

メディア担当『その質問、以前に××さんがしていて、Googleからの回答をFAQに公開しているよね(怒)。FAQの履歴を確認してから質問してくれるかな?(激おこ)』

みたいな。※当時の話です。

ですので、「メディア担当者」に質問を送るときは、「アップデート情報」「過去の質問履歴(FAQ)」「媒体のヘルプページ」を漁るように確認していました。

私も2年目にGoogleのメディア担当をやらせていただき、メディア担当の先輩から

『媒体から“ちゃんとした回答”を貰うための質問の書き方』

などを教わり、これは今でも役に立っています。

そんな「思い出話」です。

【8日目の間違いネタ】:現状を報告しただけの「レポートの考察」

指摘ポイントは

『レポートの報告内容が現状数値の説明のみで、今後の施策について言及がない』

です。

「インプレッションが増えた」や「クリック率が悪化した」は、レポートの数値を見れば分かることなので、

お客様『で、どうするの?』

に対して、施策案を答えたいところですね。

「現状把握」…配信実績から“良い点”と“悪い点”を整理

「考察」…なぜ良くなったか、なぜ悪くなったかを考える

「施策案の提示」…「考察」に基づいて“良い点をさらに伸ばす施策案”、または“悪い点を改善する施策案”

こんな感じのステップで考えていくと良いかと思います。

あと、「日別レポート」を作るときは、

・数字の変化
・行った施策

を同時に確認できるようにまとめておくと、

『なんで途中からコンバージョンが増えているの?』

といった振り返りが簡単にできるようになります。

リスティング広告の日別レポート

※小川卓さんの「提案型ウェブアナリスト育成講座」で教えていただきました。

関連ブログ
「提案型ウェブアナリスト育成講座」について詳しく知りたい方は、別ブログ「小川卓さんの「提案型ウェブアナリスト育成講座」を受講しました」をご覧ください。

【10日目の間違いネタ】:広告予算額の「消費税込み?」「手数料込み?」の認識違い

指摘ポイントは

『広告予算の「税込み金額?税抜き金額?」の勘違い』

です。

このツイートの内容を整理すると、

・契約は「広告予算:100万円(税込み)」
・Google広告の管理画面では「100万円」を使い切っている

とのことです。

そして、Google 広告の管理画面に表示される「費用」は“税抜き”の金額が表示されます。

ですので、Google 広告の管理画面上での「費用」は、「909,091円」までに抑えなければ、「広告予算:100万円(税込み)」をオーバーしてしまいます。

このツイートの場合、管理画面上で「100万円(税抜き)」を使っていますので、実際は「110万円(税込み)」ですね。

10万円分を余計に利用してしまったため、この10万円は恐らく「補てん」ということになりますね。(お客様には100万円までしか請求できず、残りの10万円は広告代理店側の自腹…)

広告予算が「税込み/税抜き」「手数料込み/手数料抜き」なのか、案件ごとにしっかり管理することが必要ですね。

広告予算の「税込み/税抜き」「手数料込み/手数料抜き」について、アミジャット田島の独り言

案件ごとに「イレギュラー」があると、それだけミスが発生するリスクも増えるので

『受注する際は、全ての案件を「税抜き」「手数料込み」で統一する』

が一番良いと思います。

ただ、代理店様にも色々と事情があるので、「イレギュラーな条件」でも請けないといけないケースもありますよね。

私は2017年からフリーランスとして活動していますが、

『金額の認識間違い⇒補てん⇒死亡』

と、配信金額のミス(補てん)で、本当に「100日以内に死ぬ広告運用者」になってしまうので、特に新規案件での広告予算のやり取りは慎重に行っています。

御見積の提出時に、

『この予算は「管理画面上の費用」です。「運用代行手数料」は別請求です。「消費税」は別請求です。』

を小姑のように細かく説明&確認しています。

「#100日以内に死ぬ広告運用者」6日目~10日目のまとめ

100本のネタのうち、やっと10日目まで解説を書けました。

『他人が作ったネタは解説できなくてもいい』

は飲み込んだ。

それだけは喉が拒んだ。

言い訳は優しく肩を叩くが、その先の面倒は一切見ちゃくれない。

By MOROHA

という感じで、言い訳せずに「#100日以内に死ぬ広告運用者」11日目以降のネタ解説を続けていきます。

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